6月7日に、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールにて開催された第69回トニー賞授賞式。米演劇界で最も権威ある授賞式は、個性派俳優アラン・カミングとクリスティン・チェノウェスの司会で進められたが、二人の奇抜の衣装と数回にわたる衣装替えが大きな話題となった。そんな二人のステージ衣装について、米BROADWAY.COMが伝えている。
まず、授賞式のオープニングでクリスティンが着ていたのは、ミュージカル『シカゴ』の衣装を彷彿とさせるジャケットドレス。その隣には、鮮やかなパープルのスーツを着たアランが陣取っていたが、由緒ある式典には似つかわしくないハーフパンツ姿に身を包んでいた。その後、中世を舞台にした『サムシング・ロッテン!』のブライアン・ダーシー・ジェームズとブラッド・オスカーのパフォーマンスが終わると、シェイクスピア劇を思わせる衣装を着たクリスティンとアランが登場。そして次は、『王様と私』の役柄を交替させて、王様姿のクリスティンがドレスを着たアランのスカートから現れるという演出で、会場は笑いの渦に包まれた。これに続き、ミュージカル『Fun Home』のシドニー・ルーカスのパフォーマンス後には、なんと映画『E.T.』でお馴じみのE.T.の着ぐるみを着たクリスティンがステージに! 会場が呆然としていると、アランが「『Fun Home』って言ったんだ。‟Phone Home”じゃないよ」と言い、E.T.が劇中で言っていたセリフと『Fun Home』のタイトルに引っ掛けていることを説明。クリスティンとアラン共に、およそ6回は衣装替えをした模様だ。
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豪華ゲストのプレゼンターとブロードウェイスターのパフォーマンスだけでも十分すぎるぐらいだが、ショウマンシップ旺盛なアランとクリスティンの司会により、さらに式典が大きく盛り上がったようだ。二人のコミカルな司会ぶりを受けて、来年の授賞式も、いい意味で期待を裏切る個性的な司会が期待できるかもしれない。