舞台『OUT OF FOCUS!』が2019年2月9日(土)に東京・シアターサンモールにて開幕した。本作は、とある田舎の山奥の廃墟を舞台としたワンシチュエーションコメディ。主催・制作はトライフルエンターテインメント。演出は鈴木智晴(劇団東京都鈴木区)、脚本は葛木英が手掛けている。主演を務めるのは、畠山遼。畠山は、これが初の単独主演舞台となる。このほか、北村健人、正木郁、柏木佑介、石井由多加、村田恒、岸本卓也、向野章太郎、高木俊、増田裕生が出演。
(以下、冒頭のあらすじ、配役に触れています)
廃墟の中には、男が3人。背の高い一人の男が、椅子に縛られた二人の男を脅している。二人はどうやらお笑い芸人らしく、何か問題を起こしてしまい、このような状況に置かれているらしい。芸人二人を脅していたのは、叶谷大志(畠山)という強面のヤクザ・・・と見せかけた役者。
叶谷は、アイドルとの熱愛を報道されてしまった「誉ベジタブル」の安納ポテ男(柏木)に、相方の九条ねぎ丸(石井)と共にドッキリを仕掛けるTV番組の仕掛け人役だった。芝居をしながら、人気の若手ディレクター・火野大典(北村)と、番組のAD・犬飼ヒカル(正木)の指示を待つ。良い絵が撮れたら、タイミングを見計らってポテ男の父・城之内厚司(向野)が、おなじみの「てってれー!」の音に乗せて、ネタばらしをする予定だったが・・・。
そこへ、廃墟の持ち主である地主・古屋敷金成(高木)、村役場の職員・二階堂昇(村田)、お酒好きな駐在さん・酒井好人(岸本)、猟師の権守虎(増田)も絡んできたり、トラブルが続出したりと、てんやわんや。アドリブがきかない叶谷の運命は?果たして、ドッキリは成功するのか―。
畠山と柏木に行った事前インタビューでも語られていたように、常に「作品をもっとおもしろくしよう」という意識を共有し、作品作りを行ってきたという役者陣。コメディは、一つ一つの台詞のタイミングなど、すべてが連なって笑いのうねりを生み出していくが、そのためのコンビネーションは抜群。さらに、もっともっとという貪欲な前のめりの意識が感じられた。きっと、公演が終了するまで一丸となってブラッシュアップし続けることだろう。
ヤクザ役ということで、スーツに派手な柄シャツをバリっと決めた畠山は迫力があるのだが、一方で生真面目で一本気な叶谷という青年の“普通さ”を思いきりよく表現している。すっと研ぎ澄ました視線が、下がり眉と共に一気に崩れる瞬間はファニー&キュート。巻き込まれ型主人公にぴたりとハマっている。物語の中で叶谷が見せる成長に、畠山の新たな可能性が垣間見えた。
コメディの楽しさは、驚きに次ぐ驚きの展開!この先は、ぜひ劇場で。
舞台『OUT OF FOCUS!』は、2月17日(日)まで東京・シアターサンモールにて上演。上演時間は約90分を予定。全公演当日券の販売あり。詳細は、公式HPにてご確認を。
【公式ブログ】http://outoffocus-stage.blog.jp/
【公式Twitter】@outoffocusstage
※高木俊の「高」は「はしごだか」が正式表記
(取材・文/エンタステージ編集部、写真/オフィシャル提供)