2016年10月26日(水)に東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて、ナイスコンプレックス『ゲズントハイト~お元気で~』が開幕した。ナイスコンプレックスとは、キムラ真が主宰する劇団で2007年に旗揚げ。本作は、実話をもとに、日本でクラウン(道化師)を普及させるために奔走した男たちの挑戦と葛藤を描いた作品で、劇団の代表作として再演を重ねてきた。
今回、主人公の元お笑い芸人・大村直人役を演じるのは、現役お笑い芸人であるサバンナの八木真澄。そして、大村の相方・広瀬守役は三上俊、ヒロイン・村松亜希子役は中村麻里子(AKB48)、大村が訪ねる病院の医院長・梨田栄一朗役はブラザートムが演じる。
これが、初舞台にして初主演となる八木は「お笑い芸人として芸暦23年目になるんですけど、初めてお芝居をやるということで、ほんまにド素人の状態で。暗転中に足音を立てない、というような基本の基本から教えてもらいました。日々、勉強になっています。無事初日を迎えることができましたので、がんばりたいと思います」と意気込んだ。
緊張の面持ちの八木について、三上は「物語の中で、皆がどんどんOちゃん(大村)に惹かれていくんですけど、実際の僕たちも八木さんに惹かれています。物語自体も素敵ですし、八木さんという一人の人間の姿を観ていただけたら、皆ハッピーになれるんじゃないかなと思います」とその魅力を語った。
AKB48として活動している中村は、これが自身3度目の舞台。ブラザートムから「イケイケのねーちゃんなのに、お芝居に入ると違うよね~」と言われたことが嬉しかったと明かし、「アイドルじゃない中村麻里子をお届けできたらと思います!」と笑顔でアピール。ブラザートムは「皆さん、ぜひ劇場へ足を運んでください。それが、新しいことをどんどんやっていくヤツらに対する力になると思いますので」とコメントした。
この他、伊藤寧々、井俣太良(少年社中)、内田眞由美、内堀克利(10・Quatre)、大森照子、室龍規、森碕ひろか、ナイスコンプレックスからは紅林里美、濱仲太、早野実紗が出演している。
物語の舞台となるのは、消毒液の臭いのする薄暗い病院。その病院に、元芸人という大村直人(八木)が訪ねてくる。大村は、かつて広瀬守(三上)と吉井武人(日替わりゲスト)とお笑いトリオを組んでいた。しかし、オーディションに落ち続け売れる気配もなく、吉井に解散を告げられる。現実と向き合い挫折の末、大村は新たにクラウン「Oちゃん」として“人を笑わせること”に人生をかける。訪れた病院では、子どもたちが難病治療と向き合っていた。子どもたちを「笑顔」にしたい、という大村の想いは、少しずつ周囲を巻き込んで・・・。
初舞台という八木の雰囲気が、役の真っ直ぐさとリンクして体温のある物語を生み出している。八木らしいギャグも満載だ。また、八木と共にクラウンを演じる三上は、舞台上でバルーンアートに挑戦。10月27日(木)19:00の回と10月28日(金)19:00の回の終演後には、三上と室(秦俊平役)によるアフターイベント「ヒロくん&シュンちゃんのバルーン講座」が行われるので、ぜひ一緒に体験してみよう。
また、お笑いトリオの一人・吉井武人役には日替わりでゲストを迎える。初日となる10月26日(水)19:00の回には、八木の実際の相方である高橋茂雄が登場。この他、足立英昭、大藏基誠、末原拓馬、佐藤貴史、神田友博、キムラ真、赤眞秀輝の出演が予定されている。ゲスト出演日の詳細などは、公式ホームページにてご確認を。
「ゲズントハイト」とは、ドイツでくしゃみをすると周囲からかけられる言葉で、日本語のニュアンスでは“お元気で”や“達者で”といった意味。作品の温もりに背中を押され、劇場を後にする時は「ダンケ!」と笑顔になれそうだ。
ナイスコンプレックスN26『ゲズントハイト~お元気で~』は、10月26日(水)から10月30日(日)まで東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて上演。
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