「フラは人生であり、初恋であり、最後の恋」世界最高峰のフラダンス大会を制したケイリー・カイウラニ・カー来日!

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フラダンサーの憧れである『メリー・モナーク・フェスティバル』。フラダンス最高峰の祭典であるこの大会で2016年に優勝し、“ミス・アロハ・フラ”に選ばれたケイリー・カイウラニ・カーが、9月に東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催される『フェスティバル ナ・ヒヴァヒヴァ・ハワイ 2016』で踊る。公演に先立ち来日した彼女に、フラへの情熱とその魅力を伺った。

ケイリー・カイウラニ・カー

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目次

“ミス・アロハ・フラ”まで15年の道のり

――優勝おめでとうございます!WEBサイトで映像を見ました。とても素敵でした。

ありがとうございます!最高の褒め言葉です。

――2種類のフラを踊られていましたが、それぞれまったく雰囲気が違いますね。

“カヒコ(古典フラ)”と“アウアナ(現代フラ)”ですね。どちらもフラですが、伝統的なものとクリエイティブなものとで魅力が違いますね。

――どちらがお好きですか?

カヒコ!カヒコはとても伝統的で神聖なフラなんです。昔から伝承されていることをこの先にも伝えていくことはとてもやりがいがありますね。『メリー・モナーク・フェスティバル』では、それまで演じられたことのないカヒコの演目を踊ったので、とても貴重な時間でした。もちろんアウアナも好きですよ!アウアナは近代の新しい曲に合わせて踊るフラなので、すごく楽しいんです。

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――それぞれの魅力はどんなところですか?

カヒコは、踊り手が歴史を司っているんです。自分達の文化や歴史を、言葉と踊りを通して伝承していくためのフラなので、歴史を伝える役割を果たすことがとても重要なんです。そのなかで自分達のルーツを勉強し、守っていくという行為がとても美しいと思います。一方アウアナは、よりクリエイティブに新しいことを自由に表現していきます。もちろんクム(先生)は伝統を重んじることもあります。けれどアウアナには、自分の殻を破って新しいことを表現していく美しさがあると思います。

――ケイリーさんがフラを始めたきっかけはなんですか?

母親がフラを踊っていたんです。小さい頃ってママが大好きでしょう?「私もママみたいになりたい!」と言って、6歳の頃、母と同じフラのクラスに通い始めたんです。でも当時はフラダンサーになろうなんて思っていませんでした。バレリーナになりたかったんですよ。だからフラだけでなく、バレエとタップダンスを習っていました。

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――それがなぜ、フラのプロになろうと?

2001年、11歳の時に、初めて『メリー・モナーク・フェスティバル』を見たんです!その時に“ミス・アロハ・フラ”になったのがナターシャ・オダさん。彼女のパフォーマンスが大きなきっかけでした。トカゲのダンスのようなものをテーマにしたフラを踊っていたのですが、本当に人には見えなかったんです。ストーリーの中に出てくる妖精のような、あるいは霊魂のようなものに見えて、「わぁ!」と感動しました。その時に、私も踊りのパフォーマンスを見せるだけじゃなく、お客さんをどこか違う世界に連れて行けるようになりたいという思いが大きく膨らんだんです。それから他のダンスはすべて辞めて、フラだけを踊るようになりました。あれから15年・・・・・・長い旅だったけれど、こうやって“ミス・アロハ・フラ”として来日でき、夢が叶いました。

――とても努力されたと思います。フラを踊るために日課にしていることはありますか?

フラの基礎練習はもちろん、よく走っています。ランニングが好きだというのもありますが、走ることで呼吸法も身につくし、フラに役立ちます。ただ、フラはとても膝を使うダンスなのに私は膝が悪いんです。なので、膝を癒すようなストレッチも取り入れています。

――実際に踊る時は、何を意識しているんですか?

曲の中にあるストーリーをきちんと皆さんに伝えることを大切にしています。ハワイ語の歌詞の意味を自分の体で表現するためにも、言葉をちゃんと勉強して、意味を理解してからパフォーマンスをするようにしています。

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――日本でハワイ語がわかる方は少ないですが、どのように伝えるのですか?

そのために必要なものが、表現力です。私達踊り手にはストーリーテラーとして、今どういうストーリーなのかを観客に伝えるという役割があります。そのために、踊る時の表情やしぐさなどの表現力を高め、さらに音楽が加わることで、言葉がわからない方にも物語を理解していただけるのだと思います。とくに音楽は人の心を動かすので、聞いているだけで私もよく泣きそうになるんですよ。踊りを見ている時に、自分の気持ちと音楽とパフォーマンスの結びつきを感じられると、言葉を越えて理解できるんでしょうね。私もそんな表現ができたらいいなと思っています。

日本はとてもフラが盛んな国

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――6月にも日本で公演されていますが、初来日の感想は?

“ミス・アロハ・フラ”になって初めての海外公演が日本だったのですが、まず最初に驚いたのは、初対面の挨拶の時にお辞儀することでした。ハワイだと、ハグしたりほっぺにキスしたりするので、「初めまして!」とハグをしようとすると相手はお辞儀をしているんです。逆に、それに合わせて私がお辞儀をすると、ハワイに慣れていらっしゃる日本の方がハグしてくれようとしていたり・・・・・・そんなふうに挨拶のタイミングがズレることが多くて、思わず笑っちゃいました。

あと、地震が多くて地面が揺れることに驚いています。ハワイには活火山があるけれど地震は少ないので、1回しか地震を経験したことがなかったんです。日本滞在の短期間の間で何度も揺れたので、すごくびっくりしました。

――外国に来てみて、初めて実感することも多いですよね。日本での公演やフラファンの方との交流はいかがでしたか?

すごく楽しかったです!日本の方はフラが大好きで、とても熱くフラを応援してくださる方が多いので、そんな熱心な方達の前でパフォーマンスができて幸せでした。子供達もフラが上手だし可愛いし、感動しました。日本の方がフラを愛してくれるのと同じくらい、ハワイの人も熱心に応援してくれればいいな・・・・・・なんて思うほどでした(笑)。

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――ハワイではフラが身近なのかと思っていましたが、違うのでしょうか?

よく言われるのですが、実はそうでもないんです・・・・・・。私は家族がフラを踊っていたのでフラと縁が深かったですが、ハワイ島にもいろいろな方が住んでいるので、どんな過程で育ったかによってまったく違うと思います。私もそうですが、ハーラウ(フラの教室)が地元になくて、遠くまで習いに通っている方もとてもたくさんいました。

――それは意外でした・・・。

日本はとてもフラが盛んな国ですよ。今度メキシコでも踊るのですが、日本とメキシコはフラが盛んな国トップ2なんです。いろんな国の方々の前で踊れることはとても楽しみです。“ミス・アロハ・フラ”になったことで、大好きなフラを海外で踊る機会をたくさんいただき、本当に恵まれているなと思います。

――ほかに行ってみたい国はありますか?

ええと・・・・・・沖縄?

――沖縄は日本ですよ(笑)。

そうなんですね!魅力的な場所だと聞いたので、すごく行ってみたいんですよ。沖縄に伝統的なダンスがあれば踊ってみたいですね。

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――エイサーですね。フラと他のダンスで交流するのも面白そうですね。

ええ。体を動かすことが好きなので、いろんなダンスを踊ってみたいです。日本の扇子を使ったダンス(日舞)もとても綺麗なので、いつかやってみたいですね。あと、父がアイルランド人なので、いつかアイリッシュダンスも踊ってみたいです。

――夢が広がりますね。今後の目標などはありますか?

ゆくゆくは仲間を集めて自分の団体を立ち上げ、各地でショーをしたいと思っています。フラのプロになるまではニュースキャスターになりたくて、放送ジャーナリズムを専攻していたんです。けれど、プロになって“ミス・アロハ・フラ”に選んでいただいて、気持ちに変化がありました。いずれは自分のカンパニーを作っていろんなところで踊りながら、キャスターとしても両立できればいいですね。人前に立って伝えるということは、どちらにも共通することだと思いますから。

――パフォーマンスをすることがお好きなんですね。そんなケイリーさんにとって、フラとは?

人生であり、初恋であり、とても大切なものであり、最後の恋でもあります。いつもフラを楽しんで応援してくれる方々に感謝しながら踊っています。9月の日本公演も、もう待ちきれない思いです。みなさん、ぜひ会場でお会いしましょうね。

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◆ケイリー・カイウラニ・カー プロフィール
6歳の頃からフラを習い始め、18歳でプロのフラダンサーとなる。2016年3月、フラダンス最高峰の舞台『メリー・モナーク・フェスティバル』のミス・アロハ・フラ部門にて優勝し、“ミス・アロハ・フラ”に選ばれた。

◆公演情報
『フェスティバル ナ・ヒヴァヒヴァ・ハワイ 2016
~メリー・モナーク・フェスティバルとナ・ホク・ハノハノがやってくる!』

9月17日(土)~9月19日(月・祝) 東京・TOKYO DOME CITY HALL

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この記事を書いた人

高知出身。大学の演劇コースを卒業後、雑誌編集者・インタビューライター・シナリオライターとして活動。

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