11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート


約1年ぶりに、配信特化型朗読劇『Dream Stage(ドリームステージ)-読奏劇-』が再始動した。第2弾は櫻井圭登に始まり、11月6日(土)に伊万里有の配信を予定。そして、梅津瑞樹、田村心と続く。本記事では、「江戸川乱歩 作/日記帳」を読んだ、伊万里の撮影現場の模様をレポートする。

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11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

パブリックドメインとなった国内外の名作小説・童話を題材に、音楽のMusic Videoのような映像に仕立てる「読奏劇」。今年春に、“聴く読書”サービス「ListenGo(リスンゴ)」にて、音声版のスピンオフが制作されており、伊万里はその際にも同作を読んでいた。作品と伊万里のフィット感から、映像作品としても「読む姿を含めて、この作品を表現する伊万里の姿を形にしたい」と、映像版にもオファーがされた。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

江戸川乱歩と言えば、日本における推理小説の第一人者。短編として書かれたこの「日記帳」は、病気で弟を亡くした「私」は、書斎で弟の日記を見つけた。そこに綴られていたのは、真面目で神経質な弟らしい言葉の数々。その中に、ふいにある女性の名前が登場し、兄は驚く。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

それは、兄弟にとって遠縁にあたる娘の名前だった。恋も知らずに亡くなったと思っていた弟が、彼女に想いを寄せていたのかもしれないと思うに至った兄は、日記帳と残されていたハガキをもとに、その心を推理しようとする・・・。淡く儚い恋を素材に、乱歩らしい推理小説としての一面も持つこの物語を、「読奏劇」の監督である鎌田哲生(ミュージカル『刀剣乱舞』のMVなどを担当)は、伊万里という素材からビターな大人の魅力を抽出し、ドラマティックで「破滅」的な物語に仕上げた。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

撮影が行われたのは、古書が壁一面に並ぶ重厚な書斎を模したスタジオ。この、撮影シチュエーションと物語のマッチングも、映像作品ならではのおもしろさだろう。中央に設けた椅子に深く腰掛ける伊万里を取り囲むように、複数のカメラが取り囲む。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

伊万里には、監督から「兄」として本を読み進めてほしいというオーダーが出されていた。何でも「はい、分かりました」とあっけらかんと答えたり、メイキングカメラの撮れ高を心配して自らディレクションしたり、ファニーな人柄で知られる伊万里だが、本を開くとその雰囲気は一転する。その顔は、すでに伊万里有ではなく、「兄」である。音声版とはまた違う、“俳優”が朗読する姿を捉える「読奏劇」の魅力が最も際立つ瞬間だ。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

「(カメラの前で)読んでいると、本当にどこかから見られているみたい」と言う伊万里。撮影は非常に順調に進んだ。朗読をする際、よく聞くのが「どの程度、読めばいいのか」。すべて暗記していても、初見で文字を追うことが中心になってしまっても、どちらも“朗読劇”にはなりきれない。伊万里は、そのあたりの勘が非常によく、カメラとの阿吽の呼吸で、日記帳という“謎”に苛まれる「兄」が思いを巡らす姿を形にしていった。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

今回も、映像のプロジェクションマッピングが使用されていた。「兄」の頭の中を象徴するようなその表現も、ぜひ注目してほしいところ。推理が進む場面では白い布に文字が 投影されるのだが、この文字、わずかに揺れている。思考のゆらめきを表現しようと、人力というアナログな手法で表現しようと取り組んでいた(スタッフが監督の求める程度に揺らそうと影でがんばっていたことをお知らせしたい)。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

また、映像内では「ウィスキー」が一つのキーアイテムとして用いられた。この「ウィスキー」について、伊万里からある提案が・・・。これが、物語を「結末」へと向かわせる上で大きな説得力を生んだように思う。言葉のないところにも、物語がある。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

結末を知っている方は、本作のラストの一行がもたらす衝撃をご存知だろう。しかし、本作にはその衝撃にとどまらない、映像でしか語れない“物語”への解釈が盛り込まれている。江戸川乱歩が綴った「短編小説」から、伊万里有が読む「読奏劇」へと変貌を遂げた物語が、どのような結末を迎えるのか・・・。

11月6日配信!伊万里有の「読奏劇」として見せる新解釈『江戸川乱歩・作/日記帳』収録レポート

ちなみに、伊万里は監督やプロデューサーの作るものを信頼し、あえて公開当日まで「完成形を見ない」と宣言していた。配信日には、ぜひ伊万里と共に、「読奏劇」が提示する本作への“解釈”を、一緒に見届けてほしいと思う。

伊万里有による読奏劇 #9『江戸川乱歩・作/日記帳』は、11月6日(土)21:00より配信される。チケットは、配信プラットフォーム「イマチケ」(https://ima-ticket.com/dreamstage02)にて販売。アーカイブあり。

『Dream Stage -読奏劇-』配信概要
【出演者】伊万里有/梅津瑞樹/櫻井圭登/田村心
※50音順

【チケット販売】
イマチケ:https://ima-ticket.com/dreamstage02
チケット代:各回3,000円(税込)
※アーカイブ配信あり

#09 櫻井圭登_朗読『新美南吉・作/手袋を買いに』
配信日:10月23日(土)21:00
チケット:https://ima-ticket.com/event/301

#10 伊万里有_朗読『江戸川乱歩・作/日記帳』
配信日:11月6日(土)21:00
チケット:https://ima-ticket.com/event/302

#11 梅津瑞樹『太宰治 作/猿ヶ島』
配信日:12月20日(月)21:00~
チケット:https://ima-ticket.com/event/310

田村心『芥川龍之介 作/杜子春』
配信日:未定(後日発表)

<Twitter>
【読奏劇 公式】https://twitter.com/dokusogeki
【企画制作・ドリームライン公式】@dreamline_inc
<YouTube>
【ドリームライン公式】
https://www.youtube.com/c/Dreamlineinc

※2020年「読奏劇」ダイジェスト&予告
※音声版・読奏劇「読奏劇×ListenGo」試聴音源
各種コンテンツ公開中

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

チケットぴあ
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