「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー!「ちょっとの“間”も楽しめる作品なんだと思います」

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2017年6月23日(金)より東京・品川プリンスホテル クラブeXにて開幕する舞台「MOJO(モジョ)」。本作は、映画『007/スペクター』(2015年)の共同脚本などで知られるジェズ・バターワースの処女作で、今回が日本初上演となる。上演台本・演出を手掛ける青木豪のもと、集った6名の多彩な役者の中で、最年少となるのが横田龍儀。

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年の子守唄~の物吉貞宗役として、ピュアさを残しながらも大きな成長を感じさせた横田が、今何を思うのか、話を聞いた。

「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー

――まもなく本番を迎えますが、稽古場はどんな感じですか?

とてもおもしろい現場です。共演者の皆さんがすごい方ばかりなので、最初は「なんで僕にオファーが来たんだろう・・・」と思っていて(笑)。今でも、自分がこの場にいていいのか、すごく不安なんですが、皆さんが僕をいじって、かわいがってくださるので、楽しく参加できています。

――この「MOJO」は、イギリスのローレンス・オリヴィエ賞で最優秀コメディ賞を受賞したブラック・コメディということですが、横田さんは台本を読んで、どのような印象を受けました?

最初は、難しそうなお話だと思いました。でも一人一人の感情を考えたりしながら読むとまた印象が違って、読めば読むほどおもしろい作品だと感じました。

――横田さんが演じるのは、シルバージョニー役という、物語が動くきっかけになる役なんですよね。ネタバレにならない範囲で、どんな役なのか教えてください。

「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー_4

僕が演じるシルバージョニーは、クラブのスター役です。そんな彼が、誘拐されたことで周りの人たちが動揺し、波紋が広がっていく・・・という形でお話が進んでいきます。僕は、舞台上に登場する場面は少ないのですが、そのちょっとのシーンでどれだけ自分を見せられるかを、すごく考えています。

――最後の結末を知ってから観ると、また全然違った物語に見えそうですよね・・・。

僕も「この人は出てこない間何をしているんだろう?」とか、すごく考えちゃいますね。目に見えるお話の外にも、いろいろなことが起こっていると思うので、登場人物それぞれのバックボーンにも注目してもらいたいです。

――会話劇というのも、想像を膨らませる余地がたくさんありそうです。

そうですね。何気ない一言が意外な真実を導いたり・・・、このギャグはどういう意味なんだろう、というところもありますし。一人一人に感情移入して楽しめるのも、この作品のおもしろいところだと思います。
この作品は、コメディはコメディでも、ブラック・コメディなので、いわゆる日本の“おもしろい”という感覚とは違ったおもしろさも感じていただけると思います。このお話みたいなことが実際に起こったら、日本人は引いちゃうかもしれないですが、海外の方の感覚だったら、それをブラック・ジョークとして返せる。その強みが、おもしろいところだと思いますね。

――6人という少人数も、密度の濃いお芝居を見せていただけそうですね。冒頭のお話にもちらっと出ましたが、共演者の皆さんはどんな印象ですか?

稽古を傍で見させていただいて、勉強になることばかりです。日々テンポが早くなっていくことで、一人一人の味が出て、おもしろさが増していくんです。
僕、波岡さん(波岡一喜)のお芝居がすごく好きなんですよね。静かなシーン、何もないシーンでも、その空気感だけで成立してしまうのがすごいなって。波岡さんの表情を見ているだけで、いろんな感情が伝わってくるんです。
木村さん(木村了)は、毎回毎回アプローチを変えてくるんです。自分で試していく感じ。アイデアがすごいんです。自分だったら一つしか思い浮かばないようなことが、木村さんからはいくつも案が出てくる。そういうところを見習いたいです。

尾上さん(尾上寛之)は、台詞の量が半端ないんです。それなのに、稽古の最初から全部覚えているだけでなく、抑揚なんかも全部入っているんです。聞いていて、勝手に言葉が耳に入ってくるぐらい自然体でしゃべっているので、すごい技術だなと感動しています。
味方さん(味方良介)は、役柄がおバカな感じなんですが、普段の味方さんは真逆で頼れるお兄さんです。でも、芝居に入った瞬間キャラになりきっていて、見ていて「この人バカだな~」って見入ってしまいます。

TAKAHIROさんは、初めての主演舞台とは思えないくらい堂々としていらっしゃいます。しかも、その堂々としている姿がとてもかっこよくて。台本を、すごく読み込んでいるんだろうなと感じます。あと・・・単純に、EXILEさんが好きだったので(笑)。いつも、母親が運転する車でCDが流れていたので、その人が今目の前にいるよ!っていうのが、すごく嬉しいです(笑)。

「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー_2

――すごく刺激を受けられているのが伝わってきました。

僕はまだ、芝居経験があまりない方なので、経験豊富な方のお芝居を見ていると、こういうやり方があるんだなって・・・。台本を読んで、それぞれの役を「自分だったらどう演じるだろう?」とか考えたんですけど、皆さんは自分が思っていたことと真逆のことをやっていらっしゃったり、自分の思っていたことと似ているけど、台詞の間が全然違ったり。ちょっとした違いで、感情の見え方がこんなに変わるんだって、とても勉強になっています。

――先輩方から、何かアドバイスとかもらいました?

木村さんは、ジュノンボーイの先輩でもあるので「最初の頃、どうされてました?」って聞いたんです。そうしたら「俺も最初は全然できなかったよ」って教えてもらって。なんだか、すごく安心しました。台本の覚え方とかも、家で覚えるんじゃなくて、稽古場でなるべく覚えるようにしてメリハリをつけるとか、教えてもらって。皆さんからいろんなお話を聞けて、努力をしている方たちのすごさを痛感しました。自分はまだまだ努力不足なですが、こういう大きな舞台に立たせていただく機会をもらえてよかったなと思いました。

「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー_5

――青木豪さんの演出で、印象に残っていることはありますか?

感情に合わせて、動き方や距離感を細かくつけてくださるのが、すごくおもしろいなと感じています。「この瞬間に前に出て」とか「この感情の時はこっち回りにして」とか。距離で感情も変わるから、あえて離れる。離れている方が言いたいことを言えるとおっしゃっているのを聞いて、なるほど、と思いました。
それから、青木さんには「勉強不足だから、いろんなものを見ろ」ってDVDをたくさん貸していただいています。お借りしたものを見て、自分の視野の狭さを感じたと同時に、舞台としてお客様にどう見せるかという意識の大切さも理解できました。

――横田さんが、ブログ(2017年6月5日更新分)に「固定概念」のお話を書いていらっしゃるのが印象的でした。

僕、固定概念が強いんです。怒っているような台詞があったら、普通に声を荒げて言ってしまう。今回の役でも、声を荒げて言っている台詞があったんですが、青木さんに「それは声を低めて言ってみて」と言われたんです。それでシーンや役が成り立つのかな?と思ってやってみたら、逆にそっちの方が緊迫感のある張り詰めた空気感が出せたんですね。表面的な感情の出し方ではなく、多方面からアプローチすることで、どんどんリアルさが出せるんだと学びました。

――台本を拝見させていただいたのですが、「間」についての注釈が付けられていました。この「間」も、感情のリアルさを追求する上で、重要なものになりそうですね。

僕、こういう台本は初めて見たんですけど、「beat」と「pause」、2種類の「間」があるんです。「beat」は短い一瞬の間、「pause」は長くいい間。「何がどう違うんだろう?」と思っていたんですが、稽古を見ていて「こういうことか」と分かりました。「間」については、台本どおり、しっかり取っているんですね。ただその長さは1、2秒だったり、4秒だったりと、違いがあります。短い間と長い間で、これだけ感情が生まれて、観ていて引き込まれるんだなって。この作品は、そういうちょっとの「間」も楽しめる作品なんだと思います。

――お客様にも、その「間」の違いを感じてほしいところですね。

「間」って、そわそわしますよね。「間」が長ければ長いほど「どうしたんだ?どうしたんだ?」って(笑)。今、稽古している「間」の長さと、本番の「間」の長さが変わってくることもあるでしょうし。その時に生まれた感情がリアルな「間」になると思うので、僕も、本番がどうなるのか楽しみです。生のお芝居ならではですよね。

「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー_6

――お話を伺っていて、今、横田さんにとってすごく大きな変化の時を迎えられているのかなと感じました。ご自身として、大きな作品を経験されて役者として変わったところはありますか?

そうですね・・・、考え方が変わりました。今、自分の経験が浅いことを後悔してるというか、もっとやっておけばよかったと思う部分がたくさんあります。これまでは「役者として売れたい」とぼんやり思うだけで何もしてこなかったなと・・・。演技レッスンには行っていたんですが、ストイックさがなくて。オーディションに落ちても「あ、そうか」くらいにしか考えていなかったんです。

大きい舞台を経験させていただいたことで「なんでもっと、経験を積んでこなかったんだろう」と、できない自分が恥ずかしくて・・・。この作品の中でも、台本を読んでいて、分からないところがまだいっぱいあるんです。それって、自分の勉強不足でもある。自分がほんとに売れたいんだったら、もっとやらなきゃいけないことがたくさんあるって、今、すごく思っています。

――横田さんは、仮面ライダーになるという夢をお持ちですよね。

はい!絶対になります。

――役者さんを志したのも、仮面ライダーがきっかけだったんでしょうか。

そうですね。父が、仮面ライダーが好きで、日曜日になると一緒に観ていたんです。僕の父親、「ニュース」か「仮面ライダー」しか観ない人で。僕が大きくなるにつれて、一緒に観ることはなくなってきたんですけど、今でも父は仮面ライダーを観ています。
僕、今まで父親に褒められた経験があまりないんです。だから、褒められたいとか、よくやったって言われたいとか・・・親孝行ではないんですけど、喜んでもらえたらなという理由で、仮面ライダーになった姿を見せたいと思っています。

――今回のカンパニーにも、仮面ライダーのご経験者がいらっしゃいますね。

そうですね、波岡さんも、木村さんも、出演されていたのを観ていました。波岡さんが「今の年齢になっても出ることができた」っておっしゃっていて、いくつになっても、夢は叶えられるものなんだなって、改めて思いました。諦めないで、がんばり続けたいと思います!まずは「MOJO」を、全力でがんばります‼

「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー_3

――ぜひ、夢を叶えていただきたいです。最後に、公演を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

この舞台は、出演している方全員が、それぞれの登場人物に全力で取り組んでいます。もしかしたら、一回観ただけでは見えてこないものもあるかもしれません。何回も観られないかもしれないですが、ぜひ、何度も観ていただきたいと思う作品です。誰か一人に視点を絞って観たり、ちょっと引いた視点で全体を観たり、いろんな見方ができるおもしろさがあると思います。細かいところまで、楽しんでください!

「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー_公演ビジュアル

◆公演情報
「MOJO」
【原作】ジェズ・バターワース
【演出・上演台本】青木 豪
【出演】TAKAHIRO 波岡一喜 木村 了 尾上寛之 味方良介 横田龍儀
6月23日(金)〜7月14日(金) 東京・品川プリンスホテル クラブeX

「MOJO(モジョ)」横田龍儀インタビュー_プレゼント

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<応募期間>

2017年6月20日(火)~7月14日(金)まで

当選者には、エンタステージのTwitterアカウントよりDMにてご連絡を差し上げます。
※非公開アカウントからのご応募は、抽選対象外となりますのでご注意ください。

皆様のご参加をお待ちしております!

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この記事を書いた人

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