柚希礼音の25th Anniversary『REON JACK5』が、2024年8月9日(金)に東京・ヒューリックホール東京で開幕した。初日当日に公開ゲネプロの模様をレポートする。
柚希礼音のソロコンサート『REON JACK5』
2016年より過去4回にわたり開催されてきた柚希礼音のソロコンサート『REON JACK』。2017年『REON JACK2』・2018年『REON JACK3』は、音楽プロデューサーに本間昭光を迎え、日本の音楽シーンを支える個性豊かなバンドメンバーが奏でるサウンドにのせ、迫力のある歌声、そして様々なジャンルの実力派ダンサーと共にハイレベルなダンスを次々と披露し観客を魅了した。
3年ぶりの開催となった2021年『REON JACK4』では、前回の“モンスター級”と称される超実力派ダンサーが再集結し、初の試みとなる日替わりゲストとの共演も話題になった。
そして、第5弾となる今回は柚希の芸歴25周年を記念したもので、柚希を語るには外すことのできない、宝塚時代をともに歩んだ元星組男役スター・汐月しゅう、天寿光希、麻央侑希、綾凰華が初参加。さらに、豪華な日替わりゲストとして、柚希の25周年を祝うべく、加藤和樹、黒羽麻璃央、西川貴教、夢咲ねね、井上芳雄、大貫勇輔が出演する。
加藤は『マタ・ハリ』『カム フロム アウェイ』、黒羽は『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』、西川は『ZEROTOPIA』『REON JACK4』でそれぞれ共演。夢咲は宝塚歌劇団で6年間トップコンビを組んだ元相手役、井上とは柚希にとって念願の舞台初共演、そして大貫は『REON JACK3』以来6年ぶりの出演となる。
取材会で柚希礼音「私にとっての宝物。今回は温かみのあるコンサートを目指す」
初日を迎えた心境として、柚希は「芸歴25周年の年に『REON JACK5』ができることを本当に嬉しく思っております。私にとって宝物である『REON JACK』が5まで来れたことも本当に嬉しいですし、節目の年にできるのは、やっぱり応援してくださるお客様のおかげなので、皆様に感謝しながら、大いに盛り上がりたいと思います」とコメント。
芸歴25周年ということに対して、柚希は「ラインダンスの時から25年間、ずっと舞台に立ち続けてきたんだという感慨深い思いと、長いような短いような、でもやっぱり山あり谷ありいろんな時があって、いい時もあれば悪い時もあって、宝塚を退団した後も道に迷ったりしながら一歩一歩歩んできたんですけれども、今振り返りますと、やはりたくさんの皆様がいつも私を支えて、背中を押してくれたり、引き上げたりしてくださりながら、ここまで歩ませてくださったなと思います。簡単な25年ではなかったんですけれども、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と思いを述べた。
さらに、25年間の思い出を問われると、「やっぱり、常に周りにいてくれた相手役の夢咲ねねをはじめとした星組の仲間たちのことがすごく目に浮かびます。トップになってからの期間もすごく充実した期間だったので、その期間のこととかは思い出深いです」と答えた。
その星組の仲間たちでもある汐月、天寿、麻央、綾との共演について、柚希は「いろんな場面を歌っていても、もう思い出がたくさんで、その思い出話もいっぱいしながらお稽古していました」と稽古を振り返り、「4人に出てもらってるんですが、その後ろにも何十人、何百人といるぐらいたくさんの人との思い出が蘇ります。4人とは9年ぶりぐらいの共演なんですけど、もう一瞬であの時に戻れて、さらに絆が深まったような感じがします」と感慨深い表情を浮かべた。
『REON JACK5』の見どころの話となると、柚希は「『REON JACK』ではなかなか宝塚の曲をあまりしてこなかったんですけれども、今回は節目の年なので、『REON JACK1』のような温かみのあるコンサートにしようということで、宝塚メドレーがしっかりと組み込まれております。そこも楽しみにしていただきたいですし、あとはもう全場面すごく見どころなんですけれども、川本アレクサンダーさんと踊るペアダンスが私にとっては初めてのジャンルで、ちょっとサルサのような踊りなので、そちらも楽しんでいただけたらいいなと思っています」とアピール。
そして、セットリストの選曲に関しては、「昨年のディナーショーの時はお芝居の懐かしい曲が多かったんですけれども、今年はちょっとショーの中から選ぶことが多かったのと、あと退団時の『Dear DIAMOND!!』のショーで、私がすごくうまくいかなくなって、舞台上で寝転がりながら『私はもうできない』みたいになった時に、組子のみんながそれぞれ私にどう応援したのかみたいな場面があったんですね。そこの場面はオープニングで入れたいと思いまして、入っています」と説明した。
30周年に向けてへの思いを尋ねられると、「なるべく踊りたいなと思うので、どこまで踊れるのだろうかと思いますけれども、もう踊りながら死ぬぐらい踊りたいなと思います(笑)。そして、自分にとって大切な『REON JACK』というものをどこまで続けられるかわかりませんけど、本当にこれからも30周年に向けて、そしてこれから先もずっと『REON JACK』、そして様々な舞台などに出演できたらいいなと思ってます」と展望を明かした。
最後に、柚希は「前回の『REON JACK4』はコロナ禍だったので声がなかなか出せませんでしたが、今回は思いっきりファンの皆様も盛り上がっていただけるんじゃないかと思います。そして、客席降りなどもふんだんにありますので、ぜひ一緒に夏の思い出として思いっきり盛り上がって、過ごしていただきたいなと思います。張り切ってまいりますので、皆様ぜひ楽しんでください」と呼びかけて会見を締めた。
宝塚メドレーから始まる『REON JACK』で芸歴25周年を盛大に祝う【レポート】
ゲネプロはBGMの「PARTY!」が終了すると、巨大なミラーボールが印象的なまばゆいステージ上に、柚希が深紅のスーツ姿で登場し、オーバーチュアとして、25周年を自ら祝うかのごとくほとばしる笑顔と共に華麗なソロダンスでステージを彩る。
そこから汐月、天寿、麻央、綾もステージ上に姿を現し、柚希が会見で見どころとして語った宝塚メドレーがスタート。汐月ら4人をバックダンサーとして従え、キレキレのダンスを繰り広げながら、柚希が『Dear DIAMOND!!』の「Dawn DIAMOND」を筆頭に、バラエティー豊かな10曲以上もの宝塚メドレーで会場は一気にヒートアップ。さらに、タイトルナンバーである「REON JACK」などを歌い上げ、会場も序盤から最高潮に。
そして、8月9日の日替わりゲストである加藤がソロで、ミュージカル『マタ・ハリ』より「普通の人生」を美しく力強い歌声で情感たっぷりに歌い上げる。柚希が純白のドレスで登場すると、加藤と共にミュージカル『マタ・ハリ』より、柚希が演じたマタ・ハリと加藤が演じたアルマンによるデュエット曲「セラヴィ」を披露した。
アルマンをイメージしたスーツでエレガントにキメた加藤。MCでも柚希は、加藤の『REON JACK』への出演に喜びを露わにし、ミュージカル『マタ・ハリ』共演当時の思い出話に花を咲かせた。
続いて、柚希のミニアルバム『REONISM』のリード曲「僕は何を探してるんだろう?」を、黒のタキシードでシックな装いの汐月、天寿、麻央、綾が4人バージョンで歌唱パフォーマンスを行い、会場のテンションも高まる。そんな4人はMCでも、柚希と共にそれぞれの魅力を垣間見せ、長年にわたって構築された信頼関係に裏付けされたトークの数々で楽しませてくれる。
コンサートも後半へと移り、取材会で柚希が見どころの一つと挙げたペアダンスのシーンへ。妖艶にドレスアップした柚希は、川本との美しく情熱的なダンスで熱量高く踊り上げた。
さらに、柚希のドレスを使用した幻想的な演出の「溺れたい」へと続き、汐月、天寿、麻央、綾が「JUMP!」で会場を盛り上げると、柚希が客席降りからのバラード「FATE CITY」によって、会場中に切なく心に染み渡る歌声を響かせる。
そして、『マタ・ハリ』の「この命の最期に」をバックに、柚希がソロダンスで観客の心にコンサートの余韻とラストを刻み込む。
暗転からのアンコールは、『REON JACK5』の公演Tシャツ姿で登場したキャストたち全員によるアガる1曲の「YES!世界に魔法が降りそそぐ」。
柚希たちのパフォーマンスによって会場全体がぶちアガると、柚希は「25年間、舞台に立ち続けられたのは、出会ってくださったすべての皆さまのおかげです」と感謝を述べながら、「これからも自分の信じる道を一歩ずつ歩んでまいりたいと思います」とメッセージを贈った。
そしてラストは、柚希が宝塚退団後に初めて作詞した「希望の空」。柚希の芸歴25周年を記念したDVD「Re:Action」に収録された「希望の空」のMV撮影裏話として、集まってもらったファンたちにコーラスをしてもらったというエピソードについて、柚希が「幸せな風景となった」と思い返した1曲。その柚希の思いの詰まった「希望の空」で、『REON JACK5』のフィナーレを観客と共に盛大に飾った。
柚希礼音 25th Anniversary『REON JACK5』は、2024年8月11日(日)まで東京・ヒューリックホール東京で上演後、8月29日(木)から8月31日(土)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて開催される。
『REON JACK5』公式サイト
【公式サイト】https://reonjack.com/
【公式X】@REONJACKconcert
(取材・文・撮影/櫻井宏充)