2018年12月7日(金)に東京・オルタナティブシアターにて斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世『紅』未来への誇りが開幕した。本作はCAPCOMの人気ゲームシリーズ舞台化第15作目の完全最新作。初日当日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、松村龍之介、中尾拳也、白又敦、橘龍丸、伊藤裕一、小谷嘉一、西野太盛、瀬戸祐介、構成・演出・映像のヨリコジュン、企画・原作監修の小林裕幸(CAPCOM)が登壇した。
本公演では「『紅』未来への誇り」(以下、『紅』)、「『蒼』THE PRIDE」(以下、『蒼』)として『戦国BASARA』シリーズでは初の“蒼紅”2作連続の上演を行い、『紅』では真田幸村を、『蒼』では伊達政宗を主人公に完全オリジナルストーリーで展開する。
“蒼紅”共に演出を務めるヨリコは「本編の台詞の中に“ライバル”という言葉があるんですけど、まさに、『紅』も『蒼』も良き“ライバル”としてお互いを高め合って、稽古を進めてきた作品だと思っています。キャスト・スタッフ一同ディスカッションしながら一生懸命に作品を作ってきました」と稽古を振り返った。原作監修の小林も「『紅』チームと『蒼』チームと良い意味で刺激し合って、一つの大きな物語としてすごくいい作品となりました」と同調した。
今回、シリーズ初の座長を務める真田幸村役の松村は、この公演でシリーズ通算150回目の出演を迎えるという。その記念すべき公演に、松村は「今回、2作品に分かれての上演となりますが、僕らが先陣を切らせていただくことで、この『紅』という作品が『蒼』に対していいバトンを渡せるよう、最初から全13公演、全力で駆け抜けていきたいと思います」と意気込みを披露。その意気込みのごとく、松村は“斬劇”の名のとおり、熱い演技とド派手な大立ち回りで真田を演じきっていた。
徳川家康役の中尾も「2作連続上演は『戦国BASARA』としても新しい試みなので、稽古からすごく新鮮な気持ちで臨むことができました。今日はぜひ新たな『戦国BASARA』を楽しんでください」と呼びかけた。長曾我部元親役の白又は「僕らは『紅』ですが、日々稽古の中で『蒼』のことを意識しながら作品を作ってきました。そういった意味でもお互いに切磋琢磨して作れたのではないかと思っています」と稽古を思い返していた。
本公演は“蒼紅”と別れることで一つの作品での登場人物は今までよりも少なくなっているが、その分、一人に対しての見どころが増え、人物描写がより濃いものとなっている。また、映像として『蒼』に登場する伊達政宗(眞嶋秀斗)、石田三成(沖野晃司)らも出演することでストーリー性を高めている。
黒田官兵衛役の伊藤は「出演者は8名と少ない人数ではあるんですけども、とてもバランスのいい座組になったなと思っております。相手のことを尊重して、ちゃんとアイデアも出して、聞く耳を持つことができる座組でした。それも座長の松村くんが作る空気感なのかなと思っております」と松村を称賛した。
【あらすじ】
戦国、群雄割拠の乱世において、第六天魔王・織田信長が腹心である明智光秀の裏切りにより「本能寺の変」で討死。勢いにのる覇王・豊臣秀吉は、更なる力を求め、一気に勢力を全国へと広げた時代。真田幸村が織田残党との戦いを繰り広げる中、瀬戸内・海戦にて長曾我部元親が豊臣方・毛利元就の強襲を受ける。一方、力無き民のためにと豊臣軍を離脱した徳川家康は、後藤又兵衛を助けるため家康を追撃する黒田官兵衛と相まみえる・・・。
戦国武将たちはそれぞれの熱き想いを胸に秘め、キャラクターごとの特徴的な武器を手にハイスピードでド派手な殺陣により舞台を駆け抜けていく。加えて、『戦国BASARA』シリーズならではのCGやプロジェクションマッピングなどの効果的な映像演出が舞台をさらに盛り上げる。
本作で新登場となる戦国最強の敵を求め旅する宮本武蔵。演じる西川は「初登場のキャラクターなので、ワクワクもしているのですが、宮本武蔵らしくがむしゃらに全力でがんばっていきたいので応援よろしくお願いいたします!」とアピール。船の櫂と木刀の二刀流で、戦国最強となる前の若き武蔵の躍動を西川がフレッシュに演じていた。
その武蔵と行動を共にするのは、行方不明の主君・尼子晴久を探す山中鹿之介。山中鹿之介役で“蒼紅”ともに出演する橘は「それぞれにおもしろみと、見どころがいっぱいあります。斬劇『戦国BASARA』をもっともっと盛り上げていけるようにがんばりたいです」と意気込んだ。
信長を討ちながらも豊臣に敗れ天海として生まれ変わる明智光秀を演じる瀬戸は「今回、その後の光秀が描かれています。その光秀が一つの答えを出すので、そこに注目して演じていきたいし、観てもらいたいです」と役どころを解説。真田ら熱き武将たちとは対照的な怨念の情を持った明智光秀/天海の登場が、本作のドラマに深みをもたらす。
また、本公演ではキャストと物語は同じで「笑い」に特化した限定オリジナル演目「笑劇」も期間中各2公演限定(12月13日19:00公演、12月14日(金)19:00公演)で上演される。毛利元就役の小谷は「今回、初めて“笑劇”というものも『戦国BASARA』に加わるということで、また新しい『戦国BASARA』が観られるんじゃないかなと思います」と期待を寄せていた。これまでのシリーズでも、キャストたちのアドリブなどで数々の笑いをもたらしてきたが、ヨリコのアイデアによって新たに“笑劇”として一つの舞台となるということで期待に胸が膨らむ。
「斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世 『紅』未来への誇り」は、12月7日(金)から12月16日(日)まで、「斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世 『蒼』THE PRIDE」は12月21日(金)から12月30日(日)まで、共に東京・オルタナティブシアターにて上演。
なお、『紅』のDVDが2019年5月末に、『蒼』のDVDが6月末に発売されることも決定した。どちらも、各公演の「笑劇」全編が特典映像として収録されるほか、初回特典版には豪華ブックレット付き。さらに、劇場予約特典として各公演の主要キャストのブロマイドセットがプレゼントされる。詳細は、以下のとおり。
◆斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世『紅』未来への誇り DVD
【発売日】2019年5月末日予定
【価格】7,000円(税込)
【販売元】株式会社エースクルー・エンタテインメント
◆斬劇『戦国BASARA』蒼紅乱世『蒼』THE PRIDE DVD
【発売日】2019年6月末日予定
【価格】7,000円(税込)
【販売元】株式会社エースクルー・エンタテインメント
【販売先URL】https://acecrew.shop-pro.jp/
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(取材・文・撮影/櫻井宏充)