2020年5月から上演される、佐々木蔵之介主演のPARCO劇場オープニング・シリーズ『佐渡島他吉の生涯』のキービジュアルが公開された。さらに、オールキャストが決定。佐々木と共に、石田明、壮一帆、谷村美月、松永玲子、藤野涼子、大地洋輔、弘中麻紀、福本伸一、上川周作、どんぐり、陰山泰ら多彩で個性豊かな面々が、明治38年から昭和21年まで、大阪の河童路地の長屋に住む“他(た)ぁやん“の人情味に溢れながらも波瀾万丈な生涯を、笑いと涙を織り交ぜて描き出していく。
本作は、昭和の名優・森繁久彌氏によって1961年に初演され、その後10回以上の再演を重ねた人情喜劇の名作。坂口安吾らと共に無頼派の一人として知られ、今でもファンの多い作家の織田作之助の「わが町」を原作に、椎名龍治が脚本を担当し、主人公・他吉を演じた森繁久彌本人が潤色と演出を兼ねつつ創り上げられてきた。2016年に上演した『BENT』以来、4年越しとなる森新太郎と佐々木のタッグで、この名作喜劇を現代に蘇らせる。
今回、メインキャストとして発表されたNON STYLEの石田は他吉(佐々木)がフィリピンから帰国以来、大阪の河童路地で何かと相談相手となる万年前座の噺家・〆団治役を務めることに。また、元宝塚トップスターの壮一帆が他吉が思いを寄せる二人の女性を演じ分ける。
その他、他吉が一旗揚げようとフィリピンで働いている間、日本に残された妻・おつる役にナイロン100℃の松永、他吉とおつるの娘・初枝役に谷村、さらに初枝の娘で、他吉の孫娘にあたる君枝役に藤野、若手の活動弁士・橘玉堂役にダイノジの大地、キセル屋の亀役には劇団ラッパ屋の福本、その妻役に同じく劇団ラッパ屋の弘中、散髪屋の後家でおかみのおたか役にどんぐり、その息子の敬吉役に上川、他吉や〆団治が住む長屋の家主・笹原主人役に陰山と、メインキャストはほぼ関西圏出身者で、当時の大阪の貧乏長屋を舞台にそこで生きる人間たちの力強くもせつない物語を臨場感たっぷりに紡ぎ出す。
【ストーリー】
一旗揚げようと妻子を日本に残してフィリピンのベンゲット州の道路工事に従事していた人夫の他吉(佐々木)。通称“ベンゲットの他(た)ぁやん“は、そこに働く荒くれ共の中でも名うての暴れん坊だった。しかし、ある日現地の白人との喧嘩が元で日本に強制送還されることが決まる。その地を離れることに未練はなかった他吉だったが、そこで知り合い心を通わせていた”からゆきさん“の静子(壮一帆)との別れはつらかった。
しばらくして大阪のごみごみとした河童路地にある長屋の自宅へと戻った他吉。夫を待ち続けていた妻のおつる(松永)と幼い娘の初枝は、他吉に会うなり音信不通のまま自分たちをほったらかした家長を責め立てる。これからは二人のために人力俥夫となって働くと宣言する他吉に大喜びしていた二人だったが、ほどなくして妻のおつるが病死してしまった。
それでも、隣家の噺家〆団治(石田)をはじめとする長屋の人々の支えも借りながら、残された一人娘のために俥夫としてしゃにむに働き続ける他吉。やがて成長した娘の初枝(谷村)は近所に住む桶屋の息子の新太郎といい仲になり、新太郎は借金をしながらも新たなお店を構え、二人は夫婦となって切り盛りし始めた。他吉も娘夫婦の借金返済に一役買おうと、まだまだ体を責めて働き続ける。ところが新太郎と初枝の店は隣家の火事に巻き込まれてしまい・・・。
PARCO劇場オープニング・シリーズ『佐渡島他吉の生涯』は下記の日程で上演される。
【東京公演】2020年5月13日(水)~6月7日(日) PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)
【大阪公演】2020年6月25日(木)~6月28日(日) NHK大阪ホール
【原作】織田作之助「わが町」より
【脚本】椎名龍冶
【潤色】森繁久彌
【演出】森新太郎
【出演】佐々木蔵之介、石田明(NON STYLE)、壮 一帆、谷村美月、松永玲子、
藤野涼子、大地洋輔(ダイノジ)、弘中麻紀、福本伸一、上川周作、どんぐり、陰山泰、
清瀬ひかり、高橋克明、高本学、辻本みず希、長橋遼也、橋本菜摘、
橋渡竜馬、原口侑季、早野ゆかり、双松桃子、平宅亮、ほりすみこ、前田一世、横濱康平