2018年12月21日(金)に東京・オルタナティブシアターにて“斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世”『蒼』THE PRIDE が開幕した。本作は、CAPCOMの人気ゲームシリーズ舞台化第15作目の完全最新作。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、眞嶋秀斗、沖野晃司、伊阪達也、橘龍丸、汐崎アイル、寺山武志、末野卓磨、佐々木崇、構成・演出・映像のヨリコジュン、企画・原作監修の小林裕幸(CAPCOM)が登壇した。
今回の斬劇『戦国BASARA』は、シリーズ初の“蒼紅”2作連続の上演となっており、12月16日(日)まで上演されていた、真田幸村を主人公とした「『紅』未来への誇り」(以下、『紅』)に続き、伊達政宗を主人公とした「『蒼』THE PRIDE」(以下、『蒼』)を上演。
『紅』に続いて演出を務めるヨリコは「“蒼紅”のイメージをどうするか考えた時、子どもの頃に使っていたU字の赤と青の磁石を思い出しました。これを自分が持って、お客様が持っている磁石をうまく引きつけて、くっついたら離れないような、良い作品を作ろうと思ってやってきて、できていると確信しております」と自信を見せた。
物語の舞台は『紅』と同様に、第六天魔王・織田信長が明智光秀の裏切りにより討死にし、勢いにのる覇王・豊臣秀吉が、更なる力を求めて一気に勢力を全国へと広げた時代。
『蒼』と『紅』は同時期の2つの物語となっているが、メインストーリーはそれぞれ単独でも楽しめる内容となっており、原作監修の小林も「両方を合わせて一つの“蒼紅乱世”という作品になっておりますので、『紅』を観た人は『蒼』でより全体像が見えますし、『紅』を観ていない方でも、いつもの『戦国BASARA』としてしっかりお話ができています」とアピールした。
本作の主人公である伊達政宗役の眞嶋は「『蒼』は現代にも通じるようなお話です。激動の時代の中で、何を楽しみとして、何に向かって誰とどのように生きていくのかを考えながら、一丸となって進んできました」と振り返り、「殺陣で2018年をスカッと締めくくりたいという方々、そして戦国時代に興味があるという方々、いろんな皆様にぜひ観に来ていただきたいです」と呼びかけた。『紅』からバトンを受け取った眞嶋は、政宗としてライバル真田幸村の想いを胸に秘めて鋭く六爪を振るい、仲間と共に覇王・豊臣秀吉へと立ち向かっていく。
秀吉との関係に苦悩しながらも、力強い殺陣で舞台を盛り上げる前田慶次役を演じるのは、斬劇『戦国BASARA4 皇』本能寺の変 以来の登場となる伊阪。「『紅』からの勢いをそのままに、皆で突っ走っていけたらと思っているんですけど、「祭りだ!祭りだ!」という感じでほかのメンバーと明るく楽しくやっていけたらいいなと思っています」と盛り上げ上手の慶次役らしくコメントした。
主君を持たず流浪の浪人として、政宗や豊臣軍とも刃を交える後藤又兵衛。その凶悪さを舞台上で存分に発揮する汐崎が「劇場もコンパクトで、キャストの人数もキュッとなっておりますが、濃縮還元されたという受け取り方をしていただければ嬉しいです」と明かすように、本作では8名の登場人物たち一人一人の物語にフォーカスがより当たる脚本と演出になっている。また、映像として『紅』に登場した真田幸村(松村龍之介)、徳川家康(中尾拳也)らも登場し、要所で物語を引き締める。
『蒼紅』の両方に登場し、両作をつなぐキャラクターとして幸村の“誇り”と政宗の“PRIDE”を紡ぐ山中鹿之介。演じる橘は「(『紅』の雰囲気から)『蒼』の雰囲気もまた変わり、『紅』の熱量に負けることなく、しっかりと見せていきたいです」と意気込みを披露した。
戦国の世に覇を唱え、豊臣軍を率いる覇王・豊臣秀吉役の佐々木は、本シリーズ初出演となる。強大な敵として政宗たちの前に立ちはだかる姿はまさしく覇王そのもの。初日を迎えて、佐々木は「稽古初日からずっと緊張していましたが、温かいカンパニーの皆様に支えられてきました」と稽古を振り返り、「2018年観劇納めの方も多いと思いますが、それに見合うように“PRIDE”を持って、豊臣軍に、そして、この斬劇『戦国BASARA』に取り組みたいと思っております」と意気込んだ。
本シリーズに風魔小太郎役として3度出演していた末野は、本作で竹中半兵衛を演じる。「今回は竹中半兵衛になりまして、台詞を初めてしゃべります。そして、顔の露出部分がちょっと増えました(笑)」と続けてのマスクキャラに笑顔を見せ、「豊臣軍として、秀吉様を支え、三成くんを引っ張ります。ぶつかり合う、熱い僕ら豊臣の絆を観てください。観終わった後に、豊臣推しが増えたら嬉しいです」と秀吉の忠実な家臣役として豊臣推しを猛プッシュ。
前作で、稽古中の怪我により殺陣に代役を立てた石田三成役の沖野は「前回、自分の力をすべて発揮できませんでした。今回はしっかりと地に足を付けてがんばりたいです」と意気込み、「石田三成としては初めて秀吉様、半兵衛様と舞台で共演できるのがすごく嬉しいです。復活した豊臣と、そして皆様があっと驚くラストをぜひご期待ください」と見どころとして挙げたラストは、石田三成の生き様を強く印象づけるものとなっている。
ハイスピードでド派手な殺陣とCGやプロジェクションマッピングなどの効果的な映像演出は、『紅』同様に遜色ないものとなっているが、物語は要所に笑いを盛り込みつつも、『紅』と比べてシリアス寄り。
その笑いの中心に位置するのが、寺山の演じる最上義光だ。2作前に北条氏政役として出演していた寺山は「いよいよ斬劇『戦国BASARA』“緑 気高きお茶を求めて”が始まりますが・・・」と会見からボケ全開で突っ走ると、周りの反応に「さっき裏でやれって言ったの誰ですか!」と叫び、会場は爆笑に包まれた。
また、本公演でも『紅』と同じく、キャストと物語は同じで「笑い」に特化した限定オリジナル演目「笑劇」も期間中各2公演限定で上演される。シリアス寄りの『蒼』がどのような笑劇を見せるのか楽しみだ。
「斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世 『蒼』THE PRIDE」は12月30日(日)まで、共に東京・オルタナティブシアターにて上演。
なお『紅』のDVDが2019年5月末に、『蒼』のDVDが6月末に発売されることも決定した。どちらも、各公演の「笑劇」全編が特典映像として収録されるほか、初回特典版には豪華ブックレット付き。さらに、劇場予約特典として各公演の主要キャストのブロマイドセットがプレゼントされる。詳細は、以下のとおり。
◆斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世『紅』未来への誇り DVD
【発売日】2019年5月末日予定
【価格】7,000円(税込)
【販売元】株式会社エースクルー・エンタテインメント
◆斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世『蒼』THE PRIDE DVD
【発売日】2019年6月末日予定
【価格】7,000円(税込)
【販売元】株式会社エースクルー・エンタテインメント
【販売先URL】https://acecrew.shop-pro.jp/
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
(取材・文・撮影/櫻井宏充)