2016年9月23日(金)に東京・天王洲 銀河劇場にてブロードウェイミュージカル『スウィート・チャリティ』が幕を開けた。また、公演に先がけ公開ゲネプロと囲み会見が行われ、出演する知英、岡幸二郎、平方元基と、演出・振付を手掛けた上島雪夫が登壇した。
本作は『シカゴ』の脚本・振付などで知られるボブ・フォッシーの代表作の一つ。1966年にブロードウェイで上演されたのち、1968年にはシャーリー・マクレーン主演で映画化もされた大ヒットミュージカルだ。ダンスホールで働くお人好しで男に騙されてばかりのヒロイン・チャリティが何度傷ついても負けずに立ち上がり、真実の愛を探す姿が描かれる。
囲み会見で、元KARAの知英は、舞台初出演と初主演の心境について「自分はみんなを引っ張っていかなくてはいけない立場なのに、何も分からなくて、教えてもらってばかりだったのですが・・・、チャリティという女性は一生懸命な女性なので、私も精一杯がんばることに集中しました!」と、ほがらかに語った。
それを聞いていた演出の上島は「若い女性でスターを張れる人はなかなか育たないものです。最初は拙い部分もあったけど、日々の稽古でカバーしてきましたし、何と言っても溢れるオーラがあるので、素晴らしい舞台になっていると思います」と、知英のミュージカル女優としての才能を絶賛。
岡も「パッと出てきた時の華は、努力ではどうにもならないもの」と知英の魅力を評し、「『スウィート・チャリティ』はチャリティの成長のお話なんですよね。稽古場で成長していく知英さんはまさにチャリティそのもので、その成長がカンパニーを自然と引っ張ってくれていました。ぜひ、それを皆さんの目で確かめていただきたいです」と本作の見どころを交え、力強くアピール。
平方からも「知英ちゃんは稽古場からずっとチャリティで、かわいさが詰まっていました。そこは本当に楽しみにしていただきたいです!」と太鼓判を押され、二人の言葉に知英は顔を赤らめ謙遜していた。
知英は、本作の歌唱パートについて「上島先生から『大切なのは発声!』と毎日アドバイスをもらい、全身を使って声を出すよう心がけていました」と言っていたが、公開ゲネプロでは、チャリティのどんな時も人を幸福にする明るい性格が、音楽に合わせて身体中から溢れ出ているようであった。また、オーケストラの生演奏で奏でられるド迫力の音楽が、さらにチャリティのキャラクターを雄弁に表現。
平方は「映画スターというセレブな役なので、稽古場での岡さんの振る舞いを観察して研究していました(笑)」と囲み会見で役作りのポイントを明かしていたが、茶目っ気たっぷりの演技で愛嬌のある映画スターを熱演。また「元基くん(平方)とは一転、真面目な会計士の役です(笑)」と自身の役を控えめに説明していた岡は、“デリケートな性格”という役どころをコミカルに表現し、劇場を笑いの渦に。
演出の上島が「歌あり、笑いあり、涙ありと、そのままブロードウェイから持ってきたような作品に仕上がりました!」と熱弁していたが、それぞれのキャラクターがチャリティを中心に際立ち、まさに極上のエンターテインメント作品に仕上がっていた。
囲み会見の最後、知英は「舞台初出演で、こんな素敵な作品に参加できたことは光栄ですし、まだ夢を見ているような感じがします。舞台冒頭に『チャリティの冒険』という看板が出るのですが、それは私の冒険でもあると思っていますので、ぜひ観に来てほしいです!」と意気込んでいたが、まさに知英の今後が気になる夢の詰まったミュージカルであった。ぜひ、劇場でチャリティ≒知英を体験していただきたい。
ブロードウェイミュージカル『スウィート・チャリティ』は9月23日(金)から10月2日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。
(取材・文・撮影/大宮ガスト)