2017年5月から6月にかけて東京・東京グローブ座にて『蜘蛛女のキス』の上演が決定した。本作は、アルゼンチンの作家マヌエル・プイグが1976年に発表してベストセラーになった小説をもとに、プイグ自身の手で戯曲化、1981年に世界初演された作品。物語は、ブエノスアイレスにある刑務所の小さな監房を舞台に、関わり合うはずのなかった二人の男の会話で紡がれる。
ストレートプレイにとどまらず、ミュージカル、映画などに形を変えて何度も上演されてきたこの名作に、今回主演として挑むのは、関ジャニ∞のメンバーとして活動する大倉忠義。大倉は、これが初の単独舞台主演、ストレートプレイ初出演、初二人芝居への挑戦となる。そして、二人芝居の相手となるのは、コメディからシリアスまでこなす多彩な表現力を持つ渡辺いっけい。演出は、鈴木裕美が手掛ける。
上演にあたり、大倉、渡辺、演出の鈴木からコメントが届いた。
◆大倉忠義
いつかストレートプレイにはチャレンジさせてもらいたいと思っていました。自分が生まれた頃に創られたこの世界的に有名な作品に出演させていただくのは、嬉しさと同時に不安も感じています。
すごく難しいお芝居なので、演出の鈴木裕美さんに全力でついていきたいですし、ご指導いただきたいと思っています。また、渡辺いっけいさんはキャリアのある役者さんですので、二人芝居をやらせていただくのはとても光栄なことですし、全力でぶつかっていきたいと思っています。
◆渡辺いっけい
最初お話をいただいた時、本当に僕で良いの?と思いました。実に素晴らしい戯曲ですが、演じるのはかなり難しい。当然、尻込みしました。でも暫くして思い当たります「大倉くんもきっと同じ気持ちなのでは・・・?」と。そしたら、自然とやる気が出てきました。
演出の鈴木裕美ちゃんと芝居を創るのは久し振りです。彼女は掛け値なく信頼できる演出家です。大変心強いです。大倉君とは初共演になります。非常に楽しみです。
きっと稽古が始まれば、越えなければならないいくつもの山が待ち受けていることでしょう。でも一つ一つ、お互いを確認し合い、登って行ければと思います。何卒、よろしくお願いいたします。
◆鈴木裕美(演出)
「蜘蛛女のキス」は今まで私が演出させていただいた戯曲の中で、その素晴らしさにおいても、難易度においても、指折りだと思います。ストレートプレイ初舞台の大倉さんにとって大変高いハードルであるのは間違いありませんが、先日お目にかかった時「嘘をつきたくない」とおっしゃっていたので、大変頼もしく感じました。いっけいさんと3人で、持てる想像力を最大限に駆使した稽古をするのが待ち遠しいです。
『蜘蛛女のキス』は、5月27日(土)から6月18日(日)まで東京・東京グローブ座にて上演する。チケットは、4月23日(日)10:00より一般発売開始。
【あらすじ】
ブエノスアイレスにある刑務所の小さな監房。
その孤独な密室空間に二人の男が収監されている。
一人は政治犯として捕まった若き革命家・ヴァレンティン(大倉)。もう一人は未成年者に対する背徳行為で投獄された母親想いの中年・モリーナ(渡辺)である。
境遇も思想も正反対の二人だが、そんな彼らを結ぶのは、モリーナがヴァレンティンに夜な夜な語って聞かせる映画の話であった。
二人は徐々に心を通わせていくのだが・・・。