パルコ劇場がこの夏、8K高画質で収録された舞台作品を一挙上映する「PARCO デジタル・アーカイブ・シアター2025」を2025年7月12日(土)より開催することが決定した。
現行ハイビジョン画質の16倍、4K画質の4倍にあたる約3,300万画素の超高精細映像で、劇場の大スクリーンにて等身大に映し出された俳優たちの動きや舞台全体の演出を自由な視点で堪能できる、生の舞台観劇に限りなく近い圧倒的な臨場感を体験できるイベントとなる。

8K高画質で蘇る!伝説の舞台、劇場で再臨
2025年7月12日(土)から7月21日(月・祝)まで、パルコ・プロデュース公演5作品の8K高画質収録映像が一挙上映される。
ラインナップは以下の通り。
『蒙古が襲来』

撮影:細野晋司
三谷幸喜が主宰する劇団東京サンシャインボーイズ復活公演として、本年2月から5月にかけて全国10都市で上演された『蒙古が襲来』。
各地でチケット即日完売を記録した話題作のツアー最終地・沖縄公演の模様を、8K高画質で収録した映像が早くも上映される。
作・演出は三谷幸喜。出演は、相島一之、阿南健治、伊藤俊人、小原雅人、梶原善、甲本雅裕、小林隆、近藤芳正、谷川清美、西田薫、西村まさ彦、野仲イサオ、宮地雅子、吉田羊らが名を連ねている。
上映後には、三谷幸喜、吉田羊をはじめとする豪華ゲストによるアフタートークも開催されるほか、舞台衣裳や特殊小道具の展示も楽しめるそうだ。
なお、2月に行われたPARCO劇場公演の映像が7月26日(日)17:00よりWOWOWでオンエアされることも決定。こちらは13台のカメラで完全収録・編集された映像で、三谷幸喜インタビューや復活公演の裏側に密着したドキュメントもWOWOWオンデマンドで配信される。
『笑の大学』

撮影:細野晋司
PARCO劇場50周年のアニバーサリーイヤーに合わせて2023年2月から4月にかけて上演された不朽の名作喜劇『笑の大学』がアンコール上映。
作・演出は三谷幸喜、出演は内野聖陽、瀬戸康史が参加している。
1998年以来25年ぶりに上演されたことでも話題となった一作だ。
『桜の園』

撮影:細野晋司
作アントン・チェーホフの「チェーホフ四大戯曲」の一つ『桜の園』。演出は従来の解釈に捉われず、戯曲の本質を斬新に立ち上げるショーン・ホームズが手掛けた意欲作だ。
原田美枝子、八嶋智人、成河、安藤玉恵、川島海荷、前原滉、川上友里、竪山隼太、天野はな、市川しんぺー、松尾貴史、村井國夫ら実力派俳優たちが結集し、サイモンの新アダプテーション、グレイスの美術・衣裳デザイン、日本クリエイターとのコラボレーションで、現代に引き付けた演出が好評を博した。
『リア王』

撮影:細野晋司
W・シェイクスピア作、松岡和子翻訳の『リア王』は、段田安則とショーン・ホームズがタッグを組んだ意欲作。
『セールスマンの死』(2022/PARCO劇場)で「読売演劇大賞」最優秀男優賞に輝いた段田をはじめ、小池徹平、上白石萌歌、江口のりこ、田畑智子、玉置玲央、入野自由、前原滉、盛隆二、平田敦子、高橋克実、浅野和之が出演した。
加えて、美術・衣裳のポール・ウイルス、音楽のかみむら周平、ステージングの小野寺修二ら、日英のクリエイターとの息の合ったコラボレーションで、現代と重ねあわせた創造的な演出が魅力だ。
『オーランド』

撮影:細野晋司
ヴァージニア・ウルフの原作を岩切正一郎が翻案、栗山民也が演出を手掛けた『オーランド』が初上映。
宮沢りえを主演に迎え、時代も国境もジェンダーも軽々と飛び越えて、真の運命の相手、真実の愛を追求するオーランドの姿を、現代に生き生きと甦らせた一大演劇詩だ。
音楽、ステージング、ビジュアルに栗山の美意識が詰まった渾身の演出を存分に楽しめる。なお、栗山は本作と韓国創作ミュージカルの日本初演『ファンレター』での成果が評価され、「第50回菊田一夫演劇賞」演劇大賞を受賞している。
主演の宮沢りえに加え、ウエンツ瑛士、河内大和、谷田歩、山崎一、さらに生演奏の越川歩らの競演が楽しめる。
ピーター・ブルックの『マハーバーラタ 8K 修復版』

ⒸBrook Productions
本イベントのハイライトとして、7月25日(金)にはPARCO&EPAD特別上映企画として、世界的演出家ピーター・ブルックの生誕100周年を記念し、ピーター・ブルックの『マハーバーラタ 8K修復版』の世界初8K高画質上映がおこなわれる。
演出はピーター・ブルック。脚本はピーターを含め、ジャン・クロード・カリエール、マリ・エレーヌ・エティエンヌも担当。出演はピーター・ブルック・カンパニーが務めている。
昨年9月にヴェネツィア国際映画祭で発表され、大きな話題を呼んだ本作。最先端技術によって鮮やかに蘇った傑作を世界で初めて8Kの高画質で体感できる、全演劇・映画ファン必見の特別な一夜となるだろう。
今回の特別上映では、ピーター・ブルックの息子であり、本作品の8K修復を手掛けたサイモン・ブルック、さらに「マハーバーラタ」音楽監督である土取利行をゲストとして迎えたトークイベントも併せて開催されるとのことだ。
消えゆく舞台芸術を未来へ繋ぐ!『EPAD Re LIVE THEATER in PARCO』
7月23日(水)から7月27日(日)には、「EPAD Re LIVE THEATER in PARCO〜時を超える舞台映像の世界〜」がPARCO劇場にて同時開催されることに。
消えゆく舞台芸術を未来へとつなぐため、「アーカイブ」と「上映」が出会う、新たな5日間を予定。
EPADの収蔵アーカイブから厳選された5作品が上映され、関係クリエイターなどによるトークイベントも実施される。
ラインナップは以下の通り。
ケムリ研究室 no.3 『眠くなっちゃった』

撮影: 桜井隆幸
劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチと俳優・緒川たまきの二人が主宰するユニット「ケムリ研究室」の第三弾公演。
2023年10月に世田谷パブリックシアターにて収録された映像が上映される。
“近未来を舞台にした大人のための寓話”をテーマに、20世紀初頭のヨーロッパを思わせるような懐かしさと異質な未来感、終末感が混在する不思議な世界の中で、恐ろしくどこか儚い人々の姿が描かれた作品。
圧倒的な映像効果とステージングを駆使した緻密な演出で退廃的なディストピアの世界を立ち上げたケムリ流・異色のSF劇を楽しめる。
蜷川幸雄七回忌追悼公演 『ムサシ』

撮影: 田中亜紀
故・井上ひさしが書き下ろし、故・蜷川幸雄の演出により2009年に初演された『ムサシ』。今回は、蜷川の七回忌を前に追悼公演として行われた2021年再演を、ユニバーサル上映で復活させる。
2021年の再演では、同年彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督を受け継いだ吉田鋼太郎が「演出」に名を連ねた。
オリジナリティ溢れるエンターテインメントとしての評判は国外にも及び、翌年以降ロンドン・ニューヨークを始め世界6か国10都市で上演され、各国の劇評家や観客からも喝采を浴びた作品だ。
東京芸術劇場 『気づかいルーシー』(2022)

撮影: 田中亜紀
松尾スズキの文/絵による「気づかいルーシー」(千倉書房)を原作に、東京芸術劇場が2015年に初めて制作した、こどものためのオリジナル作品。
脚本・演出はノゾエ征爾が担当し、主人公のルーシーと、育ての親のおじいさん、飼い馬が互いに気づかいしすぎるあまりに引き起こす残念な悲喜劇を描きだした。
オリジナルスコアの生演奏に乗せて、歌あり踊りありで展開する、ほろ苦くも楽しい舞台は、2017年の再演に続き、2022年に再再演も行われた。今回はその2022年9月にパルテノン多摩大ホールにて収録された映像が【ユニバーサル上映】で公開される。
イキウメ 『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』

撮影: 田中亜紀
小泉八雲の「怪談」からの五篇をベースにした恋愛サスペンスで、旅館に滞在中の作家が語る話と、そこにやって来た警官が扱う事件が奇妙にリンクしていく。
脚本・演出の前川知大は、能舞台に擬した様式性のある空間を作り出し、「怪談は怖いだけでなく、畏怖を呼び起こす。そしてその畏怖は、どこか安心をもたらす。ここではないどこかがある、そう信じることができる。日常を、苦しみの中にいる人にとっての避難所となるのだ。 怪談は優しい」と語った。
2025年にはハヤカワ「悲劇喜劇」賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞などを受賞した本作を、2024年8月に東京芸術劇場シアターイーストにて収録された映像で観ることができる。
なお、上映後アフタートークも予定されており、前川知大(作・演出)、福井健策(弁護士、EPAD代表理事)が登壇し、濱田元子(毎日新聞論説委員兼学芸部編集委員)が聞き手を務める。
こまつ座 『母と暮せば』

撮影: 福岡諒祠
平和を願うすべての人に捧げる、こまつ座「戦後“命”の三部作」の第三弾。
第一弾のヒロシマ(『父と暮せば』)、第二弾のオキナワ(『木の上の軍隊』)に続き、祈りのナガサキを舞台に紡がれる母と息子の命の物語を、原案・井上ひさし、作・畑澤聖悟、演出・栗山民也で贈る。
母・伸子役に富田靖子、息子・浩二役に松下洸平が名を連ね、初演よりも作品を深めるべく再集結した2024年の再々演の模様が上映される。
【ユニバーサル上映】とは?
EPADとバリアフリーな劇場体験を目指す「THEATRE for ALL」による鑑賞サポート。今回は、バリアフリー字幕・音声ガイドが利用可能。
蜷川幸雄七回忌追悼公演『ムサシ』終映後には、参加型トーク「みんなでかんじる・かんがえる」も開催予定だ。
なお、鑑賞サポートの利用には「HELLO! MOVIEアプリ」の事前ダウンロードが必要となる。
貴重なアーカイブ作品の数々を楽しもう!
「PARCO デジタル・アーカイブ・シアター2025」は、単なる過去作品の上映に留まらず、8Kという最新技術によって舞台作品の新たな可能性を提示する。
劇場の臨場感をそのままに、細部までを鮮明に映し出す映像は、舞台芸術の記録としての価値を高めるとともに、観客にこれまでにない鑑賞体験をもたらすだろう。
貴重なアーカイブ作品の数々を、この機会にぜひ劇場で体験してほしい。
「PARCO デジタル・アーカイブ・シアター 2025」概要
情報詳細 | |
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タイトル | PARCO デジタル・アーカイブ・シアター 2025 ※〈同時開催〉EPAD Re LIVE THEATER in PARCO~時を超える舞台映像の世界 |
期間・会場 | 【PARCO デジタル・アーカイブ・シアター 2025】2025年7月12日(土)~7月21日(月・祝) PARCO劇場 【EPAD Re LIVE THEATER in PARCO~時を超える舞台映像の世界】2025年7月23日(水)~7月27日(日) PARCO劇場 |
作品ラインナップ | 【PARCO デジタル・アーカイブ・シアター 2025】 <2025年7月12日(土)〜7月21日(月・祝)> 『蒙古が襲来』、『笑の大学』、『桜の園』、『リア王』、『オーランド』 <2025年7月25日(金)> ピーター・ブルックの『マハーバーラタ 8K 修復版』 ※8K世界初上映【EPAD Re LIVE THEATER in PARCO 〜時を超える舞台映像の世界〜】 2025年7月24日(木)18:00 ケムリ研究室 no.3『眠くなっちゃった』 2025年7月26日(土)12:00 【ユニバーサル上映】 蜷川幸雄七回忌追悼公演『ムサシ』 2025年7月26日(土)18:00 【ユニバーサル上映】 東京芸術劇場『気づかいルーシー』(2022) 2025年7月27日(日)14:00 イキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』 2025年7月27日(日)18:30 こまつ座『母と暮せば』 |
公式サイト | https://stage.parco.jp/program/pda2025 |
公式SNS | @parcostage |


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