さらば舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編レポート!校條拳太朗、高本学ら5年間のファイナルラストがここに結実

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さらば舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編レポート!校條拳太朗、高本学ら5年間のファイナルラストがここに結実

2023年9月2日(土)から9月3日(日)にかけて岐阜・岐阜県瑞穂市サンシャインホールにて上演されていた舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編 ~ファイナルラストはエンドの終わり~。その東京公演が9月7日(木)に東京・IMAホールにて開幕した。初日前日にゲネプロと囲み取材が行われ、校條拳太朗高本学が登壇した。

さらば舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編レポート!校條拳太朗、高本学ら5年間のファイナルラストがここに結実

「宇宙戦艦ティラミス」は、宇宙戦艦ティラミスのエースパイロットでありながら、いつも専用機・デュランダルのコクピットに引きこもっているスバル・イチノセを主人公にしたSFギャグ漫画。新潮社のWebマンガサイト・くらげバンチにて、2015年から2020年まで連載されていた。

第22回文化庁メディア芸術祭でマンガ部門優秀賞を受賞し、「お上が認めたギャグ漫画『宇宙戦艦ティラミス』」を原作とした、舞台『宇宙戦艦ティラミス』(通称「ティラステ」)は、2018年に東京・大阪・岐阜の3都市で上演。続いて2019年には第2弾「舞台『宇宙戦艦ティラミス』~蟹・自分でむけますか~」、2022年には第3弾「舞台『宇宙戦艦ティラミス~銀河列車で遊郭行きてぇなぁ編~』」を上演し、“ティラステ旋風”を各地で巻き起こした。

そんな、業界内話題沸騰の問題作“ティラステ”のシリーズ第4弾にして完結編となる本作でも、原作者自らが脚本を担当し、脚本:米山和仁(劇団ホチキス)/宮川サトシ、脚本監修:なるせゆうせい、演出:米山和仁(劇団ホチキス)という銀河最強メンバーで、舞台完全オリジナルストーリーを描く。

魅力あふれるキャラクターたちを演じる出演キャストとして、次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージなどの人気作に多数出演している、スバル・イチノセ役の校條と、ミュージカル「ヘタリア」シリーズなど、同じく人気作に多数出演している、イスズ・イチノセ役の高本。

さらに、ヴォルガー・ハマー役を上田悠介、リージュ・ルロワ役を出口亜梨沙、スバル・ビヨンド役を伊藤孝太郎、エスカレド・キャデラック役を正木航平、ジネッタ・メトゥス・ウォークレット役を高橋紗妃、タタ・デーウ役を山沖勇輝、サチコ・ホリエ役を磯貝龍乎が演じる。

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地元岐阜での公演を経て、東京公演の初日を迎える校條は「初演ぶりの岐阜で、舞台をやっていて岐阜公演というのは、この作品でしかやったことないんですけど、めちゃくちゃ楽しかったです。舞台後半では『寂しがってはいけないね』というセリフがあるように、寂しいなというのはすごくあります。これで本当にラストなので、悔いのないようにスタッフさんを含めた最高のチームで楽しみながら、楽しみがお客様にも伝わるように、お客様にも楽しい気持ちになって帰ってもらえるよう東京公演に向けて全力で挑みたいと思います」と意気込みを披露。

さらば舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編レポート!校條拳太朗、高本学ら5年間のファイナルラストがここに結実

高本は「稽古の段階からラストということで、みんなも気合いが入っていたと思います。ラストだということをかみしめながら稽古をしていたので、非常に楽しい稽古でしたし、最後はうるってきたりしながら、作品を作ることができて良かったと思います」と稽古を振り返り、「稽古では分からないことがたくさんある作品なので、本番をやってみて出るエネルギーや、アドリブなどをお客さんに伝えて、お客さんが笑うポイントなどを岐阜の方で感じることができたので、そこら辺は岐阜公演を経てパワーアップしたんじゃないかなと思います。東京公演は公演数も結構あるので、丁寧にみんなで一致団結して面白いことを笑いながら泣けるそんな作品を目指し、千秋楽まで駆け抜けていきたいと思います。ラストなので本当に悔いの残さず、スタッフさんを含めて全員で作り上げていきたいです」と意気込んだ。

過去シリーズの思い出を尋ねられた校條は「こういう作品なので、全部が全部、色濃く思い出に残っているんですけど、やっぱり初演で、初めてこの作風に出会った瞬間というのが衝撃でした。普段、舞台では絶対にやらないことばかりやり、タブーをどんどんやっていく舞台だったので、やっぱり初演のインパクとして、「何だこれ!?」という思い出が大きいですね」と答えた。

さらば舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編レポート!校條拳太朗、高本学ら5年間のファイナルラストがここに結実

高本も「第1弾から第4弾までシリーズとして続けていける作品というのはなかなかないと思います。約5年ぐらいのシリーズの中で、僕はイスズ・イチノセとして、めんちゃん(校條)はスバルとして生き続けられているのは、本当にお客様の愛情だと思いますし、それを初演から作り上げることができて良かったと思います」と喜びをかみしめると、「そこをやっていてもお客さんがティラステを理解して、一緒に作り上げてくれていることを毎回毎回第1弾から感じることができているので、お客さんを含めて家族のような関係性で作品を届けられているんだと思います」とティラステファンへ感謝を述べた。

本作の見どころについて、校條は「今回は、登場キャラクターが過去最多なんです。ティラステは早替えも醍醐味だったりするんですけど、舞台裏はすごく忙しいので、お客様にはその裏側も想像しながら楽しんでいただけたらと思います。ラストなので、いろんなセクションで大人たちが全力でふざけていて、いろんなものを詰め込んでいるので、ぜひとも一つもこぼさずに楽しんでいただけたらと思います」とアピール。

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高本は、見どころとして「今回は、お母さんを主題に持ってきているので、そこは今作の見どころです。ふざけているところはたくさんありますが、その中にすごく温かいメッセージがたくさん乗せられているからこそ、最後にうるっとできるんじゃないかと思います」と挙げ、続けて、「一人一人のキャラクターにすごく動機があるなと本を読んだ時から思ったので、そこは大切に母と子の愛情を表現していければと思いました。ティラステって僕とめんちゃん演じるイスズとスバルの兄弟愛がすごく詰まっている作品だと思っていて、それはお父さんとかお母さんという主題が変わったとしても兄が弟に伝える愛とか、知らないこととかをどんどん伝えてスバルが成長していくそんなストーリーになっているんじゃないかと思うので、すごく大きな愛に包まれている作品だと思います。そこはティラステ第1弾から観てもらって第4弾を観て、フィナーレだなと思ってもらえるようなそんな作品になればいいなと思っています」と期待を寄せた。

最後に、ティラステファンへのメッセージとして、高本は「約5年間、ティラステを応援してくださり、本当にありがとうございます。ファイナルということで、終わってしまうのは寂しいですが、この作品が皆さんの心に残る一つの作品になればいいなと思いますし、あんなふざけて、笑って、泣ける舞台があったんだなと思ってもらえるような作品になるように日々稽古をしてきたので、5年間の集大成をめんちゃんと僕とカンパニーのみんなとスタッフさんと全員で届けていきたいと思います。なので、ぜひ、1公演とは言わず、全公演に来てもらえる、そんな努力を僕らはしていきたいと思うので、観に来てくださると嬉しいです」と呼びかけた。

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校條は「こういう作品なので、ティラステをご存じの方は分かっていると思いますが、どんどん変わっていきます。観れば観るだけお得です。絶対に1公演でも多く観に来て楽しんでいただけたらと思います。生きていて嫌なことあったり、生きづらい世の中だと思うので、そういうことを一瞬でも忘れて、ハッピーになれるような時間をお届けできたらと思いますし、皆さんの良い人生の一部になれたらと思います」と言葉を贈った。

物語の舞台は宇宙歴0157年。宇宙移民組織「メトゥスの民」を率いる最高司令官、エスカレド・キャデラックはユニヴァース感覚者(※長期間、宇宙で生活をしていると覚醒すると言われる共感覚をもつ人)だけの世界をつくりあげようと目論む。一方、地球では「メトゥスの民」に対抗すべく宇宙戦艦ティラミスを軸とした連邦軍が組織され、そこには若きエース・パイロットであるスバル・イチノセが所属していた。

かつては「メトゥスの民」の幹部であり、スバルの兄であるイスズ・イチノセは、なんやかんやでスバルのいる地球連邦と休戦協定を結び、2人は共闘して宿敵キャデラックに戦いを挑む。だが、キャデラックの部下である「キャデラック四指団」が2人の前に立ちはだかる。そして2人は、キャデラックと「キャデラック四指団」最強にして謎の人物サチコⅡを倒すべく、スバルとイスズの父、ソウイチロウと老師タタの力を借りて、修行を始めるのだった…

地球連邦とメトゥスの民の抗争という壮大でシリアスなスペースオペラを根幹とした物語とは裏腹に、実はひきこもりなパイロットと彼を取り巻く人々の奇抜な行動やギャグ、下ネタをオマージュやパロディー満載で描く爆笑コメディ宇宙ドラマとなっている本作。

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原作者の宮川が自ら脚本を手がけ、舞台オリジナルの内容となるストーリーだけでなく、シリーズで続いてきたバトル表現は本作でも見どころの一つ。第1弾では某自転車レース舞台の自転車漕ぎ、第2弾は某ヒプノシスなマイクでラップバトル、第3弾は某鬼と戦う刀と呼吸でバトルと様々なオマージュで爆笑を巻き起こしてきたが、今回のオマージュは、今年、映画も大ヒットした某バスケットボール漫画の1on1バトルだ。

バトル表現のオマージュを筆頭に、「タブーをどんどんやっていく舞台」とコメントした校條の言葉どおり、完結編となる本作でもその内容は幕が開くと同時にフルスロットル。奇しくも原作漫画同様に5年間をかけて描かれた本作は、ファイナルラストに向けて5年間の集大成が結実し、岐阜公演を経て、さらに磨きのかかったティラステを観る者に届けてくれる。

そして、初演からスバルとイスズを演じ続けてきた校條と高本。全力でバカをやる姿とシリアスなシーンのギャップに息の合った2人のやり取り、そこに描かれる兄弟愛、彼らと父と母を含めた家族愛をテーマとして、笑いと感動を紡いでいく。

さらに、校條が見どころとして挙げた、過去最多となる登場人物たち。今までのシリーズ同様に、9人のキャストが“陰毛”や“マイバッハ”といったお馴染みのキャラクターたちも早替えで表現。キャストたちの文字どおり汗がほとばしる、熱のこもった演技にも注目だ。

校條と高本の2人を含め、ティラステのなんたるかを知り尽くしたキャストたちとスタッフたちが築き上げてきたシリーズの完結編にして最高峰となる本作。ステージ上のキャストと裏で支えるスタッフたちのパワー全開でふざけていく様に笑いが止まらない。

さらば舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編レポート!校條拳太朗、高本学ら5年間のファイナルラストがここに結実

初演から数えてシリーズ4作品、67公演の果てに待つ笑いと感動のファイナルラストをぜひ劇場で迎えてほしい。

舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編 ~ファイナルラストはエンドの終わり~は、9月7日(木)から9月17日(日)まで東京・IMAホールにて上演。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

目次

舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編 ~ファイナルラストはエンドの終わり~ 公演情報

上演スケジュール

【岐阜公演】2023年9月2日(土)~9月3日(日) 岐阜県瑞穂市サンシャインホール
【東京公演】2023年9月7日(木)~9月17日(日) IMAホール

スタッフ・キャスト

【原作】宮川サトシ 伊藤亰(新潮社「くらげバンチ」)
【脚本】米山和仁(劇団ホチキス)/宮川サトシ
【脚本監修】なるせゆうせい
【演出】米山和仁(劇団ホチキス)

【出演】
スバル・イチノセ:校條拳太朗
イスズ・イチノセ:高本学
ヴォルガー・ハマー:上田悠介
リージュ・ルロワ:出口亜梨沙
スバル・ビヨンド:伊藤孝太郎
エスカレド・キャデラック:正木航平
ジネッタ・メトゥス・ウォークレット:高橋紗妃
タタ・デーウ:山沖勇輝
サチコ・ホリエ:磯貝龍乎

公式サイト

【公式サイト】https://tiramisu-stage.com/
【公式Twitter】@tiramisu_stage

(C)宮川サトシ 伊藤亰・新潮社/「宇宙戦艦ティラミス」製作委員会 (C)舞台『宇宙戦艦ティラミス』完結編製作委員会







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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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