舞台に映画にと精力的に活躍中の実力派若手俳優・松坂桃李と、日本アカデミー賞をはじめとした数多くの映画賞に輝く“日本映画界の顔”西田敏行が初共演する映画『マエストロ!』。その全国ロードショーを迎えた2015年1月31日(土)、東京・丸の内ピカデリー1にて初日舞台挨拶が行われた。感動のクライマックスを見届けた観客の前に姿を現したのは、松坂と西田に加え、映画初出演となるシンガーソングライターのmiwa、古舘寛治、大石吾朗、河井青葉、池田鉄洋、モロ師岡、村杉蝉之介、小林且弥、中村倫也、嶋田久作、そして小林聖太郎監督。正装で登場した13人に、会場から歓声と拍手が沸き起こった。
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本作は、演奏シーンの動きなどに関する吹き替えが一切ないため、出演者たちはバイオリンの弓の角度や音を出すタイミングなどを合わせる必要があったという。松坂は撮影時を振り返り「全員の動きが揃ってないと、監督のOKではなく、音楽(監修の)チームのOKも出ないので、そこは何度も繰り返しましたね」と、その苦労を明かした。
しかし苦労を共にした分、現場での出演者たちの仲は深まっていたようでmiwaによれば「楽屋で、私の『ヒカリヘ』という曲をみんなでセッションしたんです!一番の思い出です」と、舞台裏でも密かに演奏会が行われていたという。その様子を自身のスマホで撮影していたという小林(且弥)が「すごく良いですよ! みんな(演奏は)真似ですけど(笑)。本当に素敵な映像なのでDVD特典で…」と言うと、会場からは歓声が沸き上がった。松坂はこの演奏会のことを知らなかったとようで「それは、僕や西田さんが撮影している間っていうことですかね…?」と残念そうにコメント。共に仲間はずれになっていた西田が、なぜか「いいなぁ、スマホは…」と予想外のポイントを羨ましがり、会場の笑いを誘っていた。
主演を務めた松坂は、12月に行われた本作の完成披露試写会で11億円のバイオリン、ストラディバリウスを演奏させられるというサプライズを経験していたこともあり、今回、正装での舞台挨拶となったことで「『いきなり演奏させられるっていうサプライズがあるのかな?』ってすごいビビッていたんですけど、何事もなくことが運んでいるんでよかったです(笑)」と、サプライズに対する警戒心でいっぱいの様子。
この日の舞台挨拶でも松坂にはサプライズは用意されていたが、一つは原作者さそうあきらによる松坂をイメージした直筆イラストのプレゼント。もう一つは西田からのメッセージと、松坂の恐れていたものとは正反対の嬉しいサプライズとなった。西田はメッセージの中で「この作品のコンサートマスターは松坂桃李君だったと思います。今日の日を迎えるまでに1年8か月を要しましたが、素晴らしい努力と情熱と集中力で、撮影を離れた時でも片時もバイオリンを離さず、絶えず練習する松坂君の姿を見ると胸が締めつけられるような思いの中におりました。今、若干26歳ですが、人間の気力と体力は37歳が一番ピークということなので、あと10年ありますよ!いっぱいキャリアを積んで日本映画を牽引する一人のビッグな俳優として成長し続けてほしいと心から願っております」と松坂への思いを語り、松坂も感激しつつ聞き入っていた。
映画『マエストロ!』は、1月31日(土)より全国にて公開中。