ミュージカル『シークレット・ガーデン』が、2018年6月11日（月）に東京・シアタークリエにて開幕した。本作は、1911年発表の世界的名作“秘密の花園”を原作に、1991年にブロードウェイで初演を迎え、同年のトニー賞では助演女優賞、脚本賞、装置賞の3部門を受賞した。日本では、これが初上演となる。初日前日に行われた公開ゲネプロの模様を、舞台写真とレポートでお届けする。
日本初演版のキャストは、石丸幹二、花總まり、石井一孝、昆夏美、松田凌、池田葵／上垣ひなた（Wキャスト）、大東リッキー／鈴木葵椎（Wキャスト）、石鍋多加史、笠松はる、上野哲也、ほか。
（以下、あらすじに触れています）
物語の舞台は、1900年代初頭。イギリス領インドで育った10歳の少女メアリー（池田／上垣、ゲネプロには池田が出演）は、両親を流行病のコレラで亡くし、イギリス・ヨークシャーに住む伯父のアーチボルト（石丸）に引き取られる。しかし、アーチボルトは最愛の妻・リリー（花總）を亡くして以来、すっかり気難しくなってしまっており、屋敷には沈んだ空気が漂っていた。
庭を散策していたメアリーは、屋敷にある「秘密の花園」の存在を知る。リリーが大切にしていた庭園で、彼女の死後にアーチボルトが鍵を掛け閉ざしてしまったという。メアリーは、ふとしたことからその鍵を見つけるが、肝心の扉が見つからない。
ワガママでずっと不機嫌そうにしていたメアリーだったが、メイドのマーサ（昆）やその弟ディコン（松田）、庭師のベン（石鍋）をはじめとした使用人たちと少しずつ打ち解けていき、明るさを取り戻していく。一方でアーチボルドは、どこかリリーに似ているメアリーを気に掛けながらも、自身の殻から抜け出せずにいた。
しばらくして、メアリーは屋敷の中で一人の少年に出会う。それは、アーチボルドとリリーの息子コリン（大東／鈴木、ゲネプロは大東が出演）だった。叔父で医師のネヴィル（石井）の言いつけにより、屋敷の部屋から出ずに暮らしてきたコリンは、足が不自由なひねくれた少年に育っていた。突然現れたメアリーにも、はじめは猛反発していたコリンだったが、遠慮なくぶつかってくる彼女に次第に心を開いていくのだった。
そんな日々の暮らしの中、メアリーは「秘密の花園」の扉を発見する。それはリリーの不思議な導きだったのだろうか。扉を開いたメアリーは―。
開幕にあたり、石丸と花總からコメントが届いている。
◆石丸幹二（アーチボルド役）
舞台稽古に入り、演出の“アリマ・マジック”に掛かりながら『シークレット・ガーデン』の世界観がより深まっていくのを感じています。原作小説は子どもの目線で描かれていますが、このミュージカル版は大人の物語でもあり、人生の喜び、哀しみを味わえる作品になっています。 アーチボルドという一人の男が、伴侶の喪失から再生していく･･･。誰しもが経験する肉親との別れ。人生最大の危機を乗り越えるための鍵穴が、ここにあります。アーチボルドに心を添わせて観てください。皆さんの心の中に堅く閉ざされた扉があるなら、きっと鍵を見つけていただけると思います。
◆花總まり（リリー役）
原作の「秘密の花園」を子どもの頃に読んだことのある女性は多いと思います。ミュージカル版も観れば観るほど心に響いてくる作品になりそうだなと、お稽古をしながら日々感じています。一度だけではこの作品の全貌を知ることが難しいかもしれません（笑）。ぜひ何度でもご覧ください。そして、皆様それぞれの人生と重ね合わせて、何かを感じていただけるととても嬉しく思います。劇場でお待ちしております。
上演時間は約2時間40分（休憩20分含）。
ミュージカル『シークレット・ガーデン』は、7月11日（水）まで東京・シアタークリエにて上演。その後、神奈川・福岡・兵庫に巡演する。日程の詳細は、以下のとおり。
【東京公演】6月11日（月）～7月11日（水） シアタークリエ
【神奈川公演】7月14日（土）～7月16日（月） 厚木市文化会館
【福岡公演】7月20日（金）・7月21日（土） 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【兵庫公演】7月24日（火）・7月25日（水） 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
（取材・文・撮影／エンタステージ編集部）
