テーブルトークRPGより生まれ、ファンタジー小説の一時代を創ったといわれる水野良の小説『ロードス島戦記』シリーズ(角川スニーカー文庫)。OVA化、アニメ化など様々なメディアミックス展開が行われてきたが、この度、シリーズ第1巻『灰色の魔女』の物語をベースに初舞台化される。2016年10月26日(水)には都内にて製作発表が行われ、菅谷哲也、多田愛佳(HKT48)、ピコ、佐奈宏紀、汐崎アイル、深沢敦、成松慶彦、今川宇宙、月船さらら、楽曲を担当するA応Pが登壇した。
脚本・演出は、劇場版『ポケモン』シリーズをはじめ多くのアニメ脚本や舞台脚本・演出を手掛けてきた園田英樹。プロジェクションマッピングとアクション、殺陣を織り交ぜながら、原作から抜け出してきたかのようなキャラクターたちが、胸躍る冒険の旅を繰り広げるファンタジー活劇として、これまでにない世界観を作り上げる。
原作の水野は、舞台化について「向いていないと思っていましたので、知らせを聞いた時には正直驚きました。パーンやディードリットら作品の登場人物たちが、舞台の上でどのような活躍をしてくれるのか、今から楽しみです」とコメントを寄せている。
本作が初の主演作品となるパーン役の菅谷は「プレッシャーや不安もありますが、いいものを見せられるようにがんばりたいです」と力強く挨拶。ディードリット役の多田は「(原作も)すごくおもしろい作品で、ディードリットとパーンの関係がすごくかわいいんです。日常的にこんな女の子になれたらいいなと思います」と役柄への思いを明かし、「私のファンの方の中にも、ディードリットに恋したことがあるという方がいたので、皆さんのイメージを崩さないようにしたいです」と気を引き締めた。
この日の会見に、菅谷と多田は舞台衣装で登場。菅谷は「かっこいい衣装を着せてもらっているので、かっこよく見せないといけないと思っています」と笑顔を見せ、多田は「意外に重くて・・・」と苦笑いしつつ、「ワンピースもマントもかわいいし、額の石も耳がとんがっているのが好き」と絶賛。
そして、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンの海堂薫役で知られる佐奈は、魔導士のスレイン役を演じる。「魔導士は男の憧れでもあるので、子どもの頃を思い出して演じていきたいです。今回はプロジェクションマッピングも使うそうなので、魔法をかっこよく表現できると思います。僕も楽しみにしています!」と目を輝かせ、「大がかりな舞台になると思います。作品をより良いものにできるよう、僕も励みたいです」と力強く宣言していた。
また主題歌は、TVアニメ『おそ松さん』のオープニングを担当して話題となったガールズユニット・A応Pが担当。OVA版のエンディングテーマ「風のファンタジア」を舞台版の主題歌としてオリジナルカバーする。A応Pのメンバーたちは「『ロードス島戦記』の世界観を大切に、A応Pらしく歌っていきたいと思います!」と笑顔で語った。さらに、挿入歌として新曲が採用されることも発表され「仲間がテーマの曲になります。大切に歌っていきたいです」と意気込んだ。
なお、この日の会見で追加キャストとして、アシュラム役を辻凌志朗、チャーム役を水希蒼(A応P)、モート役をこにわ、フィルマー役を田中佳人、ザムジー役を大迫洸太郎、ジェット役を花井祥平(TESSIN)、ライオット役を麻田樹、ニース役を吉見麻美が演じることが発表された。
舞台『ロードス島戦記』は、2017年1月6日(金)から1月14日(土)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演される。
(取材・文・撮影/嶋田真己)