2025年11月24日(月・祝)に東京・東京建物 Brillia HALLにて開幕する『デスノート THE MUSICAL』。全世界を熱狂させた大ヒット漫画を原作に、フランク・ワイルドホーンの楽曲で彩る本作は、「正義とは何か」を問うスリリングで重厚なサスペンスだ。
初日前日に行われた取材会には、夜神月役の加藤清史郎、渡邉蒼、そしてL役の三浦宏規。重いテーマを描いた作品の雰囲気とは裏腹に、およそ2ヶ月にわたる稽古を通して育まれた絆について語った。

社会に影響を与える強い作品に

大ヒット漫画を原作に、フランク・ワイルドホーンの音楽でミュージカル化した本作。初日を迎える心境を問われた加藤は、「人間としても役者としても色々なことを感じながらの日々でした」と濃密な稽古期間を振り返る。「その日々を経て、月として『デスノート』の世界で生きるというのは、ものすごく覚悟のいることだとひしひしと実感しています」と、役と向き合う重圧と覚悟を口にした。

同役を演じる渡邉も、「演劇というもの自体がこの世の中に与える影響や、今この社会が抱えている問題について話し合ってきました」とコメント。「一つのミュージカルという枠を超えて、社会的に影響を与えられる強い作品になっているのではないかと思っています」と、作品が持つメッセージ性の強さを強調した。

L役の三浦は、「今まで体験したどの現場よりも濃縮な時間を過ごしました」と語る。「Lという役を通して、人としても成長させてもらえた感覚があります」と、カンパニー全体での進化に自信を覗かせた。
「真面目だけどめっちゃ変」な3人

シリアスな頭脳戦が繰り広げられる本作だが、楽屋の雰囲気はだいぶ違うらしい。3人一緒の楽屋だそうで、三浦曰く、「楽屋ではクリスマスソングが流れている」とのこと。しかも、「僕たちの楽屋用に飾る用として、150センチのツリーを頼んだんです。作品が、グッと集中する上に重いテーマなので。裏では、みんなで一緒にオーナメントを飾って、いいクリスマスを迎えられたらなと思って」と、仲良しすぎるほっこりエピソードが飛び出した。

今回が初共演となる3人だが、取材会ではまるで長年の友人のような掛け合いを見せる一幕も。互いの印象について問われると、前置きとして「仲が良いんですよ」と口を揃えた3人。加藤も2人をリスペクトしつつ、「形は違えど、3人とも『真面目』で『めっちゃ変』」と評して笑いを誘った。

加藤は、Wキャストの渡邉について「作品への向き合い方がずっと途切れることなく真摯」と信頼を寄せる一方、三浦については「一見ちゃらんぽらんに見えるけど(笑)、板の上では月(ライト)に火をつけてくれる」と、そのギャップを愛ある毒舌で表現。

渡邉も加藤に対し、「人としても俳優としても、何回人生を歩んでいるんだろうと思うくらい理解度が凄まじい」と独特な表現で絶賛。三浦については「大好きなお兄ちゃん。緊張している時にさりげなく空気を変えてくれる」と慕う。

三浦によれば、加藤は「とにかく口がよく回る」そうで、「ずっと喋ってるんです。喋りながらそのまま舞台に出て行くんじゃないかと思うくらい(笑)」と、そのマシンガントークぶりを暴露。一方、普段は静かな渡邉については、「集中している時にちょっかいをかけると、挙動不審な変な答えが返ってくるのが面白いです」と、Lさながらの観察眼で分析していた。
アグレッシブすぎるテニス? Lこだわりの役作り

本作の見どころの一つが、原作にもある月とLが対峙するテニスのシーンだ。加藤も「だいぶアグレッシブなテニスシーンになっていますよね」とコメント。テニスラケットの扱いに長けている三浦は、「原作だと、実はそこまで(Lのフォームに)癖はないんですよ」と分析。その上で、「舞台で表現するにあたって『Lっぽさ』を見つけたいなと思って、Lはどんなテニスをするのか、ずっと考えていました」と、稽古場での試行錯誤を明かした。原作のイメージを保ちつつ、ミュージカルならではの身体表現で魅せる、三浦独自の“Lのテニス”にも注目だ。

また、Lと言えば独特の座り方。三浦はL座りには「慣れました」と告白したが、Lのトレードマークである“裸足”については時期的な苦労があるようで、「夏だったらいいんですけどね・・・僕、末端冷え性なんですよ(笑)」と苦笑い。「今日(取材会ぐらいはスリッパを履きたかったなと思いつつ、これがLの正装なので」と、名探偵役の矜持(?)を覗かせた。
「今の自分」に持ち帰る作品として
会見の最後は、それぞれの言葉でしっかりと締めた3人。

「ようやく幕が開けるなという感じです。カンパニーの熱量が、初日に向けてどんどんどんどん高まっています。毎日、演出の栗山さん(栗山民也)からもいろんなお言葉をいただいて、ただ舞台に向き合うだけじゃなく、いろんなことを考えながら作品に向き合っています。そういう想いをお客様にぜひ受け取っていただけたらなと思っております」(三浦)
「舞台上に『デスノート』という壮大な世界観が広がるのと同時に、今の社会における現実的な問題もしっかりと問いかけているなという印象があります。ワイルドホーンさんの素晴らしい楽曲が物語を後押ししてくださっていますし、本当に素晴らしい作品になっていると思うので、ぜひ劇場でお会いできたら嬉しいです」(渡邉)

「“人間”というものを感じていただけたら。『デスノート』という作品を見終わった後に、『今この世界で生きている自分』に、何かを持って帰っていただけたらそれ以上に嬉しいことはありません。夜神月として泥くさく生き抜けたらなと思いますので、楽しんでいただきたいという気持ちでいっぱいです」(加藤)
舞台上では火花散るライバル関係、舞台裏ではクリスマスツリーで盛り上がる仲良しトリオ。この結束力に、8年ぶりの帰還となる初演オリジナルキャストの浦井健治と濱田めぐみの圧倒的な存在感が加わる。


初演から10年という記念すべき年に、レジェンドと新たな才能が融合して生まれる“最強のデスノート”。今、この瞬間にしか立ち会えない、新たな歴史が幕を開ける。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
『デスノート THE MUSICAL』公演情報
| 公演情報 | |
|---|---|
| タイトル | 『デスノート THE MUSICAL』 |
| 公演期間・会場 | <東京公演> 2025年11月24日(月休)~12月14日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) <大阪公演> 2025年12月20日(土)~23日(火) SkyシアターMBS <愛知公演> 2026年1月10日(土)~12日(月祝) 愛知県芸術劇場 大ホール <福岡公演> 2026年1月17日(土)~18日(日) 福岡市民ホール 大ホール <岡山公演> 2026年1月24日(土)~25日(日) 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 大劇場 |
| スタッフ | 原作:「DEATH NOTE」(原作:大場つぐみ 作画:小畑健 集英社 ジャンプコミックス刊) 作曲:フランク・ワイルドホーン 演出:栗山民也 歌詞:ジャック・マーフィー 脚本:アイヴァン・メンチェル 翻訳:徐賀世子 訳詞:高橋亜子 |
| キャスト | 夜神 月:加藤清史郎/渡邉 蒼(ダブルキャスト) L:三浦宏規 弥 海砂:鞘師里保 夜神粧裕:リコ(HUNNY BEE) 死神レム:濱田めぐみ 死神リューク:浦井健治 夜神総一郎:今井清隆俵 和也 石丸椎菜 岩橋 大 大谷紗蘭 小形さくら 尾崎 豪 上條 駿 川口大地 神田恭兵 咲良 田中真由 寺町有美子 照井裕隆 藤田宏樹 増山航平 町屋美咲 松永トモカ 望月 凜 森下結音 安福 毅徳岡 明(スウィング) 森内翔大(スウィング) |
| チケット情報 | <東京公演> ホリプロステージにて絶賛販売中! プレミアムシート:20,000円(全日) 1階S席:平日15,000円/土日祝15,500円 2階S席:平日14,000円/土日祝14,500円 A席:平日9,500円/土日祝10,000円 B席:平日7,000円/土日祝7,500円 U-25(25歳以下当日引換券):平日7,500円/土日祝8,000円 Yシート(20歳以下当日引換券):2,000円(全日) チケット販売詳細はこちら <公演中イベント> |
| 公式サイト | https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2025/ |
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