2.5次元を超え2.75次元に!? 舞台版『魔王 JUVENILE REMIX』開幕

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佐野大樹、森山栄治、鷲尾昇、土屋裕一の4人からなる演劇ユニット*pnish*(パニッシュ)3年半ぶりの本公演、舞台版『魔王 JUVENILE REMIX』の初日となる2015年4月18日(土)、会場であるAiiA 2.5 Theater Tokyoにて本作の公開ゲネプロが行われた。人気作家・伊坂幸太郎の小説を大須賀めぐみが大胆にアレンジしたコミック版の舞台化で、*pnish*の本公演としては、初の2.5次元作品となる。

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都市開発に揺れる街で、自警団を名乗る集団“グラスホッパー”を率いるカリスマ・犬養(土屋)。その集会で、安藤(影山達也)は謎の死を遂げる。その死に疑問を抱いた安藤の弟・潤也(池岡亮介)は、兄の死の真相、そして兄の敵の正体を探り、復讐を果たすために、自身の特殊能力を武器に勢力を集め、兄への想いを胸に立ち上がろうとする…。

*pnish* vol.14 舞台版『魔王 JUVENILE REMIX』

*pnish* vol.14 舞台版『魔王 JUVENILE REMIX』

最近では、漫画やアニメ、ゲームなどの舞台化作品が数多く上演されているが、本作は2.5次元のエンターテインメント要素をしっかりと持ちながらも、犬養が“彷彿させる”というムッソリーニやヒットラーといったファシズムと、現代社会にも通じる世界が融合し、様々なことを考えさせる社会派作品になっている。一人のカリスマが社会を先導しようと試み、その流れに深く考えることなく流されようとしていく群衆とそれに対抗せんと挑む勢力。難しいテーマを、実力派の俳優たちがシリアスに描き出す一方、主人公・潤也と殺し屋・蝉(佐野)とその雇い主・岩西(細見大輔)のテンポの良い掛け合いなど、観客の笑いを誘うシーンもそこかしこに散りばめられている。(観客もとある場面では舞台演出に“参加”することができる。お楽しみに!)

*pnish* vol.14 舞台版『魔王 JUVENILE REMIX』

ロック調にアレンジされたシューベルトの「魔王」や、不協和音ともいえるノイズ音で不安感をあおる音響、荒廃した街をイメージさせる舞台美術などによって、一気に本作の世界観へと引きずり込まれる。そして俳優陣の熱演によって、気が付けばあっという間にラストシーンに。脚本・演出と俳優陣のエネルギーがぶつかり、他の2.5次元作品とは一線を画す作品に仕上がっていると言えそうだ。

*pnish* vol.14 舞台版『魔王 JUVENILE REMIX』

初日を控え、脚本・演出の鈴木勝秀や*pnish*リーダーの佐野、主人公・安藤潤也役の池岡からコメントが寄せられたので紹介しよう。

鈴木勝秀
伊坂氏の小説をリミックスした大須賀氏の漫画を、さらにリミックスすることによってできた舞台版ストーリーと新たに生み出されたキャラクター。そこにリアリティを与えた、俳優という生身の人間によるドラマ。そして、そのドラマに荘厳さ、重圧感を与える、シューベルトの「魔王」を元にしたオリジナル音楽、陰鬱を重視した照明、モノトーンを強く意識した衣装、舞台美術。この作品は、何よりも原作の“精神”、“魂”、“普遍性”を表現しようと試みた、新たな2.5次元への取り組みである。

佐野大樹
原作・伊坂幸太郎、漫画・大須賀めぐみの『魔王 JUVENILE REMIX』という、この作品に演出の鈴木勝秀さんと共に色々とあがきながら戦いながら作って来ました。とてもエンタメな作品であり、役者の熱量、想いが舞台上でぶつかっています。2.5次元を超えて、2.75次元くらいになったと僕は感じております(笑)。

池岡亮介(D-BOYS)
AiiA 2.5 Theater Tokyoという大きい劇場、且つ*pnish*さんの本公演に主演として出させて頂き、非常に光栄です!気合いを入れて安藤潤也を演じます!! 作品は今の時代に通ずるところもあるので、そこをしっかり伝えられたらと思います!

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*pnish* vol.14 舞台版『魔王 JUVENILE REMIX』は、AiiA 2.5 Theater Tokyoにて2015年4月18日(土)から4月26日(日)まで、神戸・新神戸オリエンタル劇場にて5月1、2日(金、土)に上演。

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