岡本圭人、初ストプレ&舞台単独初主演『Le Fils 息子』で父・岡本健一と親子演じる

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『Le Fils 息子』岡本慶一・岡本健一

世界13ヵ国で上演され、タイムズ紙をはじめ各紙で絶賛された傑作『Le Fils 息子』が、2021年秋に日本で上演されることが決定した。主演を務めるのは岡本圭人。息子ニコラ役を演じる岡本圭人は、これが初の舞台単独主演であり、初のストレートプレイ作となる。また、ニコラの父役には、岡本圭人の実際の父でもある岡本健一が決定。親子共演を果たす。

『Le Fils 息子』ラディスラス・ショラー

『Le Fils 息子』(作:フロリアン・ゼレール/演出:ラディスラス・ショラー)は、パリのシャンゼリゼ劇場にて2018年に初演。フランス最高位の演劇賞であるモリエール賞にて最優秀新人賞を受賞するなど高い評価を受け、ロンドンのウエストエンドなど世界13ヵ国で上演。タイムズ紙やデイリーテレグラフ、ファイナンシャルタイムズなど各紙の劇評でも絶賛された。

『Le Fils 息子』フロリアン・ゼレール

脚本のゼレールは「現代において、もっとも心躍る劇作家」と呼ばれ、世界中から注目されているフランスの若手劇作家。「家族三部作」として始めに『La Mère 母』を、次に『Le Père 父』、そして本作『Le Fils 息子』を書き上げた。

老いの現実と家族の葛藤を描いた『Le Père 父』は、2019年に東京芸術劇場にてショラーの演出で上演されており、主人公である父を演じた橋爪功が第44回菊田一夫演劇賞演劇賞および、第27回読売演劇大賞大賞・最優秀男優賞を、アンドレの娘を演じた若村麻由美が優秀女優賞を受賞した。

なお、『Le Père 父』は2020年にアンソニー・ホプキンスが主演と初監督を務め、『ファーザー』のタイトルで映画化もされている。映画も、今年の第93回アカデミー賞に作品賞をはじめ6部門にノミネートされるなど高い評価を得た。ホプキンスは、現在『Le Fils 息子』の映画化にも着手。ヒュー・ジャックマンが父親役で出演することが発表され、話題となった。

ゼレールの最も悲劇的で普遍的な作品と言われる『Le Fils 息子』は、思春期の絶望と不安に苛まれながら必死にもがく息子と、愛によって息子を救おうとする父親を描く、家族の物語。

息子ニコラ役に抜擢された岡本圭人は、9歳でイギリス留学した経験もある英語力を生かし、2018年よりアメリカ最古の名門演劇学校であるアメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツで学んできた。父親ピエール役の岡本健一は、第26回読売演劇大賞最優秀男優賞、第45回菊田一夫演劇賞演劇賞など、数々の演劇賞を総なめにしてきた人物。実の親子である二人が、“父子”の物語をどう演じるか、注目だ。

このほか、ニコラの実母アンヌ役には演出のショラーからの信頼も厚い若村麻由美が『Le Père 父』に続いて出演。そして、ピエールの再婚相手ソフィア役には伊勢佳世、医師役には浜田信也、看護師役には木山廉彬が決定している。

『Le Fils 息子』は、8月30日(月)から9月12日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて上演後、北九州、高知、能登、新潟、宮崎、松本、兵庫を巡演する。

東京公演のチケット一般発売は7月10日(土)10:00よりスタート。

目次

あらすじ

「何かを変えたい。でも、どうしたらいいか分からない」
17歳のニコラは難しい時期を迎えていた。両親の離婚により、家族が離れ離れになってしまったことにひどいショックを受けて動揺し、何に対しても興味が持てなくなってしまっていた。嘘を重ねて学校にも行かずに日がな一日、目的もなく一人で過ごしていたところ、学校を退学になってしまう。父親(ピエール)は新しい家族と暮らしていたが、母親(アンヌ)からニコラの様子がおかしいことを聞き、何とか彼を救いたいと、離婚後に距離を置いていた息子と、向き合おうとする。

生活環境を変えることが、唯一自分を救う方法だと思えたニコラは、父親と再婚相手、そして年の離れた小さな弟と一緒に暮らし、新しい生活をスタートさせるのだが・・・。悩み、迷い、傷つきながら、自分を再発見していく絶望した若者の抒情詩。

コメント紹介

◆岡本圭人
初めて、『Le Fils 息子』の台本を読ませて頂いた時に、僕は劇作家フロリアン・ゼレールの描く物語に強い感銘を受け、この作品に巡り合えたことに運命を感じました。

僕がこれまで歩んできた人生と、主人公ニコラの人生とが重なり、彼の心情や言葉がまるで自分のことのように痛いほど理解することができました。

そして、台本を読めば読むほど、僕の中で「ニコラのことを救いたい・・・」
という気持ちが膨らんでいきました。

「どうすれば彼のことを救えるのか・・・」と考えた時に、ゼレールが描いたこの物語を1人でも多くの方々に知っていただくことで、
もしかしたら世界中にいるニコラのような子、そしてその家族を救うことができるかもしれないと思いました。

演出家のラディスラス・ショラーさん、大先輩でもある父・岡本健一や
若村麻由美さんを始めとするキャストの皆様、そして素晴らしいスタッフの
皆様と共に、『Le Fils 息子』の物語に生命を吹き込めるように、
全力を尽くします。

ぜひ、劇場まで足を運んでいただき、この物語を皆様と共有できることを心から望んでいます。

よろしくお願い致します。

◆岡本健一
誰もが考えてしまうであろう家族の物語です。
子供たち、親達が抱えている問題。
お互いがどんなに理解しようとしても、その思いが伝わらない問題。
自分の思いと相手の思い。
どうすれば解決出来て、どうすれば救えて、どうすれば助けて貰えるのか。
あの時にこうすれば、ああすれば良かった。
こんな思いにならなければ、こんな思いをさせなければ良かった。

いずれにせよ、すべてが過ぎ去っています。
これからが大切だと生きて行くしかないのですが、この思いを抱えて、
これからを生きて行くしかないのです。
『Le Fils 息子』この物語の登場人物たちは、
それぞれがどんな思いで、どんな出来事があったのでしょうか。

私は、この作品を読む度に心が打ち砕かれて、ページが進まなくなり、思考回路が止まってしまうような場面がいくつかありますが、稽古に入る頃には克服しているでしょう。

私たちは様々な状況の中で生活していますが、これからを生きて行く世代の為にも、出来るかぎりたくさんの方々に、この作品を伝えなければならないと思っています。

劇場では感染対策を万全にしていますので、どうかお身体を大切に健康でいて、
血の繋がった父と息子が織りなす、ある家族の物語の生活を、劇場にて公然と覗き見てください。

◆フロリアン・ゼレール(作)
東京で『Le Fils 息子』が初演されることになり非常に嬉しく思っています。これは私にとって特別に大切な物語であり、ここに描かれた感情には私の個人的な体験が直接反映されています。しかし作品を書くにあたって私自身を物語ったわけではありません。私以外の人が、自分自身を映し出せるような鏡を差し出してみせたのです。私はそれこそが芸術の存在意義だと感じています。芸術は私たちの抑えきれない感情の共有を可能にします。それによって、私たちはお互いに孤立した個体ではない、それどころか私たち自身よりも大きな何かに帰属しているということ、そしてその何かは“人類”と呼びうるものだということを私たちに思い出させます。

この作品がラディスラス・ショラーのすばらしい演出によりパリで初演された時、嬉しいことに毎回終演後に観客が私たちを待っていてくれました。彼ら自身の物語を分かち合うためです。彼らの物語は往々にしてピエールやアンヌやソフィアやニコラの物語の延長でした。今、日本の皆さんのおかげで、そして皆さんを通じて、この分かち合いが続いていくのだと想像してとても幸せです。
東京芸術劇場、そして俳優の皆さん、この日本版上演を可能にしてくれたすべての人々に心より感謝いたします。

ヨーロッパでは何か月にもわたりあらゆる劇場が沈黙を余儀なくされてきましたが、そんな時期のあとに、この作品の幕が日本で開くことは特別な喜びです。皆さんと一緒にその瞬間を分かち合えたらこの上ない喜びだったでしょうが、『Le Fils 息子』の映画撮影の予定が入っておりヨーロッパにとどまらざるをえません。私は想いによって、心によって、そして明晰なラディスラス・ショラーの仲介によって、その場に立ち会っていることでしょう。
皆さんに感謝します。

◆ラディスラス・ショラー(演出)
フロリアン・ゼレールの『Le Fils 息子』演出のために日本に戻ってこられることは大変光栄であり、大きな喜びです。

2年前に上演された同じ作者の『Le Père 父』日本版の演出は、私にとってすばらしい仕事の思い出となりました。日本の俳優の皆さん、そして東京芸術劇場のテクニカル/アーティスティック・スタッフと共に仕事できたことは大変な僥倖でした。

今回の『Le Fils 息子』日本版のキャスティングには2つの特色があります。
まず私にとって若村麻由美さんと再会する機会であるということ。『Le Père 父』で彼女を演出できたのは大きな喜びでした。

そして、もう一つはピエールとニコラを、実生活でも父子である俳優2人、岡本健一さんと岡本圭人さんに任せる選択をしたことです。

血の繋がった実の息子と共演するというリスクを引き受けてくれた健一さんに心よりお礼を申し上げます。私生活と仕事を両立させるのは容易なことではありませんが、彼らの父子の絆が、舞台上の父子の絆をより一層深く、鋭いものにしてくれることと確信しています。

圭人さんは豊かな感受性を持った青年であり、絶えず進化しようとしています。ストレートプレイで大きな舞台を踏むのはこの作品が初めてです。この役が彼にとって、その若い才能のあらゆる色彩を表現する機会となることを願っています。

『Le Fils(ル・フィス) 息子』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2021年8月30日(月)~9月12日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【北九州公演】2021年9月17日(金)~9月19日(日) 北九州芸術劇場 中劇場
【高知公演】2021年9月22日(水)~9月23日(木・祝) 高知市文化プラザ かるぽーと 大ホール
【能登公演】2021年9月26日(日) 能登演劇堂
【新潟公演】2021年9月29日(水)・9月30日(木) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
【宮崎公演】2021年10月3日(日) メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
【松本公演】2021年10月9日(土)・10月10日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
【兵庫公演】2021年10月14日(木)~10月17日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

スタッフ・キャスト

【作】フロリアン・ゼレール
【翻訳】齋藤敦子
【演出】ラディスラス・ショラー

【出演】
岡本圭人 若村麻由美 伊勢佳世 浜田信也 木山廉彬 岡本健一

【公式サイト】https://lefils-theatre.jp



『Le Fils 息子』岡本慶一・岡本健一

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