【レポート】駒田一・東山義久・桐山照史らが約30分の歌唱メドレー披露!ミュージカル『ミス・サイゴン』2026年公演製作発表

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2026年10月・11月に東京・東急シアターオーブで開幕し、大阪・福岡・静岡・北海道を巡る全国ツアー(2027年1月まで)が行われるミュージカル『ミス・サイゴン』。その製作発表記者会見が都内で開催された。

約1万人もの応募の中から抽選で選ばれた200名の一般オーディエンスが招待されたこの製作発表では、約30分にわたる圧巻の歌唱メドレーと、初参加キャストを多数迎えた新カンパニーが披露された。

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目次

時代を超えて心を揺さぶるミュージカル『ミス・サイゴン』のあらすじ・歴史

『ミス・サイゴン』は、『レ・ミゼラブル』を生み出したアラン・ブーブリルとクロード=ミシェル・シェーンベルクのタッグが手掛けた世界的メガ・ミュージカル。1989年にロンドン・ウエストエンドで初演され、日本では1992年の初演以来、30年以上にわたり愛され続けている。

舞台は、ベトナム戦争末期の陥落直前のサイゴン(現ホーチミン市)。アメリカ兵のクリスと、戦火の中で親を亡くしたベトナム人の少女キムの悲恋を軸に、動乱の時代をあがきながらもたくましく生き抜くフランス系ベトナム人の「エンジニア」の姿など、極限状態の中で見出される様々な「愛」と「人間の業」を、壮大なスケールと心揺さぶる音楽で描き出す傑作だ。

新キャスト集結!製作発表でメドレー全8曲を歌唱披露

製作発表には、エンジニア役の駒田一東山義久桐山照史、キム役の屋比久知奈・清水美依紗・ルミーナ、クリス役の甲斐翔真小林唯、ジョン役のチェ・ウヒョク・金本泰潤、エレン役のエリアンナ・加藤梨里香、トゥイ役の岡シモン・吉田広大、ジジ役の則松亜海・藤森蓮華、男女アンサンブルを含む約60名が参加。

歌唱披露は、まずは物語の幕開けにエンジニアが経営するドリームランドの熱気を伝える「火がついたサイゴン」(駒田・東山・桐山)でスタート。続いて、人民委員長となったトゥイがクリスの子を抱えて生きるキムに結婚を迫り、命を落とす緊迫の場面で歌われる「トゥイの死」(岡・吉田)、一夜の出会いで恋に落ちたヒロイン・キムとアメリカ兵クリスが永遠の愛を誓い合う「世界が終わる夜のように」(屋比久・清水・ルミーナ、甲斐・小林)と続く。

さらに、戦争の悪夢にうなされるクリスを懸命に支えようとする妻エレンの心の葛藤を描く「今も信じてるわ」(エリアンナ・加藤)、社会主義国となったベトナムであがきながらもたくましく生きるエンジニアの泥臭い生き様を歌う「生き延びたけりゃ」(駒田・東山・桐山)、息子タムを守るため母親キムが深く強い愛情を歌い上げる「命をあげよう」(屋比久・清水・ルミーナ)が披露された。

終盤は、ジョンがベトナム女性との間に生まれた混血児たちに救いの手を差し伸べようと呼びかける「ブイドイ」(ウヒョク・金本)、憧れのアメリカに渡る時がついに来たとエンジニアが野心と夢を歌い上げる「アメリカン・ドリーム」(駒田・東山・桐山)で締めくくられた。

圧倒的な熱量で物語を辿る8曲が一挙に披露されると、会場は早くも本編さながらの熱気と拍手に包まれた。

新キャストから大ベテランまで・・・個性豊かなエンジニア&キム役の挨拶

今期は、長年作品を支えてきたベテランから、新キャストまで多彩な顔ぶれが揃った。

2014年からエンジニア役を務め、今やカンパニー最年長となった駒田一は「今回も新しいメンバーが半分以上います。稽古場では誰しも苦しく、悩んで、もがいて、大汗かくと思うんですけれども、最終的には楽しく一致団結して、ラストまで努めていきたいです」と、大黒柱としての頼もしさを見せる。前回2022年公演から続投となる東山義久も「当時の情熱そのままに、2026年の『ミス・サイゴン』を届けるために頑張ってまいります」と意気込んだ。

今回初参加となるWEST.の桐山照史は「2026年版も『楽しかったな、また観たいな』と思っていただけるように。僕のエンジニアも観て、『これからも頑張れ!』と思ってもらえるように全力で務めさせていただきます」と少々の緊張感を漂わせながら、「大体こういう時って、『迷惑かけないように頑張ります』というものかと思いますが、先に言います。迷惑かけます、すいません!先に謝っておきます(笑)。全力で駒田さんや東山さんに甘えながら、桐山の出せる150%の力を出して頑張りたいと思います」と、並々ならぬ気合をのぞかせた。

ヒロインのキム役にも注目が集まる。今回が2回目の出演となる屋比久知奈は「ルーツというところも含め、自分の中にコアとして今でも強く残っている作品です。頼もしい二人の新しい風に刺激を受けながら、新たな気持ちで精一杯生き抜きたいです」と語る。

その「新しい風」となるのが、初参加の二人だ。清水美依紗は「ニューヨークにミュージカルを学びに行った時に初めて授業で歌った課題曲が『命をあげよう』でした。いつか演じたいと夢を見てきたので、今こうしてご挨拶させていただいているのがまだ夢のようです」と瞳を輝かせ、ルミーナも「十数年前の自分のSNSを見返したら、『いつか自分が絶対やりたい役』って書いてあったんです。大先輩の皆様や心強い二人と一緒にできるということがとても光栄です」と、長年の夢を掴んだ喜びを噛み締めていた。

作品の重厚感を支えるプリンシパルキャストたちの決意

クリス役の甲斐翔真は、役作りのために「昨年実際にベトナムにも視察に行き、空気を吸いに行きました」と明かし、「歴史のある作品に参加させていただけることを本当に光栄に思っております。初参加ということで新しい風を吹かせられるように、作品を分析して、役を分析して、作者のメッセージを分析して、リアルに表現できたらいいなと思っております」と並々ならぬ探求心を見せる。

同じくクリス役で初参加の小林唯は、「今の世界情勢を考えて、戦争の悲惨さや、戦争が招いたものを世の中に伝えるという意味で、今、この『ミス・サイゴン』を上演する意味があるんじゃないかなと思っています。そういう気持ちで、僕も心して臨みたいと思います」と力強く語り、作品が持つメッセージの重要性を会場全体に印象づけた(小林は別作品のスケジュールの都合でここで退席)。

ジョン役もWキャスト共に初参加。チェ・ウヒョクが「日本語で歌うのは本当に難しいですが、一生懸命勉強を続けています」と日本語で真摯に語れば、同役の金本泰潤は「僕も2024年まで劇団四季に在籍し、去年、音楽活動をやると飛び出したので、今ここにいるのは不思議な気持ちです。ヒョッくんの日本語をサポートしつつ、軍隊のことは色々と教えていただきながら二人三脚で頑張ってまいります」と、すでに二人の絆ができていることを印象づけた。

エレン役の二人も初参加。エリアンナが「どんな時代でも揺るがないものは『愛』だなと思っています。エレンなりの愛、国への愛などパッションを込めて演じたいです」と語る一方で、加藤梨里香は「大学3年生のゼミ発表で『ミス・サイゴン』のことを発表したことを昨日寝る前に思い出したんですが、何を話したか覚えてなくて(笑)。当時の資料を引っ張り出して、一から向き合っていきたいと思います」とエピソードを披露し、微笑ましい笑いを誘った。

また、トゥイ役の岡シモンは「高校生の時に初めて観て虜になり、受験勉強の合間を縫っては音楽室で大声で曲を歌っていました」と筋金入りのファンであることを告白。スケジュールの都合により歌唱披露で退席となった吉田広大は、「初めてこの作品に携わらせてもらえることに興奮を覚えるとともに、光栄に感じています。実直に作品と向き合い、トゥイとしてただただ全力で生きていけたらと思います」と代読メッセージで想いを伝えた。

そして、ジジ役の則松亜海は「昨年の12月に母となり、本作に対してまた違った見方ができると思います」と自身のライフステージの変化と役を重ね合わせ、同役の藤森蓮華も「この時代にこの作品を届ける意味を自分の中に宿しながら、力強く生き抜きたいです」と決意を語った。

桐山照史のオーディション裏話と、市村正親からの金言

質疑応答では、作品の魅力や役作りへの思いがより深く語られた。桐山からは、先輩エンジニア二人へ「エンジニアを演じるコツは?」という切実な質問が飛び出した。

実は桐山、事務所に所属して以来、初めてのオーディション参加だったそう。以前、身近な人たちから「君の雰囲気は『ミス・サイゴン』の空気感に合うと思うんだよね」と言われたことから、公演を観に足を運んだといい、「僕、観た時に素直に『面白かったな』と思う場合と、『なんで僕はここに立ててないんや』ってなる場合があるんですよ。『ミス・サイゴン』は後者で、いつかこういうミュージカルに立たせていただきたいなと思ったんです」と当時の心境を明かした。

「事務所の方々に相談して、チームWEST.の方々も『照史の夢を応援する』と背中を押してくださって、オーディションを受けさせていただきました」

オーディションの際には「絶対に受かってやる!」という思いから、自前のジャケットに金のネックレスや指輪をじゃらじゃらと身につけ「エンジニアっぽい服装」で挑んだという。

「オーディションのことは、覚えているんですけど、覚えていないんです。ただ一つ、制限時間を超えても、演出家の方々がいろいろ言葉をかけてくださったのは覚えています」

念願叶っての参加となったが、稽古場ではミュージカルならではのスピード感に圧倒されたという。「歌の先生からパパっと指示があって、お二人(駒田・東山)は『オッケー、お疲れ様でした!』ってすぐ帰られたのに、僕は分からなくて、『ミュージカル怖えぇ・・・!』ってなりました(笑)。このスピード感の船から絶対に落ちてはいけないと、もっとスキルを上げないといけないという課題も見つかりました。今回の歌唱披露でも壁にぶち当たりましたし、稽古に入ったら自分ひとりじゃ乗り越えられへん壁も絶対出てくると思うけど、もちろん超えて仕上げられるように頑張りたいなと思います」と、真摯な想いを打ち明けた。

そんな桐山に対し、東山はかつて日本版のオリジナル・エンジニアである市村正親から授かったという「金言」を明かした。

「前回、市村さんのゲネプロを観させてもらって、『アメリカン・ドリーム』があまりにも良くて袖に走って行ったら、『そうだろう!でも俺の真似しちゃダメだからな。俺は900回もこの役やってるんだから。お前はお前が作ったものをアメリカン・ドリームに乗っけろ』って言われて、すごく気持ちが楽になったんです。だから僕も、桐山くんと共に新しいエンジニアを追求していきたいなと思います」

駒田も深く頷きながら、「僕も市村さんから似たようなこと言われたことがあって。『駒の真似をしたら駒の偽物に決まってんだよ』って。エンジニアは、時代を生き延びるために、人を傷つけて嘘をついてものし上がっていこうとする綺麗事だけではない男だから。三者三様のエンジニアで、僕はいいと思う」と優しく言葉を送った。

先輩たちからの温かくも熱いエールを受け、桐山は「気が楽になった部分と、自分のエンジニアってどんなんやろ・・・って不安もよぎりましたが、自分が出せるエンジニア像を出したいです」と背筋を伸ばしていた。

キム役も、経験者の屋比久に清水とルミーナから質問が飛んだ。清水からの「子役の子どもたちと一緒にお芝居をする時、どうしたらいいんでしょうか?」というざっくりとした質問に対し、屋比久は「『どうやったら母親になれるんだろう?』と不安だったけど、子どもたちに会った瞬間、『そんなの考えている方がおかしかったな』って思って。そこにいる子たちがただただ本当に愛しくなるから、深く考えずに『可愛いね』って抱きしめ合っていました」と、経験を語った。

一つ聞いたら、質問が止まらなくなった清水。「お水を飲むタイミングは?」など、舞台俳優ならではの超・実践的な質問も飛び出し、キャスト陣は大爆笑。「あとでもっと聞いてもいいですか?」という清水に、ルミーナが「その質問会に、私も参加させてください」と乗っかり、新キャスト二人は「ついていきます!」と満面の笑みを見せていた。

そんな屋比久について、駒田からはコロナ禍で全公演中止となってしまった前回2020年公演の「幻の稽古エピソード」が明かされる場面も。「2020年の稽古中、最後まで通していないのに僕は彼女のキムを見て泣いてしまったんです。『すげーキムが来たな』と。本当に、そのままを生きていた」というベテランからの最大級の賛辞に、恐縮しきりの屋比久だった。

2026年版『ミス・サイゴン』が目指すもの

ここまでの内容を踏まえて、それぞれが目指す役柄の「キャッチフレーズ」を求められると、駒田は「まだまだ走るぞ、エンジニア」と宣言。東山は、屋比久から2020年の感想を聞き、「まだまだギラギラ、エンジニア」とアピール(駒田とはまったく違う演出がつけられていたそう)。続く桐山は、エンジニアの笑顔と裏の顔を使い分ける二面性に、自分の持つコミカルなエッセンスを加え「三面性を出せるエンジニアになりたい」と表現し、早くも三者三様の個性が爆発。

キム役も、屋比久が力強く地に足をつけて生きる「裸足のキム」を掲げると、清水は「はじめまして、命をあげよう、どこまでも」とキムのナンバーになぞらえた。ルミーナはまとめきれないと前置きをした上で、「一人親で生きていくのはすごく難しい時代だったと思うので、生々しさ、力強い芯を持ったキムになれたら」と語った。

和気あいあいとした中にも、作品への深いリスペクトと熱意が交差した製作発表記者会見。最後にカンパニーを代表して駒田は、「最後まで怪我や事故のないように、みんなが一つになってゴールしたいなというのが僕の思いです。御大、市村さんも言っていました。『みんな、任せたぞ』って。何回観ても『この組み合わせが面白い』という発見があると思うので、いらしていただけると私共も幸せです。みんなで作っていきましょう」と締めくくった。

過去の偉大な先輩たちから受け継がれたバトンは、今、2026年のカンパニーへと確かに引き継がれた。激動の時代を生き抜く人々の魂の叫びが、今の時代にどう響くのか。新たな息吹が吹き込まれるミュージカル『ミス・サイゴン』が楽しみだ。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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ミュージカル『ミス・サイゴン』公演情報

公演情報
タイトル ミュージカル『ミス・サイゴン』
公演期間・会場 【東京公演】2026年10月・11月 東急シアターオーブ
【大阪公演】2026年12月 梅田芸術劇場 メインホール
【福岡公演】2027年1月 福岡市民ホール 大ホール
【静岡公演】2027年1月 アクトシティ浜松 大ホール
【北海道公演】2027年1月 札幌文化芸術劇場 hitaru
スタッフ オリジナルプロデューサー:キャメロン・マッキントッシュ
作:アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・シェーンベルク
キャスト エンジニア 役(トリプルキャスト):駒田一/東山義久/桐山照史
キム 役(トリプルキャスト):屋比久知奈/清水美依紗/ルミーナ
クリス 役(Wキャスト):甲斐翔真/小林唯
ほか
チケット情報 後日発表
公式サイト https://www.tohostage.com/miss_saigon/
公式SNS @toho_stage
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