芥川賞作家・上田岳弘の長編小説『キュー』が、演出家・白井晃の長年の構想を経て舞台化されることが決定した。主演の瀬戸康史をはじめ、有村架純、石田ニコル、井内悠陽、加治将樹、田中哲司らが集結し、2026年11月15日(日)から11月29日(日)まで東京・東京芸術劇場プレイハウス、12月4日(金)から12月6日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される。

芥川賞作家・上田岳弘×演出家・白井晃の長年の構想を舞台化

本作は、2019年に『ニムロット』で芥川賞を受賞した上田岳弘の長編小説『キュー』(新潮社刊)が原作。2017年から2018年にかけて文芸誌「新潮」にて連載され、単行本化された。
第二次世界大戦期、現代、そして700年以上先の未来という3つの時間軸が交錯し、テクノロジーが発達し続ける人間社会の中で「人間とは何か」「“わたし”とは誰なのか」を問いかける壮大な物語だ。
演出を手掛けるのは白井晃。長年の構想を経てついに決定した今回の舞台化では、上田岳弘の文学を演劇により拡張させた新たな「キュー」として立ち上げる。
瀬戸康史&有村架純が9年ぶりの共演!白井晃演出で魅せる豪華キャスト陣
主演を務めるのは、白井晃演出の舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』(2015年)で凄烈な印象を残した瀬戸康史。白井との待望のタッグが再び実現し、本作では平凡な心療内科医であり産業医として暮らしながらも、突如秘密組織に拉致され壮大な事件に巻き込まれていく主人公・立花徹を演じる。
徹の高校時代の同級生で、前世の記憶を持ち「私の中には第二次世界大戦が入っているの」と言い放つ渡辺恭子役には有村架純。白井演出の『ジャンヌ・ダルク』(2014年)以来、実に5年ぶりの舞台出演となる。瀬戸と有村の共演は2017年の映画『ナラタージュ』以来9年ぶり。
さらに、徹の知人で製薬会社に勤める東藤恭子役に石田ニコル、冷凍睡眠から目覚めた人間に語りかける自動音声のような存在・Lost Language No.9役に井内悠陽、徹を拉致した秘密組織「等国(レヴェラーズ)」の構成員・武藤勇作役に加治将樹、徹の祖父で半世紀以上寝たきりだったが突如目を覚まして姿を消す立花茂樹役に田中哲司が決定し、確かな説得力と重厚感を持つ実力派俳優陣が脇を固める。
『キュー』あらすじ
平凡な心療内科医として暮らしていた立花徹(瀬戸康史)は、ある日突然、秘密組織「等国(レヴェラーズ)」の構成員・武藤勇作(加治将樹)に連れ去られる。
そこで知らされたのは、半世紀以上寝たきりだった祖父・立花茂樹(田中哲司)が突如目を覚まし、姿を消したという事実だった。その行方を追う鍵を握るのは、高校時代の同級生で、「私の中には第二次世界大戦の記憶がある」と語る渡辺恭子(有村架純)だった。さらに、徹の知人で製薬会社に勤める東藤恭子(石田ニコル)も、この不可解な出来事に巻き込まれていく。
一方、700年以上先の未来では、Lost Language No.9(井内悠陽)とともに、人類の未来を左右する計画が始動しようとしていた。戦時下の日本、現代、そして遠い未来――。3つの時代に散らばった記憶が交差するとき、「わたし」という存在の輪郭が揺らぎはじめる。
原作者・上田岳弘&演出家・白井晃、出演の瀬戸康史&有村架純よりコメント到着
上田岳弘(原作・上演台本)
原作『キュー』の連載を開始したのは、ちょうど9年前のこと。作家として活動を始めるよりも前から、ぼんやりとしたキューの全体像が頭の中にあって、いつか書かなけない作品であると、ことあるごとに周囲に漏らしてきました。原爆の投下、憲法九条、AIの進化等の事象間にある確かな繋がりを意識しながら書き上げた、僕自身にとって重要な作品です。
あれから9年後、『キュー』が舞台で上演されます。演出は、若い僕の創作欲に火をつけてくれた舞台『マーキュリー・ファー』を手掛けられ、『2020』で初めてご一緒させていただいた白井晃さん。瀬戸康史さんや有村架純さんをはじめ、素晴らしい実力と魅力を兼ね備えた俳優の皆さんが、時に難解とも言われてきた『キュー』を心震わせる舞台にしてくださることに、静かに興奮しています。
戦争や暴力に制御が効かないことが露呈した今の世界で上演される、それぞれが一度きりの『キュー』の舞台。多くの人々にこの瞬間を目撃していただきたいと思います。
白井晃(演出・上演台本)
小説「キュー」が刊行されたとき、私はその世界観に打ちのめされました。私たち人類の現在の立ち位置と今後を予見する未来図に圧倒されたからです。その驚くべき視線に恐れを感じながらも、この世界をなんとか演劇という生身の表現に転化できないかと夢想しました。そして、その思いは初めて小説を読んだときから決して消えることはありませんでした。
私たち人間はこれからどこに向かうのでしょうか。第二次世界大戦後の日本に生きる私たちは、どこから来て、どこにいて、この先どこに向かうのでしょうか。原爆投下の記憶を身体に持つ少女と、その状況に対峙した人物の遺伝子を受け継ぐ男の出会いは、時間を超え、空間を超え、肉体の形状をも超えてつながり続けます。効率化は、猛烈な孤独感を私たちに与えます。だからこそ、肉体を失ってもなお、愛を求めてやまないのです。
原作者である上田岳弘氏の協力を得て、この作品を演劇化できることに至福の喜びを感じています。恐らく、私にとって最も重要な作品になると思います。
瀬戸康史(立花徹役)
演出の白井さんとは、僕の俳優人生の転機となった作品『マーキュリー・ファー』以来、十数年ぶりにご一緒します。あの時、白井さんの演出を受けていなければ、俳優を辞めていたかもしれません。それくらい大きな出逢いでした。
有村さんとは3度目の共演です。落ち着いた癒しの雰囲気があり、内からエネルギーが溢れ出している印象です。
この『キュー』という作品も、ある人物たちの出逢いがキーワードのひとつです。
僕が演じるのは立花徹という産業医。現代人を象徴するような人物です。そんな彼が、様々な人や、人のようなものと出逢い、見ようとしてこなかった自分自身を含めた物事に向き合っていく物語です。
今時代は、SNSやスマートフォンの普及から情報が一気に飛び込んできて、それに加え日常生活でやらなければいけない事も多い。気がついた時には自分が何者なのかわからなくなっている。そんな恐怖を感じる瞬間があります。
『自分を失わないために、あなたはどう行動する?』
稽古に入る前の今、そんな問いを投げかけられているような気がします。
有村架純(渡辺恭子役)
舞台への挑戦を続けていきたいと考えていたタイミングで、約12年前の『ジャンヌ・ダルク』でお世話になった白井晃さんからお声がけいただき、本当に嬉しいです。今回は恩返しのような気持ちで臨めることに、大きな意味を感じています。また、20代前半の頃にご一緒した瀬戸康史さんと、再び共に戦えるご縁も心強いです。
初めての舞台では右も左もわからず、客席に背を向けて立ってしまうような状態だった私に、白井さんは同じ目線で一から向き合ってくださいました。そんな白井さんと今、どのようなセッションができるのか、どう作っていけるのか、今からとても楽しみです。
本作は小説を原作としていますが、私たちの身体を通してしっかりと具現化していきたいです。
劇場でしか味わえない体験がお届けできるよう、ぜひ多くの方に足を運んでいただければと思います。
舞台『キュー』公演情報
| 公演情報 | |
|---|---|
| タイトル | 舞台『キュー』 |
| 公演期間・会場 | 【東京公演】2026年11月15日(日)~11月29日(日) 東京芸術劇場プレイハウス 【大阪公演】2026年12月4日(金)~12月6日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ |
| スタッフ | 原作:上田岳弘『キュー』(新潮社刊) 演出:白井晃 上演台本:上田岳弘 白井晃 企画協力:新潮社 主催・企画・製作:ワタナベエンターテインメント |
| キャスト | 立花徹:瀬戸康史 渡辺恭子:有村架純 東藤恭子:石田ニコル Lost Language No.9:井内悠陽 武藤勇作:加治将樹 立花茂樹:田中哲司 有川マコト、川合ロン、西山友貴、黒田勇、須崎汐理 |
| チケット情報 | チケット発売日:2026年8月1日(土)10:00
<東京公演料金(全席指定・税込)> <大阪公演料金(全席指定・税込)> |
| 公式サイト | https://the-9.westage.jp |
| 公式SNS | 公式X:@watanabe_engeki |







