おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双(ふたつ)が、2017年6月21日(水)に開幕する。本作は、しりあがり寿の人気漫画を、川尻恵太(SUGARBOY)の作・演出で、舞台化した第2弾。今回、奇想天外な世界観がさらにディープになると聞き、弥次郎兵衛役の唐橋 充、喜多八役の藤原祐規、そして新たに加わる米原幸佑に話を聞いた。・・・でも、言えないことがありすぎる?!
――弥次喜多、続編ですね!今度はどんな話になるのでしょう・・・続編をやると聞いた時は、どう思われました?
唐橋:ふっきーさん(藤原)と同じ気持ちでした。マジか?!またやるのか?という。
藤原:ちょっと待って、俺まだ何にも言ってないよ(笑)。
唐橋:初演の時に、既に「ささる人には、ささる」と言われていたんですよね。原作では、さらに話が進むと、もっと文字通りディープな話になっていったので、続編というだけで「どこをどうやるの?」という、驚きとか疑いとか、そういう気持ちが湧きましたね。台本を読んでも、どうなるのかまったく想像がつかない・・・。(※インタビューは稽古に入る前に行われた)
――唐橋さんが同じ気持ちとおっしゃりましたが、藤原さんのお気持ちは・・・?
藤原:同じ気持ち、そうですね・・・(笑)。今回は「弥次喜多 in DEEP」のお話がメインになっているんですね。長瀬智也さんと中村七之助さんでやられた映画は、ちょっと「in DEEP」の内容も入っているようなところもあったので、あんな感じなのかな?と思っていたんですが、より一層ディープな感じだったので、初演の時以上に恐れおののきました。(原作の)無印の方の内容を扱っていた初演は、僕自身の過去の体験と照らし合わせて楽しめたシーンが結構あったのですが、今回は凡人の僕には到底理解できない、追いつかない・・・そんな気持ちです。
――米原さんは今回からの参加となりますが、元々原作はご存知でしたか?
米原:作品のタイトルは知っていたんですが、ちゃんと読んだことはなかったです。初演をやっている時にも、僕は別の作品に出演していたので、直接観ることはできなかったんですけど・・・その時から制作陣の人が「弥次喜多ヤバイ!」と言っているのを聞いていました。
唐橋:誰も台詞が入ってないとか?
藤原:直前まで台本持ってるとか?
米原:挑戦的なことをしている作品だと聞いてました(笑)。今回、唐橋さんとは初めて共演させていただくのですが、前々から知っていました。ふっきーは何回も一緒にやっているので、それこそよく知っている。このお二人がトップにいるならと思いましたし、(作・演出の)川尻さんも、結構気の触れた方なので(笑)。お二人を中心によりディープになっていくところに、飛び込んで楽しめたらと思っています。
――唐橋さんと米原さんは、意外にも初共演なんですよね。藤原さんは、お二人ともよくご存知だと思いますが、それぞれに紹介するとしたら、なんてご紹介されますか?
藤原:そうだなあ~・・・唐橋さんは、気が触れているというか・・・。
米原:ちょっと待って、川尻さんといい、唐橋さんといい、気が触れてる人しかいないじゃん(笑)!
藤原:(笑)。一言で言うと、演劇大好きおじさん。演劇だけじゃないな、お芝居が大好き。映像でも舞台でもイベントでも、ものすごく細かいところまでこだわりを持っているんです。他の人の100分の1の時間にまでこだわっている。だから、一緒にいてすごく勉強になる方です。・・・気が触れてますけど。
唐橋:(笑)!
藤原:幸ちゃん(米原)も、そういった意味ではぶっ飛んでるんですよ。
唐橋:何がぶっ飛んでる?
藤原:パワーが!・・・戦闘力を最大まで上げた時がヤバい。
米原:あはははははは(笑)。
唐橋:良い例え(笑)!
藤原:玉のような汗をかくんですよ。「そんなにやらんでも、成立するんちゃう?!」っていうところを超えてくる。初共演した時の役柄の印象でもあると思うんですけど、「なんやコイツ?!すごいな!」ってずっと思ってます。
米原:一緒にやったの、『マグダラなマリア』シリーズと『Club SLAZY』シリーズだもんね。それは両方ヤバいよね(笑)。
藤原:『マグダラなマリア』の時なんて、幸ちゃんは女の子役だったから、すごく濃いメイクをしていたんですけど、(本番中)袖にハケてくると「どうやってそのドーランを突破してきたの?!」って言いたくなるぐらいの汗をかいていて(笑)。
唐橋:それはすごいね(笑)。
――藤原さん的にはお二人ともヤバいんですね(笑)。そんな藤原さんを、お二人はどう思ってらっしゃるんですか?
米原:いや~、ストイックで、真面目ですよね。そして、上手。舞台に上がるまでのストイックさとか、僕にはない演技プランというか、僕にはできないようなお芝居のツッコミとかを持っているので。一緒にやっていて、おもしろい方ですね。ずっと芯のぶれないその姿勢が、すごいなと思っています。
唐橋:僕は~・・・例えば、勝手にキャスティングしていいって言われたら、まず真っ先に頭に思い浮かぶ人です。先頭にも立てるし、しんがりもしっかり務められる。全部任せられるんですよ。すごく堅実でストイックな芝居の作り方をしつつも、枠や殻を破ってどこまでいけるんだろうって試していくので、とにかく・・・すごい(笑)!やったことも「そうきますか!」という形で返してくれるので、可能性をどんどん膨らませられるんです。
だから一緒にしてすごく楽しい作り方をできる方ですね。
あと・・・、死ぬ時に思い出す俳優の一人ですね。「あ~、ふっきーさん・・・!」って。
藤原:も~、よく分かんない~!嬉しい話だったのに、なんか悲しい気持ちになりました(笑)。
――いいお話を聞かせていただきました(笑)。今回、他の共演者の方も初登場の方が多いんですよね。
米原:前回も出ていらっしゃったのは?
藤原:えーとね、W松本(松本寛也さん、松本祐一さん)、岡田あがささん、田代哲哉くんかな。
――今回お話を伺うにあたり、台本を拝見させていただいたんですが・・・。
唐橋:読んじゃいましたか!
藤原:どうでした?
――・・・まったく分かりませんでした(笑)。
唐橋:そうですよね~(笑)!
藤原:それが正常だと思います(笑)。
――中心になるのは「糊の里」をはじめとしたいくつかのエピソードなんですよね。
藤原:(原作を手にしながら)これ、どうやってやるんだろう・・・ちょっとホラーっぽいところもあるんだけど。
唐橋:おんてぃーびーでやったものもあるよね。
米原:チラシ見ても、全然分かりませんよね。お二人以外洋服着てるし。まず、役関係ないですからね(笑)。
藤原:ここから何も推測できない(笑)。
唐橋:僕らもこうなると思って撮ってないですからね!ただ「伝えたいのはこういうことなんじゃないの?」っていうのが、とても上手に表現されているよね。この「おん・すてーじ」は、着物でマゲを結って、ということじゃないよっていう。
藤原:なるほどね。ただ、初演の台本は読んだらまだちょっとは分かる感じだったんですよ。だから、今回はより上をいくなと、台本を読んだだけで分かる・・・。
唐橋:今回は、台本も川尻さんが書かれているからね。もちろん、原作を元に本に起こしていらっしゃるんですけど。前回は演出だけだったので、「これはこういう意味かな?」って、川尻さんと僕らで一緒に悩みながら作っていったんです。でも、今回は川尻さんの頭の中に全部答えがあるから。ただの第二弾っていうことじゃなくて、更地の状態から始まるような気がしています。
――米原さんは、今回の台本、初演の映像含めて、どんな印象を持たれましたか?
米原:まず、スピード感があるなと思いましたね。
唐橋:飛ばし見したんじゃない(笑)?
米原:違いますよ(笑)。あとね、僕、狂ってるの嫌いじゃないみたいです。
藤原:それは良かった。
米原:一人何役も兼ねるのとかも、おもしろいですよね。僕も、今年そういうことをやる作品が多くて。いろんな役ができるのは楽しいなって思ってます。
唐橋:今回も、すごいヤツやるんだよね・・・。
米原:そうなんですよ・・・。
藤原:いや~、これはヤバい(笑)。
米原:ね!めっちゃ出番あるもん。何の役をやるのかはまだ言えませんが・・・、一番最後に出てくる役が特に言えない。でも僕はそれがメインだと思っているので、ぜひ、それを観に来てほしいです(笑)。人生で、そんな役できることないと思う役なので。
唐橋:役者ってすごいね。そんな可能性があるんだね。
藤原:しかも、唐橋さんとつながりのある役だもんね。言えないけど。
(二人を見て)・・・全っ然、つながりが分かんない(笑)。
唐橋・米原:(爆笑)!!
藤原:つながってるって無理があるんじゃない?っていう、この二人がやることに、すでにおもしろさがあると思う(笑)。
唐橋:どうやるんだろうね、映像でテロップ出すくらいしか、伝える方法が分かんないもん。これこそ、演劇だからこそ成立することなのかなって思います。
藤原:いくつかのエピソードが出てきますけど、全部ほんとにディープ。川尻さんも至るところでおっしゃっていましたが、「刺さる人にはものすごく刺さる」ディープさ、怖さがあるんですよね。それを舞台上で、表現としてどう成立させるかは、とっても難しい。
――配役の決まっていない「ヒサオ」と「アケミ」というオリジナルキャラクターも出てくるんですね・・・。
米原:これ、なんですか?
唐橋:分っかんない(笑)!配役決まってないって、要するに空いてる人全員やる可能性があるってことでしょ?
藤原:出てくる度に、やってる人が変わるってことだよね(笑)。
唐橋:前回も、そんな感じだったんですよ。影ナレって言って、皆袖で声を出してたりして。
――今回も、観てびっくりしそうな作品になる予感しかしませんね。
唐橋:多分、川尻さんのことだからそれぞれのエピソードをしっかりつなげてくれるだろうから、観終わったあとに、お客さんたちは変な“トリップ状態”になるんじゃないかな。
藤原:合法ドラッグですね(笑)。
米原:喜多さんだけに(笑)。
唐橋:いつも思うんだけど、このお芝居と出会って演劇を始めたり、役者じゃなくても作り手になりたいと思われる方が、もしかしたらいるかもしれない。「この舞台ほど可能性があるものはない」って、初演の時に思ったので、それを伝えたいな。名前だけでも覚えて帰ってくださいって。
――本番、どうなるのか楽しみにしております。最後に、お客様へメッセージをお願いいたします。
米原:まだ言えないことが多いですが、集まったキャストさんや、川尻さんをはじめとするスタッフの皆さん、チーム構成からすでに、これが混ざり合っておもしろくないわけがない、という感じになっているんです。原作を知らない方も、元々好きな方も、期待だけして、ぜひ劇場に“トリップ”しに来てください。
藤原:前作は、なんだかんだ言ってしりあがり寿先生の原作を、ちょっと分かりやすく、敷居を下げた感じにしたところがあったと思います。今回、台本を読んでこれだけ分からないということは、川尻さんは今回、分かりやすくするつもりはないんじゃないかなって思います。だからなお「刺さる人には刺さる」でしょうし、「刺さらない人にはごめんなさい!」くらいのつもりで、やっていくことになると思います。そういった意味では、挑戦ですし、楽しいかどうかは人によるかもしれませんけど、その挑戦を観に来て欲しいです。・・・圧倒できればいいですね。分からないけれど、すごい!って。
唐橋:僕、前作の上演がちょうど年明け(2016年1月)だったので、松本寛也くんと一緒に、年末に六本木でチラシ配りをやってみたんです。一人でも多くの方に来てもらいたいと思って。そうしたら、受け取ってくれた方の中に、原作のファンの方がいらして「何これ!」って興味を持ってくれて、劇場にも何人かお越しくださったんです。さらに、私事なんですが2月にやった個展(「Mono Klowの庭」~僕の庭には、影と色とがひとつずつ~)にも来てくださった方がいて、その方が「双、楽しみにしています」と声をかけてくださったんですね。それが本当にすごく嬉しくて。
サブカルチャーのはしり、草分けとも言える作品であり、とんでもない力を持った原作なので。そんな作品の裾野の広がりにあやかって、今回も成功させたいと思います。本日はありがとうございました!
藤原:綺麗に締めましたね~(笑)。
米原:これ以上ないぐらい!
唐橋:でも最後、ちょっと落としどころが分からなくなっちゃった(笑)。
◆公演情報
おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双(ふたつ)
6月21日(水)~6月25日(日) 東京・全労済ホール/スペース・ゼロ
【出演】
唐橋 充、藤原祐規、愛原実花/松本寛也、岡田あがさ、松本祐一、古谷大和、足立英昭、石田 隼、田代哲也、福井翔太/加藤良輔、米原幸佑
【特別企画】直筆サイン入りチェキをプレゼント!
おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双に出演する唐橋 充さん、藤原祐規さん、米原幸佑さんさんから、直筆サイン入りチェキをいただきました。こちらを、抽選で1名様にプレゼントいたします。
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2017年6月15日(木)~6月25日(日)まで
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(C)しりあがり寿/2017おんすて弥次喜多
(撮影/エンタステージ編集部)