ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』海宝直人と矢崎広にインタビュー!「実は僕たち、10年前に出会っていたんです」

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2005年にブロードウェイで開幕し、トニー賞・最優秀ミュージカル賞を始め、グラミー賞、ローレンス・オリヴィエ賞など全世界で57部門もの賞を獲得したミュージカル『ジャージー・ボーイズ』。伝説の舞台が2016年夏、いよいよ日本で開幕する!

ニュージャージー州の貧しい片田舎で出会った若者たちが、コーラスグループ「ザ・フォー・シーズンズ」としてデビューし、華やかな音楽業界で経験した栄光と挫折とは――。

本作でグループ最年少でありながら、ビジネスの面でもチームを牽引するボブ・ゴーディオを演じる海宝直人(WHITE)と矢崎広(RED)に話を聞いた。

『ジャージー・ボーイズ』海宝直人&矢崎広インタビュー

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目次

第一印象は「可愛い少年」VS「自然体の人」!?

――『ジャージー・ボーイズ』プロモーション映像を拝見したのですが、すでにREDとWHITEの個性の違いが出ていてとても興味深かったです。実際に撮影に参加なさっていかがでしたか?

海宝・矢崎(互いに顔を見合わせる)

矢崎:実は海宝君とこうしてちゃんと話すのって今日が初めてなんですよ(笑)。だからまだ互いのペースが掴めていないところもありますが、同じ役を演じるということでこれからどんどん仲を深めていけたらいいな、と思っています。

海宝:以前からお互いのことを知ってはいたんですが、作品や役について深く話すのは今日が初めてなんです(笑)。

矢崎:正直、PVの撮影の時は「いよいよ“ジャージー・ボーイズ”が始まるんだ!」という緊張で、周囲の状況も良く覚えていないんです(笑)・・・REDはお客さまを入れての撮影でしたし。後で映像を見返して「わあ、こんな風になってるんだ!」って興奮しました。

海宝:僕も緊張しましたね。事前に譜面や振付の映像はいただいていましたが、4人で衣装を着て合わせるのはあの時が初めてで。でもアッキー(中川晃教)さんが仰っていた通り、WHITEは和気あいあいとしたムードで撮影が進んで、楽しかったですよ。

『ジャージー・ボーイズ』海宝直人&矢崎広インタビュー_2

――「ザ・フォー・シーズンズ」の中で、お二人が演じるボブ・ゴーディオは一番年下であるにもかかわらず、実は一番いろいろなことが見えている人という印象です。

海宝:確かにそうですね。アーティストでありながら、優秀なビジネスマンとしての面も持ち、その相反するかもしれない二つの顔をちゃんと使い分けている人・・・という気がします。これから台本の最終稿をいただいて、ボブという人物の核や芯になる部分と向き合っていくことになるんでしょうね。

矢崎:以前東宝作品で出演させていただいた『サ・ビ・タ』も少人数のミュージカルでしたが、今回は曲数も多いですし、トライすることも沢山出て来ると思っています。まずはあの赤いスーツを完璧に着こなせるようにならないと(笑)。

――お二人とも、あの時代のスーツ、お似合いです!先ほど、以前も面識がおありになるというお話が出ましたが、その時のお互いの第一印象が気になります。

矢崎:あれは・・・10年位前でしたか・・・初めて海宝君に会った時は「可愛い少年だな」って思いました(笑)・・・当時はいくつかの現場で何となく顔を合わせているだけだったんですけど。最近の海宝君を見ていると「ミュージカルの王道」っていうド真ん中の道を華麗に歩いているプレイヤーという印象です。WHITEのPVを見た時も素直に「凄いな!」って思いました。年齢は海宝君の方が少し下なんですけど、尊敬する部分も多くありますし、Wキャストということで、刺激を貰いながら、もっといろいろな面を知っていきたいですね。

海宝:初めて会った時はお互い学生服でしたよね(笑)。あの頃、矢崎さんを拝見する度に「とても素敵な芝居をする人だな」と思っていました。

矢崎:・・・お互い、あの頃を知ってるんだよなあ・・・(しみじみ呟く)

海宝:矢崎さんの芝居は構えることも作ることもなくいつも自然体で・・・またその姿がすごく魅力的なんです。そういう思いで拝見していましたので、今でも当時の印象は強烈に残っていますね。今回、Wキャストとして同じ作品に一緒に関わっていけるのがとても楽しみです。

『ジャージー・ボーイズ』海宝直人&矢崎広インタビュー_3

――演出の藤田(俊太郎)さんとはもういろいろお話になりましたか?

海宝:この作品に関してはこれから稽古ということもあり、まだそんなにお話できていないんです。

矢崎:それなのにいろんな情報が溢れてくる方ですよね。

海宝:『ジャージー・ボーイズ』製作発表の時にも、海外版とは違う作品にしたいとおっしゃっていましたが、これまでの演出作品を拝見しても、パッションとエネルギーに満ちている方だな、と思います。

矢崎:これは僕の一方的な感覚かもしれないんですけど、最初にお会いした瞬間に「あ、信じられる人だ」って直感があったんです。藤田さんがお持ちの雰囲気もあると思うんですが、安心して身を任せて、一緒に作品を作っていける方なんじゃないかと。

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『ジャージー・ボーイズ』海宝直人&矢崎広インタビュー_7

――映画ではニックがボブのことを「いつも先ばかり見て目の前の現実を見ない男・・・それがボブだ」と評していますが、この点に関してはいかがでしょうか。

海宝:ボブは4人の中でもちょっと異質な存在だと思うんです。特にビジネスに関しては、仲間だからと言って容赦しないところもあって。ボブのアーティストとしての顔と、ビジネスマンとしての面を両方出していければ彼の姿が浮かび上がって来るんじゃないかと思います。

矢崎:ボブ・ゴーディオさんは実在の方で、現在も音楽業界で活躍なさっていますので、そういう意味では架空のキャラクターに比べて情報量が多いな、とは思いますね。本当は彼が行った場所や見た風景、スタジオにも訪れてその空気を感じてみたいんですが、今回は距離があり過ぎて(笑)。

――ここでちょっとご共演の方たちについても伺わせて下さい。矢崎さんはREDチームでご出演ですが、共演経験があるのはどなたでしょう?

矢崎:マサ君(藤岡正明)ですね。昨年ミュージカル『タイタニック』でご一緒しました。WHITEでもマサ君(中河内雅貴)とシアタークリエの『ドッグファイト』で共演しています・・・マサ君繋がりですね(笑)。アッキーさんとは初めでですが、ずっと憧れていた方なので、同じ舞台に立てるのがすごく嬉しいです!

REDは吉原さんを含め、全員が群れない人たちという印象です。メンバーが集まった時に「ああ、群れないオオカミが集まることもあるんだな」って思いました。

『ジャージー・ボーイズ』海宝直人&矢崎広インタビュー_5

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――海宝さんはWHITEチームでご出演です。

海宝:僕は(福井)晶一さんとアッキーさんとご一緒させていただいたことがあります。中河内さんとは初めてですね。WHITEは和気あいあいとした雰囲気が既に出来ていて、良いムードだと思うのですが、実はとても個性豊かなプレイヤーが集まっている気もします。もしかしたら、稽古中はぶつかることもあるかもしれませんが、その中でどんな化学反応が起こるのか・・・楽しみです。

昨年の『レ・ミゼラブル』の前に、小さい頃、子役として出演した『美女と野獣』で晶一さんと、REDの吉原さんとは『ライオンキング』でそれぞれご一緒させていただきました。そのお二方と、今回こういう形で共演させていただくことになってドキドキしています!

――お二人それぞれに伺いたいのですが、ご自身にとってターニングポイントとなった役や作品って何でしょう?

矢崎:ここ1、2年で関わらせていただいた作品に関しては全てがターニングポイントだと思っています。というのも、新しい作品に入るたびに自分の考えが変わっていくんですよ。演劇に対してAだと思っていたことが1つの作品が終わるとBに変化していて、また次の作品が終わるとそれがCになっていて・・・で、また次の現場が終わるといつの間にかAに戻っていたり・・・ここ最近はそれの繰り返しなんです。ご一緒する先輩方と話をしても、皆さん僕の悩みや迷いをきちんと聞いてくださって感謝しています。そういう意味でもこの1、2年は恵まれた現場に参加させていただいていると思います・・・自分の中でいろいろなことがメキメキメキメキ音を立てて変わっていくんですよね。この『ジャージー・ボーイズ』も僕にとってそういう作品になると確信しています。

海宝:僕は『レ・ミゼラブル』のマリウス役をやらせていただいたことが大きなターニングポイントです。舞台に立ってソロナンバーを歌い、物語の重要なパートを担う部分を演じるというのは自分がずっと目指してきたことでしたし。『レミゼ』は子どものころから憧れてきた大切な作品ということもあり、大舞台でマリウスをやらせていただいたことは本当に大切な経験になりました。マリウスの後に演じる機会をいただいた『アラジン』もそうですし、『ライオンキング』のシンバも・・・そういう意味では僕にとってのこの1年は激動と言ってもいいかもしれません。

『ジャージー・ボーイズ』海宝直人&矢崎広インタビュー_4

――ありがとうございます!では最後に、お互いの“ここが羨ましい!”というポイントを教えてください。

矢崎:そんなの・・・全部ですよ!歌って踊れて・・・本当に羨ましいです。自分は何で海宝君みたいな道を歩んでこなかったんだろう(笑)。さっき、彼が僕のことを“自然体”と言ってくれたんですけど、当時は・・・自然体過ぎましたから(笑)。でも、今回ご縁があって同じ役をやらせていただくという、当時は思ってもいなかったことが実現した訳ですから・・・頑張ります!

海宝:とにかく矢崎さんの芝居が好きなので、その“自然体”なモードが羨ましいです!ストレートプレイでのご活躍も凄いと思いますし、それは演技力がないと成立しないことですから。今回の『ジャージー・ボーイズ』でもたくさん学ばせて頂くことがあると思っています!

『ジャージー・ボーイズ』海宝直人&矢崎広インタビュー_8

実は10年前にいくつかの現場で出会っていたという海宝直人と矢崎広。そのふたりが本作『ジャージー・ボーイズ』ではWキャストとしてそれぞれの“ボブ・ゴーディオ”を演じる。

子役としてスタートし『レ・ミゼラブル』のマリウス、『アラジン』のタイトルロール、『ライオンキング』のシンバと、ここ最近の飛躍が目覚ましい海宝と、主にストレートプレイの舞台で活躍し、その演技力と存在感が高く評価されている矢崎。

取材では互いの距離感をはかりながら、言葉を選んで丁寧に語ってくれたふたりが、REDとWHITE、2つのチームでどんな“色”を見せてくれるのか・・・今から楽しみでならない。

◆ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』
2016年7月1日(金)~7月31日(日)シアタークリエ(東京・日比谷)
※プレビュー公演 2016年6月29日(水)~6月30日(木)

◆『生中継!第70回トニー賞授賞式』
6月13日(月)午前8時~(同時通訳)WOWOWプライム
『ジャージー・ボーイズ』カンパニーが番組内でパフォーマンスを披露!

(撮影/高橋将志)

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