青木豪×シェイクスピア×Dステおもしろさ保“笑”済み!Dステ19th『お気に召すまま』稽古場レポート

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「こんなに笑えるシェイクスピアは初めて!」と好評を博している青木豪×シェイクスピア×Dステシリーズ。その第3弾として、シェイクスピア喜劇の中で“一番幸福な物語”とも言われる『お気に召すまま』が2016年10月14日(金)より東京・本多劇場にて開幕する。初日に向け、熱の入った都内の稽古場の模様を取材した。

(以下、写真に舞台セットの様子などを含みます)

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大きな体育館に、ほぼ本番と同様の舞台美術が仮組みされた稽古場。観客席も含めた本多劇場全体が、見切れ席の位置や、中通路も仮想的に配置されており、役者たちも本番を想像しやすい形で再現されていた。この場所に移って初の稽古日ということで、稽古が始まるまで、出演者たちは自分の歩幅で距離を数えたり、立ち位置から周りを見回したり、それぞれの動線を丁寧に確認していた。

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この日の稽古は、オープニングからシーンごとに、場当たりを実施し、それから返し稽古を行うスタイル。青木の演出は、穏やかな面持ちで、実に落ち着きを持って行われる。役者の何気ない仕草から新たなアイデアを思いつき、それを役者に伝えると、それまで普通だったシーンに次々と新しい笑いが生まれる。青木は、気になる点を伝えた役者たちからの反応や意見に、ときおり自然と笑顔を浮かべ、手応えを感じさせた。

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主演のオーランドーを演じる柳下大は、本作が初めてのシェイクスピア作品というが、稽古の雰囲気からも青木演出のDステ・シェイクスピアシリーズにすっかりと馴染んでいる様子。冒頭、一幕一場目のオーランドーとオリヴァー(三上真史)の喧嘩シーンでは、喧嘩に負けてしまう三上の演技に、柳下が素で笑いながら演技を続ける。その二人のやり取りに出番を控えるキャストからも笑いが起こり、こちらも自然と笑わされてしまう。

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そして、本シリーズはオールメール(全員男優)で上演されることも魅力の一つ。稽古中のロザリンド(前山剛久)とシーリア(西井幸人)に対して、役者たちからも「かわいいね!」という声が上がる。二人は実際の衣装を身に着けてはいなかったが、その演技から、序盤の宮廷喜劇らしい絵が目に浮かぶ。

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今回の取材は一幕目までだったため、メインとなるアーデンの森での展開は、本番までのお楽しみだ。だが、柳下と加治のレスリング試合でのやり取りや、石田圭祐、松尾貴史、鈴木壮麻、といった個性溢れる実力派たちの稽古姿から、アーデンの森で巻き起こるであろう喜劇を予感させられる。

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また、取材日の稽古を終えたオーランドー役の柳下と、ロザリンド役の前山から、コメントが届いたので紹介しよう。

◆柳下大(オーランドー役)
セットを組んでもらって、イメージがしやすくなりました。本番さながらに演じることができ、稽古により一層熱が入ります。より洗練されていく感じがして、演じることがとても楽しくておもしろいです。ぜひ公演を楽しみに待っていてください!

◆前山剛久(ロザリンド役)
「劇場に入る前に実際のサイズ感で場当たりできているので、ありがたいなと思っています。本番に近い環境で演じてみて、お芝居のテンションもどんどん上がってきているので、本番に向けてさらにしっかり自分なりのロザリンドを作っていきたいと思います。ご期待ください。

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今回の取材では、カメラを向けながらも思わず笑わされてしまう場面が多々あり、最後まで観ていたいと後ろ髪を引かれる思いで稽古場を後にした。「保“笑”します。このおもしろさ、ホンモノです!」と銘打つ言葉に偽りなし。開幕が待ちきれない作品だ。

Dステ19th『お気に召すまま』は、10月14日(金)から10月30日(日)まで東京・本多劇場にて上演される。その後、山形、兵庫で公演を行う。日程の詳細は以下のとおり。

【東京公演】10月14日(金)~10月30日(日) 本多劇場
【山形公演】11月12日(土)・11月13日(日) シベールアリーナ
【兵庫公演】11月19日(土)・11月20日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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