2016年9月23日(金)から東京・天王洲 銀河劇場にて上演されるブロードウェイミュージカル『スウィート・チャリティ』。開幕に先駆け、その公開稽古が9月7日(水)都内にて行われた。本作は『シカゴ』を手がけた振付家ボブ・フォッシーの代表作の一つで、1966年にブロードウェイで上演されたのち、1968年にはシャーリー・マクレーン主演で映画化もされた大ヒットミュージカルだ。ダンスホールで働くお人好しで男に騙されてばかりのヒロイン・チャリティが何度傷ついても負けずに立ち上がり、真実の愛を探す姿が描かれる。
今回の公演ではKARAの元メンバーである知英が初舞台&初主演に挑むことも話題となっているが、公開稽古では知英の奮闘する姿と共に、彼女をサポートする共演の岡幸二郎と平方元基、演出・振付の上島雪夫の姿も印象的だった。
最初に披露されたのは、平方演じる若手の大人気映画俳優ヴィットリオ・ヴィダルと知英演じるチャリティが運命の悪戯によって偶然出会い、その証拠となるものをチャリティがヴィダルにおねだりする場面。
チャリティは愛する男に振られどん底の気持ちでいたのだが、偶然、世界的な人気のある俳優のヴィダルと出会って、彼の部屋で楽しい時間を過ごすことになり、興奮のあまり劇中歌『今の私を見てほしい』を歌い出す。「今の私、誰も信じないわ、信じないでしょ、嘘みたいでしょ」と夢見心地で歌いながら、ヴィダルからプレゼントされるハットやステッキを使って往年のヒット映画のパロディのようなダンスを踊るチャリティ。そんな、彼女の少女のようなピュアな姿につられ、次第にテンションが上がってくるヴィダルもまた可愛らしく、見ているこちらも元気になるような輝かしい場面であった。
次に披露されたのは、岡演じる真面目な会計士のオスカー・リンキストとチャリティがエレベーターの中で閉じ込められ、見ず知らずの二人が急接近する場面。閉所恐怖症のためパニックを起こすオスカーと介抱するチャリティのコミカルな会話が繰り出される場面であるが、二人とも息の合った掛け合いで本作の脚本家であるニール・サイモン独自のコミカルなテンポを見事に体現しているように思えた。
また、稽古の合間には、演出・振付の上島と知英が入念にダンスの確認を行う様子も確認することができた。上島の演出を熱心に聞く知英の姿に、初舞台&初主演にかける気概が感じられた。チャリティのように天真爛漫な笑顔を振りまく知英と、ストイックな姿勢で稽古に臨む知英。そんな彼女の姿は、無邪気ながらも全力で愛を探すチャリティの姿と重なる。
今回公開された場面のほかにも、華やかなショーシーンと多彩なミュージカルナンバーが随所に散りばめられており、見所が詰まった本作。チャリティは、果たして真実の愛を見つけることができるのか?その答えは是非劇場でご覧いただきたい。
ブロードウェイミュージカル『スウィート・チャリティ』は9月23日(金)から10月2日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演される。
(取材・文・撮影4、5枚目/大宮ガスト)