アジア初の客席が360度回転する新劇場「IHIステージアラウンド東京」にて、2017年6月27日(火)に劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season鳥が開幕する。こけら落とし公演となった「Season花」に続き、新たな物語として「Season鳥」がいよいよお目見え。初日前には、報道向けのフォトコールが行われ、約30分の抜粋されたシーンが披露された。
この「Season鳥」には、劇団☆新感線にすでに出演経験を複数回持つ“ツワモノ”が揃っている。主人公・捨之介役には、新感線4度目の出演となる阿部サダヲ。阿部が演じる捨之介は、これまでの“着流しで遊び人風”という捨之介像をビジュアルからガラリと一新し、“忍び”“草の者”であったという過去を強く打ち出すことで、キャラクターの印象を大幅に変えてきた。
天魔王役を演じるのは森山未來。そして、蘭兵衛役を演じるのは早乙女太一。共に4度目の新感線参加となる二人は、2011年版の通称『ワカドクロ』でも同役を演じている。6年の歳月を経て、二人がどんな激突を見せてくれるのか、楽しみだ。さらに、極楽太夫役の松雪泰子は、こちらも4度目の新感線出演。“いのうえ歌舞伎”から“ネタもの”“音もの”までなんでも体当たりで見せてくれた松雪は、本作でも色っぽさと気風の良さを兼ね備えた太夫の姿を見せてくれることだろう。
また、哲学を持った筋金入りの裏切りキャラ・渡京役に粟根まこと、関八州荒武者隊のリーダー・兵庫役に福田転球、百姓風の男・少吉役に少路勇介、謎めいた浪人・狸穴二郎衛門役に梶原善、刀鍛冶の贋鉄斎役に池田成志といった猛者たちに加え、メインキャストの中で唯一の新感線初参加となる清水葉月が、沙霧として座組みにフレッシュな風を吹かせる。
開幕にあたり、阿部、森山、早乙女、松雪よりコメントが届いている。
――初日を迎える心境と意気込みは?
阿部:不安もすっごくありますけど、楽しみの方が多いです。とにかく殺陣がんばります。
森山:まずはとにかく怪我のないように、75公演走り抜けられたら。個人的には4度目の劇団☆新幹線、そして2度目の天魔王。力強く魅力的なスタッフ、キャストと共に、『夏の髑髏城チャンピオン祭り』を盛り上げていきます。
早乙女:とにかく怪我がないように最後までがんばります!
松雪:良い意味での緊張感を持って臨みたいと思っています。
――見どころを教えてください。
阿部:自分が出ていないシーンを観ていて、歌と踊りがこの劇場にとても合っている気がします!髑髏城の七人という一つの作品が、ここまで変わるの!!
森山:“鳥”は第2シーズン目にあたります。
(演出の)いのうえさんにとってもまだ可能性を秘めた劇場なので、前シーズン“花”と比べてもこの劇場をより効果的に使った演出になっています。そして、それは“風”“月”と継承されていくでしょう。
特に今回は、歌と踊りがふんだんに散りばめられているので、例えば蘭兵衛との口説きのシーンは、6年前の『(通称)ワカドクロ』に比べてより幻想的なものになっていますね。
天魔王に関しては、全体に歌と踊りが入ったことにより、公演時間の都合上(台詞)が間引かれているところがありますが、逆に省かれてシンプルになったとも言えるでしょう。その上で、天魔王の残虐性や不条理感が薄まっているようにも見えますが、天魔王が持つ天魔王なりの正義がより浮き彫りになったように感じています。
捨之介、天魔王、蘭兵衛のこの3人の宿命から発生する「各々の正義」というものが天魔王にも見えたら・・・。
単なる★「悪役」とならないように演じられたらおもしろいなと。
早乙女:今回、特にショーアップされたチームになり、エンターテインメント性がものすごく強く、歌・踊り・殺陣、かなり華やかな演出になっていて、見どころは盛りだくさんです。
松雪:今回は「Season花」にはなかった要素である、歌やダンスがありますので、よりエンターテインメント色の強い演出になっています。何より、捨之介の描かれ方が今までにはない表現になっていまして、蘭兵衛、天魔王との3人の関係性もより際立っているように感じます。
――公演を楽しみにされている方へメッセージをお願いいたします。
阿部:今までにない『髑髏城の七人』が観られると思います。お楽しみに!!
森山:触れ込みにもあるように、歌あり、踊りあり。楽しい舞台になることは間違いないです。劇場の周りには何もありませんが(笑)、『髑髏城の七人』Season鳥をぜひ楽しんでほしいです。
早乙女:この夏、一番のお祭りが、豊洲のこの劇場で行われております。ぜひ、観に来てください。
松雪:華やかで、楽しんでいただける「Season鳥」。ぜひ、劇場で体感してください。お待ちしております。
それぞれのコメントにあるように、この「Season鳥」の大きなポイントは、歌あり!踊りあり!殺陣あり!のエンターテインメント感だろう。製作発表時、脚本の中島かずきは「自分としては脚本の直しがかなりおもしろくできたと思う」と語り、演出のいのうえひでのりは「Season花はシンプルにという気持ちがあったが、Season鳥はショーアップした感じに見せられたら」と構想を語っていたその言葉どおり、赤を基調とした舞台セットの中に、“花髑髏”とはまったく違う“鳥髑髏”の世界が広がる。
前売チケットはすでに完売しているが、毎日、当日券も用意されている。販売方法は、公演前日のWEB販売と、公演当日の窓口販売の二通り。詳細は、公式HPにてご確認を。
※WEB販売は、前日14:00より先着販売
※当日の窓口販売は、チケットがない場合キャンセル待ちのみの受付
さらに、7月31日(月)13:00公演と18:30公演では、全国の映画館72館でライブ・ビューイング(生中継)が開催されることも決定した。チケットの先行発売、一般発売の日程は以下のとおり。
【先行販売】6月30日(金)12:00~7月9日(日)23:59
【一般販売】7月21日(金)15:00~7月29日(土)23:59
ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 鳥 Produced by TBSは、6月27日(火)から9月1日(金)まで、東京・IHIステージアラウンド東京で上演。また、今後上演される各シーズンの日程は以下のとおり。
◆ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 風 Produced by TBS
9月15日(金)~11月3日(金・祝)
◆ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 月 Produced by TBS
11月下旬~
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)