1996年にニューヨークの小さな劇場で誕生し、わずか2ヶ月後にはブロードウェイに進出。そしてトニー賞4部門、ピューリッツァー賞など数々の賞を獲得したミュージカル『RENT』。日本では2008年から4回の上演を重ねる本作の待望の再演が決定し、4月5日(水)に村井良大、堂珍嘉邦、ユナク(超新星)、青野紗穂、ジェニファー、平間壮一ら出演者18人が登壇した製作発表が行われた。
本作は、1830年頃のパリの下町を題材にしたプッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』をベースに20世紀末のニューヨーク、イースト・ヴィレッジに舞台を置き換え、当時の若者の生き方をドラマティックに描いた作品。日本では、2015年の公演以来、約2年ぶりの上演となり、村井、堂珍、ユナクら続投キャストに加え、青野、光永泰一朗、紗羅マリー、NALAW(CODE-V)という新キャストを迎えて、さらにパワーアップした舞台を目指す。
映像作家志望のマークを演じる村井は「(マーク役は)まさかの2回目で、本当に嬉しい気持ちです。素敵なキャストの方たち、素敵なスタッフさんと濃厚な時間を過ごせると思うとワクワクが止まりません」と挨拶。さらに「この作品は楽しむことが大事だと感じています。稽古も本当に大変なんですが、辛いと思ったことは一度もありません。この作品が持つパワーが背中を押してくれているんです。とにかくこのメンバーで一緒の時間を楽しみたい」と意気込んだ。
マークと同居するミュージシャン・ロジャーを演じる堂珍は「このカンパニーを一つにするために、裏ではずっとふざけていようかと思っています」とコメント。自身もミュージシャンであることから、役柄との共通点を聞かれると「音楽をやっていて助かる部分は多々あると思いますが、それよりも作品の意味を考えて演じたい」と語った。
一方、堂珍とWキャストでロジャーを演じるユナクは、「2年前にやった時はすごく緊張して、何がなんだかわからなかったんですが、2年前と違って、もっといいロジャーを見せることをこの場でお約束します!」と宣言。「(自身も)歌手として、ロジャーを演じるというのは、共感できるところもあります。僕は、超新星としてもソロでも曲を作っていますが、まだ皆さんに知られている曲はないんです。だから、その(自分自身が感じている)思いでこの役を演じられたら」と自身の経験を演技に生かす。
また、2015年に続きエンジェル役を務める平間は、「前回出させていただいたときは、ほぼ初ミュージカルで、足がずっと震えていました。今日、改めてこのキャストたちと再会し、ここは他の現場とは違うんだなって思いました。自分の強さをどこのカンパニーよりも一人ひとりが強く持っていて、だから愛されている作品なんだと思い、ここにいられて良かったと思っています」と本作への思いを語った。
なお、この日の会見では、劇中で歌われる「Seasons of Love」「Another Day」「I’ll Cover You Reprise」の3曲が記者会見スペシャルバージョンで披露され、会場から大きな拍手が送られた。
再演の開幕が待ち遠しいミュージカル『RENT』は、以下の日程で上演される。
7月2日(日)~8月6日(日) 東京・日比谷シアタークリエ
8月10日(木) 愛知・愛知県芸術劇場
8月17日(木)~8月22日(火) 大阪・森ノ宮ピロティホール
8月26日(土)・8月27日(日) 福岡・福岡市民会館
(取材・文・撮影/嶋田真己)