2015年に発売された乙女ゲーム「黒蝶のサイケデリカ」を原作とした、舞台『黒蝶のサイケデリカ THE STAGE』が2016年8月3日(水)より東京・紀伊國屋ホールにて上演される。原作は、「ラブサスペンスストーリー」という異色要素を持つ乙女ゲームで、今回が初の舞台化。主演を務める山田ジェームス武は、本作が自身初の主演作品となる。そんな山田に、作品への意気込みや初主演への想いなどを聞いた。
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――この作品が舞台初主演となりますが、出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。
主演という形での舞台出演が初めてになるので、最初は「僕でいいのかな・・・」って思ったのが正直な気持ちでした。僕、原作のある2.5次元作品への出演経験というのが、4月に出演していた舞台(「黒子のバスケ」THE ENCOUNTER、以下「黒子のバスケ」)が初めてだったんです。そういう状態で主演のオファーを頂いたので、驚きの方が大きくて。実際に頂いた役も「俺でいいのかな?!」という意外な役だったので、少し不安も感じていましたね。
――キャラクターを演じる上で、これまでの演じ方との違いは感じられましたか?
僕はどちらかというと、キャラクターを自分が演じる意義をうまく出したいと思っているんです。原作のあるキャラクターは、すでに漫画やアニメで命を吹き込まれているものだと思うんですけど、やっぱり僕ら役者がお芝居としてやる上で、もっと深く、皆さんが思い描いているキャラクターの内面を見せたりできると思ったんですよね。『黒子のバスケ』で演じた高尾(和成)はお調子者で、コミュ力のすごく高いキャラクターではあったんですけど、心の中では他の選手に対するライバル心とか、漫画やアニメではあまり見えてこない部分も演じようと思って芝居を作っていったんです。
――今回演じる緋影という役については、どのように捉えられていますか?
緋影はすごくクールで大人びていて、リーダーシップもしっかり取っていくような印象なんですけど、ふと「素」が出る瞬間に垣間見えるかわいらしさとか緩みに、人間味がすごく感じられるキャラクターだなと思いました。今回演じさせていただく時も、クールな要素は根本に持ちつつ、それがゲームのキャラクターとしてではなく、実際に生きている人間としての「素」や「味」を伝えられるような役作りをしたいなと思っています。ただ僕が・・・実際クールでもないし、大人びてもいないので(笑)。「黒子のバスケ」の時は、かなり自分に近い役を演じていたんですけど。なので、まずそこの根本から作っていかないといけないんです(笑)。
――これまでとは違った山田さんの一面を見ることができそうですね(笑)。
そうですね(笑)。でも、張りつめていたものが緩む瞬間とかは、分かるなって思っています。強がっている中に出た「逃げ」というか、「甘え」が出たりする部分。そういう一番の本音にあるのは、彼の持つ優しさなんだと思うんですよ。悲しい想いを抱えていたりもするんですが、それを隠すために・・・。たぶん無意識に、大人ぶってるところや取り繕っている部分がたくさんあると思うので。僕にとって一番理解できる素の部分から(役を)作っていって、クールな部分を取り繕っていこうかなって思ってます(笑)。そうやって、2次元のキャラクターを3次元として、自分としても新しいものを見せていきたいです。
――今回の共演者の方で、これまでご一緒された方はいらっしゃいますか?
阿部(快征)くんとは、「黒子のバスケ」に続いての共演になります。「またお前と一緒か~(笑)」って言われました。すごく人なつっこいヤツなんですよ(笑)。他の皆さんとは初めてご一緒しますね。
――原作のゲームはプレイされましたか?
今、少しずつやり始めたところなんですよ~!
――実際にやってみて、いかがですか?
いや~、おもしろいっすね!!(力説)
すごくサスペンス要素が強いので、ただの乙女ゲームじゃないな!っていうのが、率直な感想です。僕、実は恋愛シミュレーションゲームが好きで結構やるんですよ。
――そうなんですか!
「金色のコルダ」とか、「ときめきメモリアル」とか、高校生の頃にやってました。
最近だと、「ラブプラス」とかも。結構いろいろやってるんですよ(笑)。だから、今までプレイしてきたゲームのイメージが強かったので、この作品も「変わったタイトルだな~」と思いながらも、同じような感じなのかなと思っていたんですけど、全然違いましたね・・・。
表現としての過激さとか、RPG要素とか、ストーリーもサスペンス要素が盛り込まれていて。おもしろい要素がたくさん詰め込まれた作品だったので、今、楽しみながら少しずつ進めています。
――ちなみに、サスペンスはお好きですか?
大好きなんです!ストーリーについては、観ていただいてのお楽しみなんですが、ドラマとか映画にもなりそうな内容だと感じましたね。僕的にも一番好きな展開をする物語なので・・・。やり進めていくうちに、ますますただの乙女ゲームじゃないぞと(笑)!
――乙女ゲームもいろいろと舞台化されていますが、これはまた新しいものになりそうですね。
これだけしっかりとしたストーリーのある作品だから、乙女ゲームの舞台としてだけでなく、ストレートプレイの舞台のようにも見せられるのかなって思ってます。お話として綺麗過ぎないというか・・・すごく人間味のあるドラマとして描かれているので、これが舞台になると男女問わず楽しめる作品になるんじゃないかなと思いましたね。
――乙女ゲームが原作の舞台をご覧になったことはありますか?
友達の鮎川太陽くんが出ていた『遙かなる時空の中で6』を観に行きましたね。ストーリーもしっかりしていましたし、乙女ゲームの要素も盛り込まれていて、楽しんで観させていただきました。『黒蝶のサイケデリカ THE STAGE』も、乙女ゲームの要素がひょいっとどこか出てきて、キュンキュンさせるんでしょうね・・・!それをどう表現するのか、僕自身も楽しみにしています。
――この作品では、アクションもありそうですよね。
まだ分からないんですけど、僕もあるのかな・・・?と思ってます。映像作品では少しやったことがあるんですけど、舞台での手の込んだアクションはまだ経験がないので、そわそわしてます(笑)。
――山田さんは身体能力が素晴らしいので、楽しみです。
いやぁ~、スポーツはいけるんですけど・・・アクションってなるとどうなんだろう(笑)。
初挑戦なので、すごく勉強になるなって思ってます。みんなの力を借りて、がんばりたいと思います!
――それでは、最後に作品を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
この作品の独特な世界観をしっかり作り込んで、見せられるようにしたいです。ビジュアルや衣裳も、細部までこだわりがたくさん感じられると思います。作品自体が本当にいいものだと思うので、舞台の上の景色に力を借りながら、僕らのお芝居で物語としてしっかり届けられるよう、がんばります。
僕自身、初座長、初アクションなど、初めてのことが多い中でやらせていただくことになりますが、共演者の皆さん、スタッフの皆さんと一緒に、いいものを作りたいです。僕が座長というよりは、みんなが座長、みたいな気持ちで。お互いを高め合って作品を作り上げて、それを観た方が、舞台だけでなく「黒蝶のサイケデリカ」という作品自体を好きになってもらえたらいいなと思っています!
◇公演情報◇
『黒蝶のサイケデリカ THE STAGE』
2016年8月3日(水)~8月7日(日) 東京・紀伊國屋ホール
◇プロフィール◇
山田ジェームス武(やまだジェームスたけし)
1990年5月7日生まれ、千葉県出身。モデル、ブランドデザイナーとしても活躍。2013年、映画『新大久保物語』(藤原健一監督)にてデビュー。主な出演作は、TVドラマ『地獄先生ぬ~べ~』(日本テレビ、2014)黒木雄一郎役、映画『セブンデイズ MONDAY→THURSDAY』 『セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY』主演(横井健司監督、2015)、舞台「黒子のバスケ」THE ENCOUNTER 高尾和成役(中屋敷法仁演出、2016)など。
撮影:エンタステージ編集部 ※無断転載禁止※