2025年6月、小西成弥と稲垣成弥が出演するボイスドラマ『灰とカセットテープ』が、1年ぶりに新作『灰とカセットテープ:リフレイン』として帰ってくる。表舞台から姿を消したミュージシャン・倉津フミヤ(演:小西成弥)が遺した“ある曲”を巡る物語は、前作で多くのファンの心を掴んだ。待望の新作では、フミヤとかつてのバンドメンバー・折原翔(演:稲垣成弥)が結成していたバンド“SHOES”の解散に至るまでの日々が描かれる。
そしてこの度、元バンドメンバーである三島タカ役として佐藤祐吾、美濃部タダシ役として今井俊斗が新キャストとして参加する。エンタステージでは、二人に独占インタビューを実施。“音楽”との関りについて、様々な角度から話を聞いた。

佐藤祐吾と今井俊斗、『灰とカセットテープ』参加への想い
――まず、この『灰とカセットテープ:リフレイン』へのご出演が決まった時のお気持ちと、作品に対する最初の印象をお聞かせいただけますでしょうか。確か、今井さんから先にオファーがあったと伺いました。
今井:はい、そうです。僕は、声だけのお芝居をするのはこれが初めてでして。右も左も分からないうえ、ボイスドラマというコンテンツをちゃんと聴くのもこの作品だったもので、「こういう感じなんだ…!」とドキドキとソワソワがすごかったです。
佐藤:僕は、声優さんがメインの作品や舞台俳優が参加するボイスドラマ企画、何本か声のお芝居をさせていただいた経験があります。今回、制作の方々や共演の皆さんも知った仲の人ばかりだったので、嬉しかったです。しかも、前作を聴けた状態で参加できるので、空気感とかも分かって演じることができるので、すごく楽しみでした。
――前作の『灰とカセットテープ』はお聴きになった率直なご感想は?
佐藤:すごくいい世界観の作品だなと思いました。カセットテープの音質をそのまま活かした作りで、他のボイスドラマにはない独特の空気感がずっと漂っていて素敵だなと。
今井:劇中で作られていた楽曲が実際に流れてきた時、「…かっこよ!いい声!」って感動しました。音楽から物語が広がっていく感じが、すごくエモかったです。音楽がすごく好きなので、音楽やバンドをテーマにしたボイスドラマというのがすごく刺さりましたし、男ってこういうの好きだよな~と思う要素が詰まっていて、青春だなと思いました。
――今作でお二人はバンド“SHOES”のメンバー、三島タカと美濃部タダシを演じられます。佐藤さんがドラムのタカ役、今井さんがベースのタダシ役ですが、ご自身の役柄や担当楽器についてはどう感じましたか?
佐藤:バンドのドラムって、ちょっと特殊な存在というか、チームをまとめる役割が多いのかな?というイメージがあります。ただ、前作を聴いた限りメンバーそれぞれが音楽好きで、しっかり自分を持っている感じなので、その中でのドラムがどういう立ち位置になるのか、実際に演じてみるまで未知数で楽しみです。
――ちなみに、佐藤さんご自身の楽器のご経験は?
佐藤:僕、小学生の頃5年間くらい和太鼓をやっていたんですよ。それ以外は音楽経験はなくて、バンドもライブなどで外から見たことがあるくらいなので、演奏側になるためにバンドの空気感を研究して知っていきたいなと思っているんですけど、ドラムだから和太鼓の経験が・・・ギリギリ活かせるかな(笑)。
――今井さんはいかがでしょう?
今井:僕、兄がエレキギターとベースをやっていたので、よく触らせてもらっていたんです。だから、ベースのかっこよさは、兄から熱く叩き込まれてきました。「バンドの中では一番目立たないかもしれないけど、実はめちゃくちゃかっこいいんだぞ!」って。その影響もあって、今でも音楽を聴くとベースの音を追ってしまうくらい好きなんです。弾けはしないんですけど(笑)。かっこよくて好きですね 。
――お兄様は、今井さんがベーシストの役をやることはもうご存知で?
今井:まだ知らないです。あまり自分からは言いたくないタイプなので・・・。久しぶりに兄弟でベースの話をするかは・・・しない可能性が95%くらいです(笑)。
佐藤:しないのか(笑)。
4人揃ってのビジュアル撮影を振り返って
――バンドメンバー4人でのビジュアルが公開されましたが、皆さんが顔を合わせたのはこの時が最初だったんですよね。
佐藤:そうなんです。こういうビジュアルって、大体一人で撮影したものを合成して作られることが多いので、4人で揃って撮っていただけたのはとても貴重な機会でした。すごく楽しかったです。誰も弾けないのに、あんなに楽器できそうな雰囲気で写真撮っていただいて(笑)。
今井:写真だけはめっちゃできる雰囲気ですよね(笑)。
――佐藤さんは皆さんとお知り合いと聞きましたが、今井さんは、小西さんと稲垣さんとは初対面だったんですよね?
今井:はい。緊張しました!めちゃめちゃ先輩なので・・・。でも、同じバンドメンバーを演じるので、緊張を表に出してはいけないので、心の中で緊張していました。
佐藤:稲垣成弥くんは、背が高いから迫力あるけど、話してみると面白いお兄さんだし、二人とも優しくて穏やかで、居心地が良かったよね。撮影中、小西成弥くんが筋肉痛だったからみんなでそれをいじったり。「歩き方ぎこちないね」「膝曲がってないよ」って。
今井:ありましたね(笑)。
佐藤:ボイスドラマの収録って、基本的にはブースに一人きりで、共演と言っても一緒に録るわけではないから、こういう時間を経てから収録に臨めるのは、相手の表情や雰囲気がはっきりイメージできるからやりやすいかもしれないね。
「リアルさがすごい」――先輩キャストの声の芝居から受ける刺激
――前作での小西さんと稲垣さんのお芝居を聴かれて、どのような印象を受けられましたか?
佐藤:声優さんが演じるボイスドラマと、僕たちのような舞台を中心に活動している俳優がやるボイスドラマって、質感が全然違うと思うんです。前作のシナリオは、掛け合いがほぼなく全部フミヤのカセットテープに吹き込んだ音声記録という形で進んでいったので、すごく生々しいというか、俳優の声の芝居が持つリアルさが際立っているなと思いました。
ただ、今回は前日譚でバンドメンバーの話になるので、掛け合いは増えると思うんです。そうなると、また1作目とは違った作風になるのかな、とも感じています。
今井:視覚的な情報と一緒に音を感じる舞台と違って、これは聴覚だけのコンテンツなのに、すごく情景がリアルに浮かんできて「すごいな!」と思いました。吐息の音とか、風の音とか、そういう細かい部分も超リアルで・・・。声だけでもこんなに色々なことが伝えられるんだという驚きがありました。
――ご自身が声でお芝居をするにあたって、役作りで意識しようと思っていることはありますか?
佐藤:キャラクターにもよりますが、今回は多分、素の自分に近ければ近い方がみんなと芝居を合わせた時に自然になるのかなと思っています。声のお芝居だからといってあまり意識しすぎるのではなく、普段自分がしゃべっているような声でいけたら、別々で録っていたとしても自然な掛け合いに聴こえるんじゃないかなって 。
今井:僕も、変に考えすぎずに、あくまでもリアルに対話しているように自然体で臨めたらいいなと思っています。前作のお二人の芝居がすごく自然だったなので、そこにすっとなじめるようにできたらなと思っています。
「エモい」カセットテープと、心に刻まれた音楽の記憶
――この物語のキーアイテムの一つに「カセットテープ」がありますが、お二人にとってカセットテープは馴染みのあるものですか?
佐藤:僕がギリギリ知っているくらい・・・今井くんは知らないんじゃない?
今井:触ったことないです・・・。
佐藤:やっぱそっか~。改めて考えるとさ、デジタルにはない良さがあると思うんだよね。今ほど気軽に録音や録り直しができなかった時代だからこそ、一発にかける思いがすごくこもっていたのかな、って。それが今の若い世代にとっては「エモい」と感じられる部分なのかも。今は流行り廃りのスピードも速いですしね。「カセットテープ」は、そういう特別な媒介になっているような気がします。
――音楽って人の記憶と強く結びつくことは多いと思いますが、お二人にとって音楽にまつわる特別な記憶はありますか?
佐藤:ボクは、RADWIMPSが中学校の頃から好きで、今でも聴いています。やっぱり、当時聴いていた曲に触れると、当時の光景や記憶、それこそ匂いとかも鮮明に蘇ってきますね。昔のテープやCDの時代の方が、曲に対する思い入れが強かった気がするなあ。
今井:僕は、人生の節目節目で音楽に支えられてきたな、という思いが強いです。不安な時に音楽に助けてもらったり、背中を押してもらったり、悲しい時に寄り添ってもらったり・・・。その時々音楽に、すごく助けられてきました。だから、僕にとって音楽は特別で、思い入れが強いです。アーティストさんだと、親の影響で、桑田佳祐さんとか玉置浩二さんとかをよく聴いていました。andymoriさんも大好き。
――前作の劇中歌「違う道へ」は実際にリリースされ、ライブも開催されたりしましたが、この楽曲は聴かれましたか?
今井:はい、聴きました!歌がめっちゃめちゃ上手くて・・・!沁みました。
佐藤:めっちゃいい声ですよね。メロディもすごく素敵で、鼻歌で歌っちゃいます 。
――お二人も舞台で歌われる機会が多いと思いますが、歌うことについてはどのような思いがありますか?
佐藤:実は僕、デビュー当時は「歌NG」でやってきたんです。テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)のオーディションの時も、事務所に「歌だけ何とかしてくれませんか?」って電話があったくらいで(笑)。でも、最近は歌う現場も増えてきて、少しずつ苦手意識もなくなって、むしろ好きになってきました。自分は歌えないっていう意識があったから音楽自体もあまり聴いてこなかったし、カラオケも行かなかったんですけど、最近はよく音楽を聴くようになりましたね。
今井:僕は歌うことも聴くことも、めちゃくちゃ好きです。カラオケでオールしてずっと歌い続けられるくらい好きです。でも、得意かと言われるとそんなに自信があるわけではないので、「好き」という気持ちを大事に、「個性」として表現していけたらなと思っています。
新キャストが吹き込む新たな息吹――『灰とカセットテープ:リフレイン』への期待
――いよいよこれからリリースされますが、この『灰とカセットテープ:リフレイン』を、お客様にどんな風に届けたいですか?
佐藤:僕たちが演じるのは新しく登場するキャラクターですが、第1弾を聴いてくださっている皆さんも多いと思います。前作はどこかずっと切ない雰囲気が流れていた印象ですが、僕が演じるタカは、周りに影響を与えたりするような、ちょっと元気なキャラクターなのかなと感じています。なので、楽しかった頃のバンドの記憶とか、そういった部分で前作とはまた違った雰囲気を感じていただけたら嬉しいです。
今井:今回、新しく僕たち二人が加わって4人になったことで、より鮮明に過去の出来事が描かれていくと思います。バンドというものに馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんが、メンバーそれぞれの思いのすれ違いだったり葛藤だったり、そういう人間ドラマはバンドに限らずすごくリアルで共感できる部分だと思うんです。そういった機微を、声だけのコンテンツとして、聴いてくださる方に鮮明にお届けできたらなと思っています。
――最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。
佐藤:前作の持つ素敵な空気感を大切にしながら、僕たちが加わることで生まれる新しい化学反応を楽しんでいただけたら嬉しいです。ぜひ、僕たちの声を聴いて、作品の世界に浸ってください。
今井:ボイスドラマは初めての挑戦ですが、佐藤さんをはじめ、先輩方からたくさんのことを吸収しながら、精一杯タダシという役を生き抜きたいと思います。僕たちが演じることで、初めてこの『灰とカセットテープ』という作品に触れる方もいらっしゃるかもしれません。過去作と合わせて、時系列を行き来しながら楽しんでいただけたら幸いです。応援よろしくお願いします!
ボイスドラマ『灰とカセットテープ:リフレイン』詳細
【タイトル】
ボイスドラマ『灰とカセットテープ:リフレイン』
【配信時期】
2025年6月より、ドワンゴジェイピーオーディオブックにて配信(予定)
https://listengo.dwango.jp/page/audiobook-ashandcassettetape/
【出演】
倉津フミヤ役:小西成弥
折原翔役:稲垣成弥
三島タカ役:佐藤祐吾
美濃部タダシ役:今井俊斗
【先行楽曲配信】
Digital Single
SHOES(小西成弥)「遥か彼方」
https://bfan.link/haruka-kanata
<総合情報>
スマートリンク
https://lit.link/ashscassettetapes
ボイスドラマ『灰とカセットテープ』(2024)詳細
タイトル ボイスドラマ『灰とカセットテープ』(2024)
出演 小西成弥/稲垣成弥
特別販売期間 4月30日(水)00:00〜6月1日(日)23:59
特別配信価格 2,680pt→1,995pt
※1pt=1円相当(詳しくは販売サイトをご覧ください)

