2020年1月24日(金)に東京・TBS赤坂ACTシアターにて劇団EXILE『勇者のために鐘は鳴る』が開幕した。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、劇団EXILEの青柳翔、秋山真太郎、小澤雄太、鈴木伸之、町田啓太、小野塚勇人、SWAY、八木将康、佐藤寛太が登壇した。
「劇団EXILE」は、EXILEパフォーマーを中心に2007年の旗揚げから、数々の舞台を上演し、2009年から4回に及ぶ「劇団EXILE」オーディションを経て、現在9名のメンバーで構成。本作では劇団EXILEのメンバー9名が初めて全員出演し、自ら原案プロデュースを初めて務めており、EXILEらをマネージメントするLDHが2020年に開催する6年に一度のエンターテインメントの祭典「LDH PERFECT YEAR 2020」幕開けと共に、劇団EXILEも新たな試みに挑戦する。脚本は畑雅文、演出は川本成。
【あらすじ】
超人気オンラインゲーム「IGNITION(イグニッション)」の世界に集まった9名。自分だけのオリジナルキャラクターを作り、仲間と会話しながら様々なクエストに繰り出す夢の冒険ゲーム。今回、課金ユーザのためだけに行われる賞金1億円のスペシャル感謝クエストに参加した面々は様々な珍ミッションに立ち向かいながら、それぞれの目的が解かれていく。そして、その先にある物語とは・・・。
今作の登場人物は、アンサンブルもなしの劇団EXILEメンバー9名のみ。全員がゲーム内のキャラクターを演じ、そのキャラクター設定も個性的なメンバーらしさを際立たさせるものとなっている。囲み会見では、そんな個性的なキャラクターの衣装で登場し、それぞれ挨拶を行った。
妻と娘とうまくいっていないという悩みを抱えたサラリーマンの黒魔術師、Y崎(ワイザキ)を演じる秋山は「企画から考えると2年間ぐらいずっと劇団員とみんなで話し合って作ってきたので、ようやく初日を迎えることができて感無量です」と振り返った。
三度の飯よりギャンブルが大好きという遊び人、うまなり役の八木は「全員が揃って舞台ができるということが楽しみなので、早く舞台に立ちたいです」と開幕が待ちきれない様子。
半蔵というオタクな忍者役を演じるSWAYは「久々の舞台なので個人的にはみんなに迷惑をかけないようにしたいと思います。来ていただける方に愛の手裏剣を飛ばしたいです!」と役柄に掛けた意気込みを披露するが、登壇者たちがまさかの無反応。思わずSWAYは「笑うところですよ! ビックリしました(笑)」と苦笑いを見せた。
ネオ渋谷系の僧侶、326(ミツロー)を演じる小野塚は「見た目がチャラかったり、若者言葉を使ったりする役ですが、実は心の優しい真っ直ぐな青年なのでそういうところを見せていきたいです」と意気込んだ。
バチバチというワイルドな武闘家役を演じる小澤は「見かけはものすごくワイルドなんですけど、ゲームをプレイしている人間は中学生という役回りです。そこのギャップを見せられたらと思っております」とアピール。
JACKという肉体派の戦士役を演じる鈴木は「自分よがりなところがありながら、一人でも果敢に戦いを挑んでいくようなキャラクターなので、一生懸命に千秋楽まで頑張りたいです」と意気込みを語った。
魔王役の青柳は「見てわかるように魔王の役です」と笑いを誘うと、「どんな役どころかは言えないんですけど、ヒントは角と衣装の下に隠れている靴です。最高のスタッフと、最高の劇場と、最低の劇団員たち(笑)と、一緒にがんばってきました」と冗談を交えながら挨拶。
ナイトという知能派の戦士役を演じる町田は、青柳の挨拶を受けて「最低な劇団員の一人です(笑)」と自己紹介し、改めて「考えすぎて、頭でっかちになってしまうが故にある決断を自分でしてしまい、それが後半に自分と対話しながら、このキャラクターがどう夢に向かっていくのか、そういうところをしっかりと演じていきたいです」と役作りを説明した。
青春(アオハル)という純粋無垢な魔法戦士役を演じる佐藤は「実物は高校生で僕はゲーム内のキャラクターを演じさせていただくんですが、その中でオンラインを通して人とのつながりを見いだしていくキャラクターになっています」と役柄を解説。
物語はネットのオンライン・ファンタジー・ゲームの中で、ナイトとJACKの2人を中心に9人がラスボスを倒すためにゲーム世界のあるあるネタなどのギャグを盛り込みつつ熱いバトルを繰り広げ、現実の自分たちを見つめ直すドラマティックなストーリーが展開する。
本作の見どころについて、秋山は「観劇というよりは体験型エンターテインメントなので、お客さんと一緒に作り上げる舞台になっています」と述べると、「『LDH PERFECT YEAR 2020』のシーズン・テーマの1番目が“IGNITION”というんですけど、僕らがプレイしているゲームも『IGNITION』という名称で、そこも掛けています。とにかくお客様に楽しんでもらえる舞台を作るというのを念頭に置いて作っています」と強調した。
続けて、町田が「エンターテインメント性を一番重視していて、いろんなことを詰め込んでいます。印象が大きいシーンがたくさんあるので、逆にお気に入りのシーンを見つけてください」と呼びかけたように、ゲームのイベントをクリアするために登場人物たちが舞台上で様々な仕掛けをプレイするなど見どころが満載。
あるシーンでは八木のフライングがあるかもと登壇者たちが匂わすと、鈴木が「もう言っちゃいますけど、飛びます(笑)」とぶっちゃけて笑いが起こり、登壇者全員が見どころとして挙げた青柳が演じる魔王については、インパクト抜群の笑いと予想外の感動をもたらしてくれる。
囲み会見では、稽古場で初めて9名でクリスマスを過ごしたり、小澤が稽古場でケータリングの手作り料理を振る舞ったなど、劇団員たちの和気あいあいとした仲の良さを感じさせる稽古場エピソードも披露。
さらに、小澤がLDH kitchen「男THE飯」で本作のコラボメニューをプロデュースするという話で盛り上がると、EXILEのHIROから差し入れがあったという話題にSWAYが「何を差し入れしていただいたか話すと、舞台の記事がHIROさんの話ばかりになるのでやめておきます(笑)」と答えて、会場も爆笑に包まれた。
会見の最後には、町田が「9人全員で力を合わせ、個性を集めて爆発していこうと、一から一生懸命にスクラムを組んで作り上げた作品です。幕が閉じるまでしっかりと完走していきたいので、ぜひ皆さん楽しみにしていてください」と呼びかけて締めた。
今風なネットゲームをテーマとし、笑いも満載で、最後には思わずホロリと感動させてくれる本作。劇団EXILEの新たなる一歩となる今作をぜひ劇場で楽しんでほしい。
劇団EXILE『勇者のために鐘は鳴る』は、以下の日程で上演。上演時間は、約2時間10分(休憩なし)を予定。
【東京公演】1月24日(金)~2月2日(日) TBS 赤坂ACTシアター
【大阪公演】2月13日(木)~2月16日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
【劇団EXILE公式サイト】https://m.tribe-m.jp/artist/index/26
(取材・文・撮影/櫻井宏充)