『プリンス・オブ・マーメイド』市村優汰×石原颯也で伝える海のSDGs【レポート・動画あり】

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2024年8月12日(月・祝)まで東京・有楽町よみうりホールにて、海のSDGsプロジェクト・ファミリーフェスティバル 海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド~海と人がともに生きる~』が上演されている。本記事では公開ゲネプロと取材会の模様をレポート。取材会には、市村優汰、石原颯也、天翔天音、彩乃かなみ、駒田一、小堺一機が登壇した。

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

目次

『プリンス・オブ・マーメイド』は「海と人との共生」を描く音楽劇

本作は、人魚の王子タリクと伝説の国の王女サラとの愛と冒険の物語を通して「海と人との共生」を描く海の音楽劇。2021年初演、2022年公演を重ね、エデュケーショナル・エンターテインメントとして好評を博し、さらなる進化を遂げ、2024年夏、新たなる上演となる。

人魚の王子タリク役は、市村正親の長男で、ミュージカル『オリバー!』にて本格俳優デビューを果たし今回が舞台初主演となる市村優汰と、「ホリプロ☆ネクストProduced by美男子図鑑」2022年グランプリ受賞の石原がWキャストで演じる。

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

さらに、ヒロインのティヤム王国の王女サラ役には藤岡弘、の次女で天翔天音、海の魔女セイレーン役には、元宝塚歌劇団エトワールを数多く務めた彩乃かなみが前回公演から続投。

海賊バッカーナ役には、『レ・ミゼラブル』テナルディエ役をはじめ多くの舞台作品に出演する駒田一、海の道先案内人ベニクラゲ役には、テレビ・ドラマ・ラジオのほか数々の舞台で活躍する小堺一機が名を連ねる。

そして、『EndlessSHOCK』など多くの舞台で活躍する日本初の女性アクロバットダンス・カンパニーG-Rocketsが、エアリアルパフォーマンスやアクロバットダンスで海の浮遊感やダイナミック感を彩る。

また、本公演ではファミリーフェスティバルとして、本作出演のG-Rocketsによる「海の不思議ダンスワークショップ」と、本作スーパーバイザーのお魚王子こと岸壁幼魚採集家・鈴木香里武による「海のスペシャリスト講演会」を劇場にて同時開催する。

『プリンス・オブ・マーメイド』取材会で市村優汰らがフレッシュで初々しい意気込みを披露

ゲネプロを終えたばかりの市村は、開口一番に「初めての主演で、ちょっと緊張していたんですけど、劇場に入って稽古をして、こういう風にできたのがとても嬉しく感じています」と安心した表情を浮かべながら、「ずっと緊張はしているんですけど、もう(舞台に)出ちゃったらこっちのものだっていう気持ちで演じています」と笑顔を見せた。

Wキャストで8月9日が初日となる石原は「僕も初主演、初舞台なので初めてがたくさんあるんですけど、初めてながら学ぶことがたくさんあって、稽古場でもたくさん教えてもらって、自分で努力して頑張ってきたので、全力で今までの成果を出せるように頑張りたいと思います」と意気込みを披露。

続けて、市村が出演したゲネプロについて「自分が出たらどうなるんだろうっていうのをちょっと想像しながら観ていて、それも含めてダブルで楽しめました。(Wキャストとして)本当に演じ方も全然違うので、2人の違いを観ていただけたらと思います」と感想を述べながら、「あと喋っていてわかるかもしれないんですけど……」と話すと、突然「ハッ!イェーイ!!」と元気いっぱいに声を張り上げ、「爽やか系プラス元気という気持ちでやっていきたいと思っているので、ぜひそんな部分を観ていただけたらと思います」と自己アピールした。

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

初めてのヒロインで初舞台となる天翔は「約1か月間、本当に今日の初日を迎えるまで、一生懸命このカンパニーの皆さんと駆け抜けてきました」と稽古を振り返り、「劇場入りして、劇場の中でお芝居していく皆さんと繋がりながらお芝居できて、すごく楽しいですし、こういう感じなんだと身にしみて実感してるというか、一生懸命楽しんで頑張りたいと思います」と意気込んだ。

海の魔女という役柄について、彩乃は「主演の2人と天翔さんをいじめ抜く毒々しい役なんですけど」と笑うと、「3人はとても上品で、フレッシュで、みずみずしくって、そのみずみずしさを見ていて、いつもお稽古場で若いって素晴らしいというのを毎日感じていました。その毒々しさを出しながら、セイレーンの痛みや悲しみなどに広げていけたらいいなと思っております」と目標を掲げた。

いじめ抜くための役作りを問われると、彩乃は「いえ決意は必要ありません。私の中にあったもので十分です(笑)」と答え、会場が笑いに包まれると、改めて「でも、3人が本当に真剣な面持ちで私に向かってきてくれるので、もっと私もそこに感化されて、エネルギーを出していけたらと思ってお稽古していました」と語った。

海賊の格好をして登壇した駒田。若手キャストと海賊姿の自分を比べながら「私も40年前は爽やかで売ってたんです」とのコメントに、会場の取材陣も爆笑。初日を迎えた心境として、「お子様から年配の方まで、非常にバラエティーに富んで楽しめる作品が出来上がったんじゃないかと思っております。私もお客様と交流をしながら、自分自身も楽しんで演じられるような気がしています」と語り、「ラストまで事故や怪我のないようにみんなで協力し合いながら作品作りができたらと思ってわくわくしております」と意気込みを語った。

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

ベニクラゲ役の小堺は「僕も芸能界に入って初クラゲ役なんで、クラゲの図鑑を見たりしたんですけど、特に参考にはなりませんでした」と冗談を飛ばすと、「調べたらクラゲは脳がないという、神経で生きているそうで、そこが私に一番近いかなと思います」と答えて、会場の笑いを誘った。

さらに、若手キャストたちについて「僕らの若い時って意味なく生意気な人とか、どこにそんな自信があるのって生意気な人が多かったんです。でも、この3人はまっすぐで気持ちのいい若者たちなんですよ。ちゃんとしてますしね」と褒め称えると、市村の父親である俳優・市村正親、天翔の父親である俳優・藤岡弘のことに触れながら、「特に市村くんと天翔さんには、お父さんにもすごくお世話になっていたので、そんなところも感慨深いです」と思いを明かした。

そんな市村と天翔は父親からアドバイスを受けたかと尋ねられると、市村から舞台上で姿勢を良くするためにおもちゃの銃を背中に突きつけられたとの答えに会場から笑いが起こった。天翔は、藤岡が家での練習相手としてタリク役を演じてくれたことや、サラも演じて見せてくれたと打ち明けた。

『プリンス・オブ・マーメイド』海と人との共生を描くエデュケーショナル・エンターテインメント

ゲネプロは、Wキャストとなっているタリク役を市村が演じるバージョンが公開された。

人魚と人間が暮らす伝説のティヤム王国が一夜にして海に沈んでしまう。その悲劇を目撃した海の魔女セイレーンはあることを心に期す。それから2000年後の世界。戴冠式を目前にした人魚の王子タリクは不思議な鐘の音に導かれ、人間の世界へと飛び出し、海賊バッカーナに囚われていたティヤム王国の王女サラと出会う。そして、2人の海の旅が始まる・・・。

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

「深層海流」やクジラの「サウンドチャンネル」といった海の壮大な営みや神秘を脚本や演出に反映し、ドラマティックな物語として描く本作。カラフルで煌びやかな深海の世界で、エアリアルパフォーマンスやアクロバットダンスによって海中の浮遊感やダイナミック感を実現することで本作ならではの魅力を際立たせ、映像効果に様々な歌唱やダンスを駆使し、エンターテインメント性のある雄大な海の物語を舞台上に綴る。

また、「海のSDGsプロジェクト・ファミリーフェスティバル」と標榜する本作だけに、物語の中に「食物連鎖」、地球温暖化などによる「珊瑚の白化現象」、プラスチックごみによる「海洋汚染問題」なども組み込み、舞台美術にも大量の廃品ペットボトルを使用し、海に投棄された漁具やごみを海の魔女セイレーンの衣裳に反映するなど、海洋汚染問題を視覚的にも表現することで、深く考えさせる物語にもなっている。

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

舞台初主演となる市村は、初々しさとはつらつさで人魚の王子の純粋さと若者らしさを好演。歌唱シーンでも柔らかく甘い声を劇場に響かせ、エアリアルパフォーマンスにも挑戦するなど、見どころの多い役柄を演じる。

ヒロインとなる王女サラを演じる天翔も初舞台ということで初々しさをあふれさせ、透き通る声でヒロインらしく歌い上げながらも、空手を得意とする天翔らしく殺陣のシーンでも存在感を見せつける。

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

そんなフレッシュな若手キャストを支えるベテランキャストの彩乃、駒田、小堺。彩乃は、物語の重要な役回りでもあるセイレーンをステージ上で華々しく演じ上げ、圧倒的な歌唱パフォーマンスとともに輝き放つ。そして、駒田と小堺の2人はコメディーリリーフとして物語に笑いとアクセントを加えながらも、魅力たっぷりな歌唱シーンを披露してくれる。

エアリアルパフォーマンスや空中ブランコ、LEDパフォーマンスなどエンターテインメントに美しく彩られた海の世界を舞台に、海と人との共生を描くエデュケーショナル・エンターテインメントとして描く唯一無二の舞台の幕が上がる。

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

海のSDGsプロジェクト・ファミリーフェスティバル 海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド~海と人がともに生きる~』は、8月8日(木)から8月12日(月・祝)まで東京・有楽町よみうりホールにて上演。

『プリンス・オブ・マーメイド』公演情報

【公式サイト】https://prince-of-mermaid.com/
【公式X】@prince_of_m001

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

海の音楽劇『プリンス・オブ・マーメイド』舞台写真

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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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