1999年のTVアニメ放送開始から、様々なマルチメディア展開がされてきた『デジモンアドベンチャー』シリーズ(以下、『デジモン』)。そのTVアニメシリーズの放送15周年を記念して製作された『デジモンアドベンチャー tri.』(以下、『tri.』)を原作とした舞台、超進化ステージ『デジモンアドベンチャー tri.~8月1日の冒険~』が2017年8月より上演される。
主人公の八神太一役を『手裏剣戦隊ニンニンジャー』加藤・クラウド・八雲/アオニンジャー役や、大ヒット映画『帝一の國』への出演でも話題となった松本岳、石田ヤマト役をハイパープロジェクシン演劇「ハイキュー!!」西谷夕役や、舞台『刀剣乱舞』に太鼓鐘貞宗役で出演する橋本祥平が演じる。
今回のインタビューでは松本と橋本に、ビジュアルイメージの姿そのままで『デジモン』にまつわる思い出や、舞台版の魅力、意気込みなどを語ってもらった。
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――お二人とも子どもの頃から『デジモン』が好きだったそうですが、役が決まった時の心境は?
松本:まず、『デジモン』は自分が小さい頃から観ていた思い出の作品だったので、それが舞台化されると聞いて、本当に驚きましたね。子供の頃、自分の中で一番ハマっていた作品なんですけど、まさかその太一役を自分がやらせてもらえるとは・・・驚きましたけど、嬉しかったです。不安もちょっとあったんですけど、その分、すごく楽しみな舞台というか、期待が膨らんでいくのを感じましたね。
橋本:岳くんと同じく、僕も『デジモン』世代なので、最初に舞台化のお話をいただいた時に「絶対やりたい!」とマネージャーさんに言っていたぐらい、『デジモン』という作品が大好きなんです。その舞台化に携われることが、本当に楽しみで、嬉しいですね。役者仲間にも『デジモン』が大好きな方がいて、観に行きたいと注目してくれている作品なので、僕も“デジモン愛”をいっぱい注ぎ込んで、良い作品にできたらなと思っています。
――『デジモン』はアニメ以外にもゲームなどでも大人気ですよね。ちなみにお好きなデジモンは何ですか?
松本:アニメも観ていましたし、ゲームもやってましたね。
橋本:僕もプレイステーションでゲームをやってました!好きなデジモンは、エンジェモンが進化したホーリーエンジェモンですね。めっちゃ強くて、ヘブンズゲートという技で輪の中にたくさんの敵を吸い込むんですよ。子供の時に「何だコイツ!?強くてかっこいいー!!」と思っていました。
松本:エンジェモンからホーリーエンジェモンに超進化するパタモンだけ、ちょっとチート感があるよね(笑)。
橋本:そうだね、ズルいなって思ってた(笑)。
松本:僕は何だろう・・・ケンタルモンかな。
橋本:渋いなぁ(笑)!
松本:ケンタルモンは優しいし、一人で遺跡を守っている健気な部分もあり、かっこいいなと思っていました。あと、レオモンとかも好きですね・・・。いっぱい好きなデジモンがいて、一つに決められないですね(笑)。
――お二人は初共演になりますが、お互いの印象は?
松本:最初のビジュアル撮影の時に、初めて会いました。同い年で、同じ作品を観ていたので、その話題で絶対に盛り上がれるなと思いました。あとはもう、すごくかっこいいなという印象です(笑)。
橋本:いやいや(笑)。
松本:最初に会った時も、話す時間は少なかったんですが、直感で、絶対に「イイ人だな」と思いましたね。周りからも「祥平くんはイイ人だよ」と聞いていたので、これからもっと仲良くなっていきたいですね。
橋本:もちろん!いや~、嬉しいですね。僕は結構人見知りなので、なかなか自分から話しかけられないんですけど、でもお互いに「話したいな」という空気感だったのは、感じていました(笑)。さっきも二人で話していたんですけど、岳くんは太一と似ていて太陽属性だなと思います。実際に稽古場に入ったら、岳くんを中心に色々と盛り上がっていくんだろうなと思いましたね。
松本:太陽属性(笑)!?頑張って盛り上げていきます!
――演じる役については、どのように感じていますか?
松本:物心が付くかどうかの頃、太一が持っている単眼鏡に憧れて、買ってもらったことがあるんですよ(笑)。実家は田舎の方なんですけど、単眼鏡を持って、友達と一緒に家の周りを旅しているつもりで遊んでいたんですよね。『tri.』の第1章は映画館で観て、第2章、第3章はレンタルで観たんですが、『tri.』の太一は子どもだった頃の元気いっぱいなイメージとはちょっと違っていて、いろいろことを知ったのか、太一の葛藤がすごく出ているんですよ。「太一の人間的な成長」をすごく感じましたね。
橋本:アニメを観ていた当時、ヤマトは本当にかっこいいなと思っていました。クールでちょっと謎な部分もあり、でも頼りがいもあるんですよね。僕も『tri.』を観ていたんですけど、それが高校生になって、熱い部分も出てきたなと感じました。クールな中に熱を感じて、改めてヤマトって素敵だなと思いましたね。
――舞台版はオリジナルストーリーになりますが、どうなっていきそうでしょうか?
松本:まだ稽古前ですが、舞台上でデジモンをどう表現するのかが、自分も一番気になっているところです。デジモンたちがどう進化していくのか、デジモンとの会話はどう表現されるのか、とか。太一のパートナーデジモンであるアグモンとの会話も、実際にそこにいるようにどう見せるのか・・・。舞台版でも、デジモンの声優さんはアニメと同じ方が演じられるんですよね。だから、アグモンの声を担当されてきた坂本千夏さんと会話ができるというのが、すごく楽しみなんです。子どもの頃に観ていた『デジモン』の、アニメそのものと共演できることに、感激ですね。
橋本:アニメのファンの方に観に来ていただけたら、きっと感動してもらえると思うんですよ。デジモンをどう表現するのかは、これから稽古場で演出の谷(賢一)さんと相談していくと思うんですけど、生身で演じる僕らがまず、デジモンに負けないぐらいの熱量で体当たりのお芝居をして、良い作品にしていけたらと思いますね。
個人的には、エテモン役をオレノグラフィティさんが演じるのを楽しみにしています!今回のデジモンの中で唯一、人間が演じるデジモンなんですよ。これは絶対におもしろくなると確信してます!いろいろな方から「オレノグラフィティさんはおもしろい」と聞いているので、どうなるかすごく楽しみなんです(笑)。
――タイトルにもある“超進化ステージ”という言葉も気になりますね。
松本:実はメインビジュアルと同じように、舞台上でもオメガモンの肩に乗れると聞いているんですよ・・・。楽しみで仕方がないです(笑)“超進化ステージ”という言葉から、何が超進化するのか、という期待がありますよね。それはデジモンの進化かもしれないですし、自分たちの進化かもしれない。“選ばれし子どもたち”の、進化という名の成長かもしれないですしね。そういう成長の部分も、舞台上で表現できればおもしろいですよね。
橋本:これはもう、誰もが気になっている部分ですよね。きっと、何か策があるんだなと思っています(笑)。僕らも稽古場に入って、驚きの連続でしょうね。
松本:プロジェクションマッピングの映像だけじゃなくて、デジモンのリアルな造形物も出るんですよ。
橋本:どのデジモンがリアルな造形物として登場するかはまだ秘密ですけど、迫力ある形で登場するから、ファンの方にはすごく興奮していただけると思いますよ。
松本:デジモンファンは、絶対驚くよね!
橋本:今、舞台でもプロジェクションマッピングを使ったり、見せ方のクォリティがすごく向上したりしているので、いろんな方法を集約して、表現できたらいいですね。
――お二人のファンで、初めて『デジモン』の世界に触れるという方もいらっしゃると思います。舞台版『デジモン』のアピールポイントは何でしょうか?
松本:そうですね・・・『デジモン』を観たことがない方もいらっしゃると思うんですけど、『デジモン』の一番のおもしろさって、子どもたちががんばって、協力して冒険していく中で、一人一人の成長があるんです。役それぞれに両親が離婚していたり、養子だったりと、バックボーンもしっかりしていて、とても人間味のある作品だと思います。だから、そういうところを上手く舞台でも表現できたら、おもしろい作品になると思いますね。デジモンとのやり取り、パートナーデジモンとの魂の繋がりもしっかり表現できたらと思います。そうしたら、『デジモン』を今まで知らなかった方にも、『デジモン』の世界を舞台として楽しんでいただけるんじゃないかなと。
橋本:岳くんの言うとおり、『デジモン』は子ども向けのアニメだったんですけど、大人な部分も描かれているんですよね。舞台が初めてという方でも、子どもっぽい作品というわけではないので、しっかり入っていけると思います。ちょっと大人になった高校生の僕らとデジモンたちとの絆なんかも感じていただいて、舞台を観終わった後に「アニメも観てみたいな」と思ってもらえたら、何より嬉しいですね。ちょうど『tri.』の劇場版が盛り上がっているので、たくさんの方にハマってもらえるチャンスだなと思います。
――脚本・演出の谷賢一さんは、ストレートプレイや海外戯曲を中心に活躍されている方ですが、その谷さんが2.5次元の舞台を手掛けられるというのも話題ですね。
橋本:谷さんが初めて関わる2.5次元作品と聞いていますし、周りの人たちから、この舞台を谷さんが脚本・演出するんだという驚きの声も聞いています。この『デジモン』という世界のデジタル感と、谷さんの持っている演劇らしさというアナログ感が混ざって、すごいものになるんじゃないかと思いますね。
松本:谷さんなら、デジタルワールドと現実世界をうまく組み合わせて、演出してくださると思います。谷さんの期待に自分たちも応えられるように、がんばってついていきたいなと思いますね。
――最後に舞台を楽しみにされている方へメッセージをお願いします。
橋本:演出面とか、デジモンの表現とか、いろいろな面で、注目されている舞台だと思います。僕たちは、そういう期待を良い意味で裏切れるように、稽古を重ねて作品を作っていきたいと思います。それから、『デジモン』はどちらかというと男性ファンの方が割合的に多いと思いますが、舞台は女性の方も多く観に来てくれると思います。『デジモン』が好きな男性の方にはもっと『デジモン』を好きになってもらえるように、そして、初めて『デジモン』の世界に触れる女性の方には、『デジモン』に興味を持ってもらえるように、役とデジモンに向き合っていきたいと思います。
松本:今回、子供たちが成長した劇場版の『tri.』とはまた違ったオリジナルストーリーを舞台で観ることができますので、ぜひ舞台でしか味わえないデジタルワールドや、デジモンとのやり取りを楽しみにしていてください。また、初めて『デジモン』という作品に触れるという方には、『デジモン』を好きになって、より知ってほしいです!
◆公演情報
超進化ステージ『デジモンアドベンチャー tri. ~8月1日の冒険~』
8月5日(土)~8月13日(日) 東京・Zeppブルーシアター六本木
【原案】本郷あきよし
【脚本・演出】谷賢一
【出演】松本岳 橋本祥平 森田涼花 上村海成 田上真里奈 小松準弥 野見山拳太 重石邑菜
オレノグラフィティ
吉原秀幸 大谷誠 美波利奈 松岡拓弥 わしやみちこ 三宅良 池田謙信 庄野早冴子
【声の出演】
アグモン役:坂本千夏 ガブモン役:山口眞弓 ピヨモン役:重松花鳥 テントモン役:櫻井孝宏 パルモン役:山田きのこ ゴマモン役:竹内順子 パタモン役:松本美和 テイルモン役:徳光由禾
(C)本郷あきよし・東映アニメーション (C)舞台「デジモンアドベンチャー tri.」製作委員会
(撮影/エンタステージ編集部)