昨年日本で初上演され、大きな話題を呼んだ舞台『Being at home with Claude~クロードと一緒に~』が、2015年4月17日(金)から再演される。本作は、ルネ=ダニエル・デュボワ作、1986年初演の作品でカナダ、イギリスでも上演を繰り返されている名作だ。本作の公開ゲネプロが4月16日(木)、東京・シアタートラムにて行われた。
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舞台は1967年。カナダ、モントリオールの裁判長の執務室。男娼を生業としている「彼」が肉体関係のある大学生を殺したとして自首してきた。「彼」は殺人したという事実は認めているものの、事件の「真実」を明かそうとはせず、刑事は激しく苛立つ。刑事の濃厚なやり取りの果てに見えてくるものは…。
今回、主人公の「彼」が松田凌(シングル・キャスト)、「刑事」と「速記者」は二人の俳優(唐橋充・山口大地)が回により入れ替わるスウィッチ・キャスティングで上演される。ゲネプロのこの日は「刑事」を唐橋、「速記者」を山口が演じるパターン。「彼」を責めたてる「刑事」唐橋の執拗なまでの責め具合は、いかなる容疑者でも真実を口にしてしまいそうな威圧感を感じ、一方の「彼」松田は、自ら壊れてしまうかと思うくらいの激しさと痛々しさを叩きつける。二人が搾り出す言葉の中から「真実」が徐々に浮かび上がってくると、客席は水を打ったような静けさになり、息をするのもはばかれるくらいの緊張感に包まれた。
初日前に際し、松田は「いざ、セットを前にすると、震えが止まりません。これは武者震いか、「彼」を演じる重さによる震えか…。ものすごく大きな役をいただいたと思っています。僕は「彼」が生きる意味と、この世界で感じていたものを、僕の身体、心も全部投げ出して、まっすぐに演じます。そしてこの場所で壊れるぐらいの覚悟です。壊れて、そしてここから僕の新しい何かが始まると思っています。「彼」を観たら、きっと何か感じるものがあると思う。ほぼ音はなく、照明も変わらず、場面転換もない。役者が丸裸で舞台上に投げ出された状態で芝居しています。とてつもない衝撃を与える自信があります。ぜひ楽しみに来てください」とコメントしている。
舞台『Being at home with Claude~クロードと一緒に~』は、4月17日(金)~4月23日(木)まで、東京・シアタートラムにて上演される。