宮川サトシ、伊藤亰によるSFギャグ漫画を原作とした舞台『宇宙戦艦ティラミス』が2018年7月25日(水)に東京・シアターサンモールにて幕を開けた。ゲネプロの前に行われた囲み会見には、校條拳太朗、高本学、上田悠介、伊藤孝太郎、藤本かえで、正木航平、磯貝龍虎が登壇。
最初に、本作の主人公である“ひきこもりの天才エースパイロット”スバル・イチノセ役の校條が本作について「宇宙という壮大な空間をバックに描かれていますが、皆さんにも共感していただけるような、生活の中にある小さな笑いがたくさん散りばめられています。改めてそういうところを見つけて笑ってただけたらな、と思います」とコメント。
スバルの兄で、敵対組織“メトゥスの民”の幹部イスズ・イチノセ役の高本は「稽古をみんなで一生懸命にやっていて、SFとギャグを噛み合わせて宇宙空間をどう表現するか、演出の米山和仁さんを中心に、みんなで悩みながらも全速力で駆け抜けてきました。このキャストでコメディを出来るのがすごく楽しいです。観てくださるお客様が幸せな時間だったな、と思えるような時間にしたいですね」と語った。
宇宙戦艦ティラミスの艦長ヴェンチュリー・ルロワを演じる磯貝は「キャストが7人しかいないという、本当に“トチ狂った世界観”でやらせていただく舞台です(笑)」と冗談交じりに前置きしたうえで「主人公のスバル以外は一人で何役も演じます。無理のある早着替えなどもあるので、そういうところも楽しみながら、7人でなんとかがんばっている姿を観ていただければと思います。下ネタも含まれた舞台ですが、熱量を大いに楽しんでいただけたら幸いです」と、舞台そのものを楽しんでほしいと笑顔を見せた。
また、見どころについて校條から「僕は、スバル・イチノセが出撃中にお手洗いに行きたくなって、急いでティラミスに戻ったらお手洗いにすごい列が出来ているというストーリーにすごく共感が出来ました。僕自身も子どもの頃に、トイレに行きたくて一生懸命に帰宅したら家の鍵を学校に忘れて・・・ということがありまして(笑)。そんな感じで、たくさん共感できるところがある作品だと思います(笑)」と、自身の経験を交えたエピソードが語られ、思いもよらぬ告白にその場で爆笑が起きた。
さらに、ヴォルガー・ハマー役の上田は本作の見所について「基本的に役者はすごくアナログなことをやっていますが、目から入る情報はすごくデジタルなことが散りばめらているので、全身で感じていただけたら嬉しいなと思います」とコメント。スバルB役の伊藤も「どのシーンで何の役で登場するのか楽しみにしていてください。コメディはお客様の笑い声をいただいて初めて完成するので、肩の力を抜いて大いに笑っていただけたら嬉しいです」と語った。
続けてリージュ・ルロワ役の藤本が「原作がギャグマンガなので、本当にツッコミどころが満載です。一人一か所だけ見ていたら目が足りないくらい、本当にあちこちでいろんなことが起こっているので、しつこく集中して見ていただけたらと思います」作品をアピール。マーティン・アンサンブル役の正木も「キャストが7人しかいない中で、全員野球のつもりでやっています。ぜひ、舞台『宇宙戦艦ティラミス』を楽しんでいただけたらと思います」と話した。
会見後に行われたゲネプロでは、磯貝による“観劇の注意事項”から既に笑いが起こり、オープニングの全員登場シーンからキャストの熱量はMAX状態に。“スバルがコックピット内で串カツを食べようとして失敗。ころもやキャベツがコックピット内に飛び散る”といった原作でも描かれている印象的なシーンが次々と再現されるのだが、そのどれもが2.5次元の舞台では主流になりつつある最新技術を使った演出とは一味違う“マンパワー”での演出が随所で炸裂。
7人という少人数(+臨時で舞台監督2名も参加)ながら、“シゲルコ・ホンダ”“パッカー(PAC2-AR)”“陰毛”“マイバッハ”といったお馴染みの個性的なキャラクターが入れ代わり立ち代わりステージに登場し、早着替えが間に合わない場面では共演者同士のアドリブで芝居をつなぐなど、キャストの笑いに対する貪欲さやスタッフの原作に対するリスペクトが垣間見える熱いステージに、観客はいつの間にかグイグイと引き込まれて行くこと間違いなしだ。
その一方で、“ユニヴァース感覚(※長期間、宇宙で生活をしていると覚醒すると言われる共感覚)”を使った感動的なオリジナルエピソードもあり、原作ファンはもちろん、『宇宙戦艦ティラミス』の世界に初めて触れる人にも難しいことは抜きにして大いに笑える内容となっていた。
舞台『宇宙戦艦ティラミス』は、7月25日(水)から7月31日(火)まで東京・シアターサンモールにて上演される。その後、岐阜、大阪を巡演。詳細は以下のとおり。
【東京公演】7月25日(水)~7月31日(火) シアターサンモール
【岐阜公演】8月4日(土)・8月5日(日) 岐阜市文化センター
【大阪公演】8月11日(土)・8月12日(日) ABCホール
【公式サイト】http://tiramisu-stage.com/
【公式Twitter】@tiramisu_stage
(C)宮川サトシ 伊藤亰・新潮社/「宇宙戦艦ティラミス」製作委員会
(C)舞台「宇宙戦艦ティラミス」製作委員会
(取材・文・撮影/近藤明子)