「演劇で関西から日本を元気に」をモットーとする劇団Patchの東京初進出作品、Patch stage vol.11『JOURNEY-浪花忍法帖-』が、2017年9月29日(金)に大阪にて開幕した。今作は、同一ストーリーを「霧ver.」と「虹ver.」の2バージョン上演する、Patch初の役替わりキャストで臨む意欲作。初日前に行われた「霧ver.」のゲネプロより、舞台写真が届いた。
物語の舞台は、陰謀渦巻き、大小様々な国が入り乱れる戦乱の世。屈強な忍びが揃う忍者大国「浪花」の最強忍者である恵比三(「霧ver.」松井勇歩)は、城主からある一人の僧侶・布丁(「霧ver.」三好大貴)を敵国「安須真」へ送り届ける密命を下された。その道中で巻き起こる、笑いあり、涙ありの“クレイジー忍ジャーニーストーリー”が描かれる。
任務を授かり、疾風の如く駆け抜けていく主人公・恵比三。敵対する二つの国の関係性をテンポよく説明しながら、キャスト紹介を行うオープニングは、本編を想像しながら楽しむのに十分な満足感を与えてくれるのではないだろうか。
そこから小気味よい疾走感で進む本編もまた、エンターテインメントに溢れていた。恵比三と共に旅をする忍者・弁才(「霧ver.」納谷健)が、敵の忍者である大角(吉本考志)と戦うシーンでは、派手で豪快なアクションの中にアドリブの効いた笑い要素も見せ、恵比三と敵国の総大将・毘沙丸(「霧ver.」星璃)は互いに譲らぬ一進一退の攻防、その結末に胸が締め付けられた。
恵比三と弁才。「虹ver.」では、松井と納谷が「霧ver.」とは逆の配役となり、布丁と毘沙丸も、三好と星璃が逆の立場を演じる。それぞれの関係性が、役が替わることでどのような見え方の変化をもたらすのか・・・どちらのバージョンを見たくなること必至だ。
そして、何と言っても目を見張るのは、劇団員8人のみで繰り広げる迫力の殺陣。メインの役はもちろん、アンサンブルを含め、すべての役を8人が演じ分けており、一体何人いるんだ、何役やるんだ、どこまでやるんだ、という思いにかられるほど、がむしゃらさと熱量に圧倒される。
大阪公演を終えると、いよいよ初の東京公演が待っている。劇団Patchの必死のパッチ!新たな挑戦を、お見逃しなく。
Patch stage vol.11『JOURNEY -浪花忍法帖-』は、10月8日(日)まで大阪・in→dependent theatre 2ndにて、10月21日(土)・10月22日(日)に東京・新宿シアターモリエールにて上演。
【公式HP】
http://www.west-patch.com/event/journin/
(文・写真/オフィシャル提供、編集/エンタステージ編集部)