みんな憧れる「シンデレラ」は本当に幸せか。ガールたちの個性豊かな生き様を描く『脳漿炸裂ガール2～俗物奇行～Anarchy in the Journey』ゲネプロレポート

2021年6月4日2024年7月26日

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【エンタステージ】みんな憧れる「シンデレラ」は本当に幸せか。ガールたちの個性豊かな生き様を描く『脳漿炸裂ガール2～俗物奇行～Anarchy in the Journey』ゲネプロレポート　天音みほ,八坂沙織,玉川来夢,三田麻央,西谷麻糸呂,水崎綾,IZAM

そういうことなのだろう、と思う。
パンフレットの冒頭、脚本の川尻恵太氏〈SUGARBOY〉はこう綴っている。

「この世界ではそれぞれに●●ガールというIDがついていて、そのIDは個人の持っている思想や性格が反映されています。〜中略〜そんな彼女たちが目指すのが、シンデレラという称号です。シンデレラになれば、様々な特権が与えられ、人々から羨望の眼差しで見られ、将来的な成功が約束されます。〜中略〜さて、ここで皆様に質問です。シンデレラは本当に幸せなのでしょうか?」

その問いへのひとつの答え。それが、序盤でまさにアナーキージャーニーな顔を見せ、後半にかけて笑顔に移り行く天音みほの表情。八坂沙織の渾身の涙、そしてそれぞれ思うままに生きるガールたちの姿に込められている気がした。

『脳漿炸裂ガール2～俗物奇行～Anarchy in the Journey』ゲネプロレポート

舞台『脳漿炸裂ガール2～俗物奇行～Anarchy in the Journey』が2021年6月2日（水）に東京・六行会ホールで開幕した。脳漿炸裂ガール2は、2019年に初演を行い、大盛況だった舞台『脳漿炸裂ガール-人間動物園-』の続編。れるりりのボカロ向け楽曲をストーリー化したもので、複数のガールたちが次期「シンデレラ」争いを、それぞれの目的を持って戦う学園ドラマだ。SHINAGAWAKUというWEB空間を舞台にしていた前回に対し、今回はNAMBATOKKUというWEB空間が舞台となる。

物語は品川プリンセス学園の面々、中でも成績上位者である「生徒会」メンバーの5人、愛田誉(脳漿炸裂ガール/天音みほ)、赤月暮羽（乱躁滅裂ガール/八坂沙織）、善光寺美月（猪突猛進ガール/三田麻央）、蓮杖沙季（文明開花ガール/玉川来夢）、穂高クレア忍（電脳狂愛ガール/西谷麻糸呂）が、シンデレラ候補生研修旅行に出発。のどかにトランプをしながら、大阪に向かうところから始まる。

行先は、近年関西地方に新しく誕生したNAMBATOKKU(難波特区)。道中で生徒会メンバーは、同行する品川プリンセス学園の有力ガールたちと次々に遭遇。

そして、関西ナンバー1の称号「白雪姫」の最有力候補、黒瀧アルカ(人形愛憎ガール)と出会い、全員での生き残りをかけた競争に発展してゆく。

次期シンデレラの選考に大きく影響するこのサバイバルゲームの中で、交錯するそれぞれのガールたちの狙い・想い。白雪姫候補生たちの奮闘、上層部の思惑。そして、乱躁滅裂ガールが背負った過ちとは。

ハイテンポで畳みかけるダンスに、ガールズ演劇の中では珍しいほどの激しい殺陣。カオスの中で進み続けるストーリーは、終盤に向かって激しさを増し、それぞれのガールたちの生きる姿を映し出していく。個性・色彩豊かな衣装、圧倒的な勢いにのまれながらも、終わった後には何か生きる希望を感じさせてくれるような、そんなガールたち（＋30代男性1名）の姿に注目して欲しい。

キャストコメント紹介

◆脳漿炸裂ガール：天音みほ
前回の世界観を引き継ぎつつ、今回はアナーキーなジャーニーに皆さんをお連れできるように、パワーアップした姿をお届けしたいと思っています。この作品は楽曲が原作になっているので、是非れるりりさんのキャラにあわせた楽曲も、併せて聞いていただきたいです。ダンスをみんなでたくさん合わせて練習したので、そこにも注目して見ていただきたいと思います。お楽しみに！

◆乱躁滅裂ガール：八坂沙織
この作品は「何かをやらなければいけない」「こうしなければいけない」と思っている人たちへのレクイエムだと思っています。演出や見た目はすごく派手ですが、伝えたいことはとてもシンプルで、みんなが望んでいるものは、本当にみんなにとって幸せなのかを説いている、ちょっとロックなお話です。それを解くカギにお客様も影響されて、何かを感じていただけると嬉しいなと思っています。

◆文明開花ガール：玉川来夢
私だけ、みんなが目指しているものと趣旨が違うので、そこが見所です。周りと少し違う目的に向けて、一心不乱に頑張っているので、私だけシードみたいな感じです（笑）。みんな可愛くて、パワフルで、アクションも多くて、女の子だけでここまでアクションできる作品はあまりないので、そこも見ていただけたらと思います。歌もダンスもあるし、かわいい女の子がいっぱいで、最高でーす。

◆猪突猛進ガール：三田麻央
私はただただ猪突猛進に、SHINAGAWAKUとNAMBATOKKUの中を、ただただ走り抜けて突っ走っていきたいと思います。もう、足が棒になるぐらい、走り抜けていきたいと思います。前作に続いて今回も、みんないい子しか揃っていなくて仲良しで、衣装もかわいくカラフルで華やか。その派手な衣装と小道具に負けないぐらい、演じている本人も個性が強いから、すごく見栄えが良いので楽しみです。

◆電脳狂愛ガール：西谷麻糸呂
キャラクターや世界観がすごくポップでかわいい作品です。テーマとしては、SNSやネットの普及した現代に生きる私たちが、自己顕示欲や誰かと争ってトップに立つことに対し、常に自分の中で感じていたことがありました。そのひとつの答えを、この役が示してくれた。「これで正しいんだっけ」が詰め込まれた作品なので、現在を生きる何かのヒントになったり、指針にしていただけたらいいなと思います。

◆脳内革命ガール：大野未来
前作に比べて、今回キャラクターも少し減りましたが、内容がパワーアップしていて、やっていることも盛りだくさんです。舞台の中心で行われていることがもちろん大事な部分ですが、周りに目をやると、色々なキャラクターが各自で動いています。そこも余裕があったり、2回目以降は見ていただけたらと思います。

◆抑圧錯乱ガール：本条万里子
本当に個性のぶつかり合いで、独特な役柄が多いんですけど、私は前回と少し違った役の雰囲気を演じさせていただいています。ツンケンしている感じもありつつ、意外と後輩想いなところとか、周りとのやり取りも注目してもらえたらと思います。衣装が豪華で、ダンスが本当に華やかなので、それも見て楽しんでもらえたら嬉しいです。

◆顔本耽溺ガール：天音
個人的に顔本耽溺ガールは、SNS中毒、スマホ依存みたいなキャラクター。見た目やダンスもポップでかわいいので、それを見ていただけると嬉しいです。現代の闇というか、そういうテーマを説いているキャラクターでもあるので、そこを注目してもらえたらより楽しんでいただけるかなと思います。

◆油断大敵男装ガール：桜町たろ
他の役は色々な想いを持って戦うんですけど、私だけ唯一、何もないような。でも、果たして？といった、そんな立ち位置の役です。前回は唯一のオリジナルキャラでしたが、今回から2人も増えたので、ライバルと絡みはあるのかも楽しみなポイント。学園チームという子たちがバリバリに踊るので、その辺も見ていただきたいです。

◆偏食求道ガール：池田彩
とにかく一人ひとりのキャラクターが濃いので、色々なシーンを全部目を凝らして見ていただきたい、というのが私の思いです。偏食求道ガールは、ある食べ物しか食べない役で、久々にそれを食べたら、めちゃくちゃ美味しかったです（笑）。ダンスもアクションも、それぞれがんばってやりますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

◆性別無縁ガール：日比博朋
私の役は、説明不要でございますね。情報量多いので。作品を通してみると、あえて男性視点で言えば、女性中心の舞台なのでやっぱりかわいいとかキレイとか愛らしいのはもちろん、女性の強みと言うか。それぞれの心の強さがうかがえるたりもする作品なので、ぜひともご来場下さいませ。

◆人形愛憎ガール：水崎綾
今回は主人公たちと対立している関西のチームということで、関西は関西なりの正義を通して、主人公チームに良い影響を与えられるような存在でいられるように意識してがんばっています。単純に、関西弁での演技が初めての挑戦なので、その辺は間違っていたらすいません…。がんばりますので、応援してください。