2018年2月8日(木)についに幕を開ける「もののふシリーズ」最新作、舞台『駆けはやぶさ ひと大和』。シリーズ最終章でもある本作では、5人組ダンス&ボーカルグループDa-iCEの花村想太が演じる新撰組隊士・中島登役を中心に、自らの信念に生き、散っていった「誠」たちの姿を描く。
シリーズ第1弾『もののふ白き虎』、第2弾『瞑るおおかみ黒き鴨』でも土方歳三役を演じた荒木宏文と、榎本武揚役としてシリーズ初参加を果たす久保田秀敏。プライベートでも仲が良いという二人に、役についての思いや本作にかける意気込みを聞いた。
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――いよいよ、シリーズ最終章ですね。荒木さんは、『もののふ白き虎』(2015年)『瞑るおおかみ黒き鴨』(2016年)に続いて土方歳三役を演じることになりますが、同じ人物を最後まで演じきれるというのは、役者さんにとって大きいものですか?
荒木:そうですね。第1作目から最終章まで、全部に出ることができるというのは、とても大きいですね。やっぱり、年数をかけて作品を作っていくと、次の世代の役者の子たちが出てきて代替わりをしたりすることもあるので、同じ役として、作品に関わり続けられたことは、すごくありがたいなと思っています。
――久保田さんは、シリーズ初登場となりますが、前2作はご覧になりましたか?
久保田:初演は直接観ることができなかったのですが、前作の『瞑るおおかみ黒き鴨』は劇場で観させていただきました。物語がすごくしっかりしているし、描写も細かいところまで描かれていて、曲もいい。僕自身もすごく泣いたのを覚えていますが、お客さんのすすり泣いている声が多く聞こえたのも印象に残っています。
――久保田さんご自身も、涙されたんですね。
久保田:いわゆる幕末の時代を描いた作品って、熱い男たちのぶつかり合いを表現する役者同士も、魂でぶつかり合うというか。
そういうものを目の当たりにすると、すごく感情移入してしまうので・・・僕は、こういう時代を描いた作品が好きですね。でも、最終章なんですよね・・・(笑)。
――そうなんですよね・・・。上演発表の時も、すごく大きな反響があったんですが、「やっとやってくれる!」と喜びの声がある一方、「最終章なの・・・」という声も多くて。
荒木:皆さんからしたら、やっと続きが!と思ったら、最終章かい!って話ですもんね(笑)。でも、いただいたファンレターの中に「また土方さんが見られるのが楽しみです」みたいなことを書いてくださる方も多くて、改めて愛されている作品なんだなと感じました。
――荒木さんの土方さんは、ハマり役だなと思って拝見していました。荒木さんが思う、土方歳三という人物の魅力は?
荒木:土方さんの魅力は、周りが作ってくれているものだと思います。前回「つむ鴨」をやった時に、ツネ(青木玄徳)がプライベートで「次は土方さんが主役っすよ」って言ってくれてたんですよ。そう言ってくれる思いはすごく嬉しかったんだけど、同時に、土方は主役になっちゃダメだとも思っていて。
――それは何故でしょう?
荒木:土方自身が軸になるのではなく、軸となる子たちを動かせる絶対的存在、伝説に近いカリスマ性の高い人物だと感じるから。
特にこの「もののふ」シリーズは、白虎隊から始まってっていうのもあって、その色がすごく濃いと思います。だから、土方自身が軸となるよりも、土方という絶対的存在がいるから成長できる人、志を持つことができる人が軸となる方が、見ている人にも共感を持ってもらえると思うんですよね。だから土方は、中心となるよりも、少し出てきて何かを伝えることによって、それが膨らんで深みを増していく・・・そういった機微を、土方を通して表現できるようになりたいですし、土方はきっとそういう人間だったんじゃないかと。
――その土方像は、ご自身と重なる部分もありますか?
荒木:そうですね・・・。生き方としては近い部分があるんじゃないかと思います。僕はD-BOYSという俳優集団に属して、D☆DATEという音楽グループの活動もしているんですが、D-BOYSとしては、俳優集団とはいえ個としての意識がほとんどだったんですね。でも、音楽活動をやる、グループを組むとなった時は、自分が一番年上だったこともあり、リーダーを自分から買って出ました。その時に思ったのが、リーダーをやっている僕を立ててくれているメンバーがいるから、ちゃんとリーダーとして存在できているんだなということ。
瀬戸(康史)を真ん中に、(堀井)新太が支えて、(柳下)大が盛り上げて、マネージャーやレーベルさん、事務所を含め、グループとして意図していること、伝えなきゃいけないことをフォローして言う僕の言葉が立つのは、そういう周りの人がいるからだと実感しました。そういう自分の立ち位置を振り返ると、大きく見て、この「もののふ」シリーズの土方と重なる部分があるんじゃないかなと思っています。
――久保田さんが演じる榎本武揚は、「もののふ」シリーズには初登場の人物ですね。歴史上でも重要な役割を担っていますが、今の段階(稽古前)で、役としてどのように捉えていらっしゃいますか?
久保田:僕、この作品のお話をいただくまで、榎本武揚のことを全然知らなくて・・・。最初はネットで調べて・・・というところから始まりました(笑)。調べていく中で、武士として戦の経験もしながら、海外に行っていろんな情報を学んだり、語学や外交に力を入れていたりと、日本を変えていくために、先人を切っていった人物なんだということが分かりました。熱い思いを持った人物であるので、この「もののふ」シリーズの榎本武揚として、それがどのように描かれているのか、楽しみにしていてほしいですし、僕自身も役を作り上げるのが楽しみです。
――この『駆けはやぶさ ひと大和』の世界で、皆さんの演じる役の熱い思いがどう交わるのか、楽しみです。お二人はとても仲が良いようにお見受けしますが、共演は久しぶりですか?
荒木:そうだね、久しぶりだよね。
久保田:実は、舞台作品として共演しているのは過去1回(舞台『私のホストちゃん』~血闘!福岡中洲編)だけなんですよね。
――照れくさいかもしれないのですが、役者として、お互いお好きなところをお聞かせいただけると・・・。
荒木・久保田:あははは(顔を見合わせてまさに照れくさそうに笑うお二人)。
久保田:僕的には、荒木くんがその作品に出てくると、すごく締まるなって感じがします。立ち振る舞いもとても綺麗ですし。「あ、この舞台は荒木くんがいるから大丈夫だ」みたいな・・・なんか、上から目線みたいですけど(笑)。
荒木:(笑)。
久保田:役者として華もあるし、なんだかすごく安心しちゃいますね。
荒木:嬉しい。僕はね~・・・スペックの高い人っていうイメージがある。
久保田:高くないですよ!高く見えているだけで・・・空っぽです(笑)。
荒木:だとしたら、すごくストイックなんだと思う。芝居を見ていると、頭一つ抜けているというか、どうしても目がいくんだよね。しかも、ナチュラルに作品を通して感じるので、スペックが高くないのであれば、それだけ人一倍努力をしているからこそ、舞台でそういう居方ができるのかなと。足りない部分を自覚しているのであれば、いい作品に出れば出るほど、成長は止まらないだろうし。
久保田:そんな風に言っていただけるとは・・・。
荒木:プライベートで引っ越す前は、ご近所さんだったんですよ。だから、ご飯に一緒に行ったりして、いろんな話をしたね。その中でも、課題を持って毎回クリアにしていってるんだなって感じたし。体を鍛えるってなったらなったで、鍛え方が半端ないし(笑)。
久保田:あははは(笑)。一回やりだすと止まらないんですよ。
荒木:どんだけやるんだっていうね!すごくマメ、すごく計画的、すごく没頭する(笑)。
久保田:時代ものをやる時は、殺陣に必要な筋肉をつけないと、演劇としても安く見えちゃうと思って。実際に日本刀がどれだけ重かったかをイメージできるかできないかで、立ち回りも変わりますし、所作も変わりますし。だからまず、振る筋肉と止まる筋肉。あとは、体幹もしっかりしないとブレちゃう。そういうことを考え出すと止まらなくて(笑)。
荒木:また、鍛えるのかよ~(笑)。
久保田:今回またつけ直そうと思ってます!
――今のお話にも出てきましたが、「もののふ」シリーズと言えば、殺陣ですね。いつもその手数の多さに驚かされます。
荒木:今回もすごそうですね~。
久保田:荒木くんは、前回刀と銃、両方持ってましたよね。両方を操っててすげ~!と思った記憶が。
荒木:西田さんのつける殺陣は、舞に近いんですよね。腰を落として、チェストー!という感じではない。斬って当たり前、ぐらいの感じで。大変ですよ~。
久保田:僕、西田さんの作品に出させていただくのが初めてなんですよ。
荒木:・・・どっちにハマるんだろうね~。
久保田:どっち、っていうのは、どういう意味ですか?
荒木:西田さんは、若い役者だとその子のタレント性を取り入れることが多いんだよ。作品として出来上がった上で「もっとニュアンスをこうしよう」とか、「こういう部分を役にも取り入れよう」とかいうことが起きたりするんだけど、僕とかツネは一切なくて、台本通りに作っていった。久保田くんは、どっちにハマるんだろうね。タレント性もあるし、役者としてもストイックだから・・・。
久保田:西田さんのことは、前々から、いろんな方からお名前は聞いていたので、いつかご一緒したいなと思ってたんですよ。今回、実現して嬉しいですね。
――本番で、どんな仕上がりになっているのか、楽しみにしております。最後に、作品を楽しみにしているお客様へ、お一言ずつお願いします。
久保田:この作品は、時代背景もともなってメッセージ性が強い作品ですよね。だからこそ、一人一人の、この時代にかける思い、人と人のつながり、そういう熱いものをお客さんにも分かりやすく、心に残るように伝えられればなと。そして、役柄的にも、立ち位置的にも、最終章にふさわしい貢献できればと思います。
荒木:「もののふ」シリーズの土方は、その存在を『もののふ白き虎』では白虎隊の中に残し、『瞑るおおかみ黒き鴨』では斎藤一の中に残してきました。この最終章では、ストーリー上とは別の部分で、残す相手は“お客さん”になるのかなと思います。お客さんの中に、この「もののふ」シリーズの土方が存在し続ければ、最終章までやりきった意味があるのかなと。そこは個人的に意識して届けたい部分です。
そして、この最終章でも新撰組を描くというのは、西田さんの“愛”だと思うんですよね。僕らは、最終章をやると聞いた時、坂本龍馬の話になるのかなと話していたんですよ。でも、蓋を開けてみれば、最終章まで“誠”を貫き通した。白虎隊が憧れた新撰組、組織として無くなったあとの新撰組。そういう話をした上で、最終章に改めて新撰組を全うできることに感謝します。そういう思いをちゃんと背負った上で、しっかりとこの作品をやり遂げたいと思います。
◆公演情報
もののふシリーズ最終章『駆けはやぶさ ひと大和』
【東京公演】2月8日(木)~2月18日(日) 天王洲 銀河劇場
【大阪公演】2月23日(金)~2月25日(日) 森ノ宮ピロティホール
【作・演出】西田大輔
【出演】
花村想太(Da-iCE)/久保田秀敏、山本涼介、杉江大志、健人、近藤頌利、林田航平、山下聖菜/中村亀鶴/萩野崇、越村友一/青木玄徳、荒木宏文/的場浩司
◆アフタートークイベント開催!
2月11日(日)17:30公演
登壇者:花村想太、久保田秀敏、近藤頌利、林田航平
2月12日(月・祝)17:30公演
登壇者:青木玄徳、荒木宏文+<スペシャルゲスト>安西慎太郎、松田凌
2月15日(木)18:30公演
登壇者:花村想太、久保田秀敏、青木玄徳、荒木宏文
2月16日(金)18:30公演
登壇者:花村想太、山本涼介、杉江大志、健人
2月23日(金)19:00公演(大阪)
登壇者:花村想太、健人、近藤頌利、荒木宏文
◆バレンタイン記念!
2月14日(水)18:30公演 バレンタインチョコ・プレゼント(対象:来場者全員)
来場者様全員にキャスト直筆コメントを集めたオリジナルパッケージのスペシャルバレンタインチョコをプレゼント!
【公式HP】www.mononofu-stage.com
【公式twitter】@mononofu_St
【特別企画】直筆サイン入りチェキをプレゼント!
もののふシリーズ最終章『駆けはやぶさ ひと大和』に出演する荒木宏文さん、久保田秀敏さんから直筆サイン入りチェキをいただきました。こちらを、抽選で1名様にプレゼントいたします。
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(撮影/エンタステージ編集部)