物語と楽曲が交差するボイスドラマ×音楽連動企画『灰とカセットテープ』が、ドワンゴジェイピー オーディオブックより配信される。本作は、『読奏劇』などを手掛けた株式会社ドリームラインが制作するデジタル音声コンテンツ。小西成弥と稲垣成弥が出演し、表舞台から姿を消したミュージシャンによって語られる“ある曲”を巡る音声記録を、声で演じていく。
情報解禁と共に、どんな作品なのか、小西成弥に行ったインタビューをお届けする。
『1999年。そのカセットテープに残っていたのは、懐かしい歌声だった。』
表舞台から姿を消したミュージシャン・倉津フミヤ(小西成弥)によって語られた、“ある曲”を巡る日々の音声記録。それを入手したかつてのバンドメンバー、折原翔(稲垣成弥)によって紐解かれていくフミヤの秘められた想い。時代を交錯して織り成される、青春の埋葬と昇華の物語。
俳優・小西成弥の“声”に魅力を感じて
――今回の企画、プロデューサーさんが小西さんの声に魅力を感じてオファーをされたと伺ったのですが、小西さんはこのお話を受けた時、どう思われましたか?
めちゃくちゃ嬉しかったです!僕、割と小さい頃からハスキーというか、低めの声だったので、自分の声に対してあまりいい印象を持っていなかったんです。でも、ここ数年で声のお仕事をさせていただくようになったり、ファンの方からも「声が好き」って言ってもらえる機会が増えて・・・。そんな風に言ってもらえるんだ、この声でいいんだって、自身が持てるようになりました。
その中で今回、「一緒に作品を作りたい」と声をかけていただけたこと、しかもボイスドラマと音楽が連動するという企画に呼んでいただけたことは本当に光栄なことでした。
――小西さんが出演を快諾されたことでできたのが、この『灰とカセットテープ』という物語ですが、脚本を読んだ時の印象は?
いい作品って、読み始めると止まらなくなるんですよ。脚本だけじゃなくて小説とかも、いつも一気に読み終わっちゃうんです。この『灰とカセットテープ』もそんな感じで、続きが気になるというか・・・。ボイスドラマを聞いてくださる皆さんも、物語の世界観に引き込まれて浸ることができるじゃないかなと思っています。ボイスドラマ用に書かれた作品なので当然なんですけど、耳で聞くのにすごくいい作品だなって思いました。
――音声を録りながら演じるって、舞台で演じる役作りや、朗読劇の役作りとは違いはあるのでしょうか?
今回、ありがたいことに収録の前に撮影をしていただきまして。そこで、役をイメージした衣裳を用意していただいたんです。あくまでもビジュアル撮影なので、実際にボイスドラマを収録する時はまた違うんですけど、時代や人物像なども「こんな感じなんだ」となんとなく掴んだ上で収録に臨むことができました。
マイクの前で話す時は、物語の中に出てくるバーがどんな雰囲気で、窓がどこにあるのか、そういうことを自分の中でイメージしながら本を読むようにしました。舞台や映像だと、美術やセットがあり相手が目の前にいるので、自然と物語の世界に没入できるんですけど、声だけで、しかも一人マイクの前でお芝居をするっていうのは、僕としては一番難しいと思うんです。なので収録の時はできる限り想像力を働かせながら、実際にバーで座っているような体勢で話したりと工夫しました(笑)。
小西成弥と稲垣成弥でWセイヤ!
――今回、一緒に作品作りをする相手が稲垣成弥さんで、Wセイヤですね。
そうなんです!名前が読みだけじゃなく漢字まで全く同じで。最近は共演させていただく機会がなかったんですけど、僕は勝手にめちゃめちゃ仲がいいと思っているので、たぶん笑いのツボも一緒なはずです(笑)。
――本作では、ミュージシャンのフミヤ(小西さん)と音楽プロデューサーになった翔(稲垣さん)という役でそれぞれご出演されますが、稲垣さんのボイスはもう聞かれましたか?
はい。めちゃめちゃ素敵でした!普段の(稲垣)成弥さんの声と、ボイスドラマの声として聞く成弥さんの声は、また全然違っていて。しかも「音楽プロデューサーの翔」という役にぴったりすぎて、聞いてびっくりしちゃいました。
――今回、「共演」ですが一度も直接顔を合わせていない、というのもおもしろい点ですね。
そうですね!久々にお会いするのがこのボイスドラマの声として、でしたから。演じているのは(稲垣)成弥さんだって分かってはいるんですけど、本当に「翔」の声として感じられました。不思議なんですけど、この作品にぴったりな感覚だった気がします。
小西成弥にとっての「音楽」とは
――本作は、実際に音楽と連動していく作品と伺っています。作品のキーとなる音楽をお聞きになって、どうでした?
ボイスドラマの中でこの曲が流れるのか・・・と想像すると、本当にぴったりだなと思いました。たぶん、単体で楽曲を聞いた時と、物語の中で曲が流れる瞬間では、感じ方が変わる気がします。
それから、今まで僕が色々な作品の中で歌わせていただいた楽曲の感じとはまたテイストが全然違うので、「歌う」ということで新しい一面をお見せできるんじゃないかと期待が膨らみました。
――ちなみに、小西さんご自身にとって音楽ってどういうものですか?
僕は、ライブのようにステージで歌う経験をさせていただくこともありますが、お芝居が活動のメインなので、やっぱり作品の中で触れる音楽の存在が一番大きいです。
今回のボイスドラマへの挑戦もそうなんですが、表現することが大好きで。「音楽の表現」については、自分の中でまだ明確になっていない部分がたくさんあるんですけど、歌ったり踊ったりすることの楽しさや、お客さんと一緒にライブを作り上げる楽しさが少しずつ掴めてきた気がするんです。
――このボイスドラマが音楽と連動した作品になるのも、小西さんが「音楽に興味がある」とおっしゃっていたのがきっかけだそうですね。
はい。プロデューサーさんにお話をいただいた時、改めて「音楽をやってみたいです」とお伝えしました。音楽の表現を探る中で、いつも「こんな楽しさもあるんだ」って発見が多くて。自分の中でさらに新たな可能性が広がるんじゃないかと思って、挑戦してみたいと思いました。
――音楽って、記憶と結びつきやすいものでもあると思うんですが、小西さんはそういうご経験はありますか?
分かります!学生時代に聞いていた曲がお店とかで急に流れてきたりすると、本当に一瞬でその頃の記憶が蘇りますよね。観ていたドラマの主題歌とかも、そのドラマの内容がすぐに思い出されたりもしますし。最近、ブルーノ・マーズと、エド・シーランのライブを観に行ったんですよ!会場にいるたくさんの人が笑ったり、泣いたり、感動している姿を観た時に、改めて音楽の力の強さというものを感じました。
あと、僕はミュージックビデオも好きなんです。ほんの3~4分の短い時間の中に詰め込まれた物語に、とても心が動かされるんですよね。すごいなって思うのと同時に、自分の中に湧き上がる不思議な感覚を味わうのが好きなんですよね。
――きっと、今回の劇中で流れる楽曲を聞いたら、ボイスドラマを聞いてくださった方の中に『灰とカセットテープ』をイメージしたそれぞれのMVがイメージとして浮かびそうです。
映像ではないから、聞いてくださる方の想像が自由に広がりますよね。『灰とカセットテープ』は、3ヶ月連続配信なので、早く次が聞きたい・・・ってなるかもしれないんですけど、TVドラマでも次を待つ1週間がドキドキワクワクする時間だと思うので、このボイスドラマも1ヶ月後を楽しみに待っていただけたらいいなと思います。
逆に考えると、3ヶ月かけてこの作品を感じ取ってもらえるのって、すごく豊かな時間になるんじゃないかなって思うんです。聞いていただいたら、なんとなく言わんとしていることが分かっていただけると思うんですけど、次の配信までの時の流れが、より作品に深みを持たせるというか。僕も皆さんと一緒にこの作品を味わいたいので、配信されるのがすごく楽しみです。
ボイスドラマだけにとどまらない企画が進行中?
――ボイスドラマのほかにも、何やら企画が進行中という話をちらっとお聞きしたのですが・・・。
たぶん「東京と大阪で何かが・・・」ということが発表になると思うんですけど、内容はまだ言えなくて(笑)。でも、僕としてはずっとやってみたかったこと、やりたかったことがようやく実現するので嬉しい気持ちでいっぱいです。
いつも応援いただいているファンの皆さんからは「これをやってほしい」というお声をたくさんいただいていたので、ファンの方には特に喜んでいただけるのではと思っています。初めての試みとなるので、いろいろとこれから話し合って、どういうことをしていくのか決めていきたいと思っています。ぜひ楽しみにしていてほしいです!
――ボイスドラマと音楽の掛け算が、どこまで広がるのか楽しみです。
『灰とカセットテープ』というボイスドラマ自体がめちゃくちゃいい作品になりました。
さらに、物語と音楽が交じり合った時に生まれる力はすごいものだと思うので、それを一人でも多くの方に届けられたらと思います。ボイスドラマも音楽も、その先もぜひ楽しみに待っていただけたら嬉しいです!
(取材/エンタステージ編集部 1号)
『灰とカセットテープ』作品情報
ボイスドラマ 配信サイト
・ドワンゴジェイピーオーディオブック
【6月30日まで応募者全員プレゼント実施中】
https://listengo.dwango.jp/page/audiobook-ashandcassettetape/
※詳細は配信サイトをご覧ください
配信スケジュール
TAPE.1:3月29日(金)配信開始
TAPE.2:4月26日(金)配信予定
TAPE.3:5月中旬以降予定
※本商品はデジタル音声コンテンツです
オリジナルグッズ
灰とカセットテープの世界をビジュアル化した撮りおろしのオリジナルグッズを4月より予約開始!詳細後日公開!
マルチメディア展開
2024年6月予定 ※詳細後日発表!!
・6月12日(水)東京
・6月26日(水)大阪
『灰とカセットテープ』公式X(Twitter):https://twitter.com/dreamline_inc
youtube.com/c/Dreamlineinc
スタッフ
Created by Creative Hub Swimmy
脚本:石川竜之介
演出:前川達哉
編集:原田季和
写真:水津惣一郎
衣裳:石橋万里
ヘアメイク:藤原玲子
REC&MIX:渡辺壮佑(euclid music publishing)
ロゴデザイン:浜元理恵(elements,H)
衣裳アシスタント:和田あかり
撮影助手:関智広
AP:中井彩(Dreamline inc.)
Produced by 羽田野嘉洋(Dreamline inc.)
企画・楽曲制作:ドリームライン