2017年9月2日(土)より、いよいよミュージカル「しゃばけ」弐 ~空のビードロ・畳紙~が上演される。それに先立ち、8月24日(木)には東京・神楽坂のla kagu(ラカグ)にてトークショーと、しゃばけシリーズ最新刊『とるとだす 限定版』(新潮社刊)&限定和装ブロマイドお渡し会が行われ、出演する平野良、藤原祐規が登壇した。
“衣食住+知”を提案するセレクトショップの一部で行われるイベントということで、会場はいつもとまた少し違う雰囲気。2人も「とても素敵な空間ですね」(藤原)、「僕は本が好きなので、こういうところはとっても好きです」(平野)と、集まった多くの観客を前に楽しげな表情を浮かべていた。
この日、2人が着ていたのは『とるとだす 限定版』特製ブックレットの撮影時のものと同じだそうだが、着付け師さんに「痩せたり太ったり大変ね(笑)」と言われたと平野。ここ1週間でちょっと丸くなったと告白し、笑いを誘う。
そんな和やかな空気の中、トークはまず、稽古場の話題へ。直前まで別作品に出演していた二人は、1週間程度で衣裳付通し稽古に突入したという。第2弾には、タイトルにもあるように平野演じる松之助がメインの「空のビードロ」と藤原が演じる屏風のぞきがメインの「畳紙」、2つのエピソードが盛り込まれている。
「空のビードロ」チームと「畳紙」チームではかなり色が違うそうで、平野は「朝倉伸二さん(徳次郎役)や山崎千惠子さん(お染役)といったベテランの方もいらっしゃいますけど、東屋(松之助の奉公先)の皆は本当の家族みたいで、キャッキャしています」と、とても仲が良いと語る。
一方で、藤原は「こっちには(滝川)英治さんがいらっしゃるので・・・(笑)」と笑いつつ、「今回、一太郎役の植ちゃん(植田圭輔)と仁吉役の誠治郎さん(中村誠治郎)がいないので、今回の作品では英治さん演じる佐助が長崎屋を仕切る感じになってるんですよ。それにビードロのお話には妖があまり出てこないから『俺らで“しゃばけ感”を出せたらいいね』と、見せ方について打ち合わせをしたり・・・」。さらに、事務所の後輩である平太役の齋藤健心に助言するなど、前作とは一味違う滝川の様子を明かした。
また、平野は守狐役の福井将太からコメントをもらい、録音してこのイベントで流すつもりだったが、楽屋にうっかり忘れてしまったという。そのお題は“俺のどこが好き?”というもの。「なんか、僕が変なモードに入っちゃって(笑)」という平野に、福井は力説しながら答えたようで・・・その内容が気になるところだ。
この他にも、個性豊かなキャスト陣が初参加している。藤原は、与吉役の石井については「僕、初共演なんですけど彼のことが大好きです。おもしろいし、めちゃめちゃ熱い。話していると、あの演技プランはそこからくるのか!そういうの俺もやってみたい!と思うことがたくさんあります。与吉、いいですよ~。皆好きになると思います」とコメントした。
さらに、おみつ役の田宮華苗については「懇親会をやった時に、良くんがちょっとしたアドバイスをしたらしいんですよ。それに対して、『なんで私は自分で気づけなかったんだ~!』って、本気で悔しがってて(笑)」というエピソードを披露。ちなみに田宮は、平野の呼び方が“良くん”から、稽古を進めていくうちに“松之助先生”に変わったという。
そして、物語性と共に気になるのは、ミュージカル作品ならではの“歌”。前作にも「しゃばけ」の世界観にぴったりな曲がたくさん登場したが、本作ではその歌が2倍になっているという。平野は「やっぱり、歌で表現できることはたくさんあるんだなと痛感しますね。でも、一人で歌うところが多くて。いろんなストーリーを付けて歌わないと、と思ってるんですけど・・・」と少々のプレッシャーの吐露と共に、畳紙チームを「本当に素敵。観ていて、口角上がりますよ!」と大絶賛した。
二人が“ミュージカル職人”と称するのは、お雛役の岡村さやか。「ちょっと歌い始めただけで、『あ、ミュージカルだ』って思わされるんです」(藤原)、「一音聞いただけでゾクゾクしますよ」(平野)と言うその歌声に注目だ。
トークのあとは、「回転しりとり」などゲームコーナーも行われ、その神がかった(?)ゲーム展開に会場からは終始笑いが起き、盛り上がりを見せた。
イベントの最後に、藤原は「第1弾をご覧になった方にも、よりパワーアップしたミュージカル『しゃばけ』をお見せできる思いますので、ぜひ劇場でご覧になっていただきたいと思います」と挨拶し、平野は「『しゃばけ』×ミュージカルという組み合わせは、すごく広がりのあるものだなと、今回初参加ながら実感しています。それを皆さんにも感じてもらえるようにがんばります。きっと観終わった後は、晴れわたるような気分になってもらえるんじゃないかなと、現段階でもすごく感じますので、ぜひぜひお楽しみに!」とメッセージを送った。
お渡し会で、多くのファンと直接言葉を交わした二人。イベント後、藤原は「第1弾の時も感じたんですが、原作の方からのお声がすごく大きくて。僕も、実際に作品を読んでみて、心の温まるト書きから頭の中に呼び起こされる情景がとてもきれいな作品だなと思いました。それを損なわないようにしながらも、舞台ならではの見せ方がきっとあるので、原作ファンにも、舞台ファンにも、キャストファンにも、老若男女楽しんでもらえる舞台作りを追求したいと思います」、平野は「今回のミュージカルを大成功させて、もし第3弾があるならば、そのメンバーにしっかりとバトンを渡せるようにがんばりたいと思います!」と改めて、意気込みを語ってくれた。
イベントで語られた仲の良いミュージカル「しゃばけ」カンパニーが、歌と共にどんな“しゃばけ”ワールドに誘ってくれるのか、楽しみだ。
ミュージカル「しゃばけ」弐 ~空のビードロ・畳紙~は、9月2日(土)から9月10日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演される。
◆公演情報
ミュージカル「しゃばけ」弐 ~空のビードロ・畳紙~
9月2日(土)~9月10日(日) 東京・紀伊國屋ホール
【原作】畠中恵「しゃばけ」シリーズ(新潮社刊)より『ぬしさまへ』所収「空のビードロ」/『おまけのこ』所収「畳紙」
【演出・音楽】浅井さやか(One on One)
【脚本】神楽澤小虎(MAG.net)
【出演】
平野良、藤原祐規、石井智也、岡村さやか、福井将太、田宮華苗、齋藤健心、山崎千惠子、朝倉伸二、滝川英治、植田圭輔(声の出演) ほか
【公式HP】http://www.clie.asia/shabamu/
※山崎千恵子の「崎」は「大」の部分が「立」が正式表記
挿絵:柴田ゆう (C)2001 畠中恵/新潮社 (C)2017 CLIE
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)