一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

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一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

「僕たちが学校の裏山に埋めたタイムカプセルを一緒に掘りに行きませんか?――テラニシカツヒコ」同窓会前日に届いた一通の手紙から、始まる悲劇の“監禁劇”が、装い新たに幕を開けた――。

2023年11月8日(水)に東京・あうるすぽっとにて、OFFICE SHIKA PRODUCE Operetta『YAMA-INU』が開幕した。本作は、入交星士の小説「山犬」を原作とした舞台作品で、オフィス鹿プロデュースで過去に3度上演されてきた。今回は、バイオリンの生演奏による「Operetta(軽歌劇)」として、丸尾丸一郎の脚色・新演出で新たなアプローチに挑戦している。

出演は雷太、財木琢磨、横山結衣、大宮大奨、丸尾丸一郎、玉城裕規の6名。

一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

物語は、同窓会の前日に届いた一通の手紙から動きだす。しかし、誰もその名前に覚えがなかった。10年ぶりに再会した同級生たちは、手紙に導かれ、タイムカプセルを掘るために学校の裏山へ向かう。タイムカプセルの中には、白骨と「テラニシカツヒコ」という、手紙の差出人の名札が入っていた。

その時、何者かに襲われて山小屋に監禁されてしまう。そして、始まる記憶探しのサバイバルゲーム。
「シヌキデオモイダセ――」
誰かが過去を思い出す度、配給される食糧・・・。果たして彼らは解放されるのか、それとも恐怖と空腹に支配されてしまうのか?

一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

舞台に渦巻くサスペンスホラーなストーリー、そして臨場感を極限に高めるバイオリンの生演奏。さらに、伊インターナショナル·ダンス·フェスティバルにて日本人初新人振付家として優勝し、2014年には米NYにてジェイディン·ワン·アワード受賞、2021年には東京オリンピック2020競技大会・開会式にて森山未來への振付で話題となった大宮大奨が振付を手掛け、『YAMA-INU』の歪な純愛を唯一無二のパフォーマンスで表現。さらに、大宮は物語の鍵を握る重要な役「或る男」役としても出演し、身体を駆使して見せる演技で、言葉を超えた感情をダイレクトに叩きつける。

一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

そして、雷太は出演のみならず、公式Tシャツのプロデュースも手掛けるなど、丸尾とともにクリエイションの立ち上がりから作品の根幹を探求。独特の存在感で魅せる歌唱シーンは圧巻だ。

一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

財木は、男の情けなさ、醜さを体当たりでさらけ出し、また元AKB48メンバーでダンス力・表現力に定評のある横山は、カンパニーメンバーと最後まで作品に真摯に向き合い、歌唱パフォーマンスシーンを高めてきた。彼らの人間らしい魅力に溢れる、生々しいまでのぶつかり合いが、客席を飲み込んでいく。

一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

そして、玉城は曲者だらけのキャラクターの中でも燦然と輝く「変な男」を、持ち前の身体表現センスで圧倒する。音、空間、心からこの異色の作品を楽しんでいるような、そんな彼の姿から目が離せなくなる。

一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

そして丸尾は、今年春に演出をつとめた舞台『桜姫東文章』(原作:鶴屋南北/脚本:加納幸和/主演 三浦涼介)や、脚本を務めた映画『Gメン』(監督:瑠東東一郎/主演:岸優太)など、活躍の場を広げる丸尾は、全ての『YAMA-INU』出演皆勤賞。劇団鹿殺しの古参ファンに愛さ続ける、ポップでクレイジーでバイオレンスな芝居心をいかんなく発揮している。

一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

なんといっても、今作のために書き下ろされた11曲の多彩な楽曲が、物語の狂気性を高めていく。丸尾の世界にどっぶりと浸るカンパニーメンバー一丸となって挑んだ開幕初日、客席は笑いと戦慄に満たされていた。

日本の片隅で、どこにでもありうる⻘春の1ページ・・・のはずだった、彼からの「手紙」を受け取るまでは。

悲しくも歪な愛情が、無責任に投げられた無邪気な言葉が、無情に過ぎた年月が、どこにでもあるはずだった甘酸っぱい⻘春を、暴力的に狂わせていく。誰もが無自覚に人を傷つけているかもしれない――。

儚くも美しいバイオリンの生演奏、大宮大奨と作り上げる唯一無二のパフォーマンスシーン、痛いほどに感情が刺さる11曲の音楽、そして生歌唱が極限まで客席をえぐる2時間10分は、決して日常では味わえない特異な時間だ。

一通の手紙から始まる悲劇の“監禁劇”――雷太、財木琢磨、横山結衣ら出演Operetta『YAMA-INU』レポート

OFFICE SHIKA PRODUCE初のオペレッタ、Operetta『YAMA-INU』11月12日(日)まで東京・あうするぽっとにて上演。当日券は全公演用意(完売回は抽選方式)され、公式サイトでは開演の3時間前まで取置チケットも扱っている。

なお、11月11日(土)の2公演、11月12日(日)の2公演では、ライブ配信の実施が決定。劇場とはまた違う視点で楽しみたい方はぜひチェックを。

目次

OFFICE SHIKA PRODUCE
Operetta『YAMA-INU』公演情報

上演スケジュール

2023年11月8日(水)~11月12日(日) 東京・あうるすぽっと

スタッフ・キャスト

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【原作】入交星士(小説「山犬」)
【脚色・演出】丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)

【出演】
飯田誉(イイダ)役:雷太
東弘樹(ヒロキ)役:財木琢磨
友部由紀(ユキ)役:横山結衣
或る男役:大宮大奨
コック役:丸尾丸一郎
テラニシカツヒコ役:玉城裕規

チケット(全席指定・税込)

S席(特典付き):前売 6,900円/パンフレット付き前売 8,800円
雷太プロデュース『YAMA-INU』Tシャツ付き前売:9,900円
A席:前売:5,900円/パンフレット付き前売:7,800円
雷太プロデュース『YAMA-INU』Tシャツ付き前売:8,900円
ヤング券(U-25):4,000円/高校生以下:1,000円
※S席特典は「キービジュアルクリアファイル」
※ヤング券、高校生以下チケットは各回枚数限定
※公式サイトで【開演3時間前まで】取置チケット販売中

ライブ配信

配信公演スケジュール

11月11日(土)
13:00公演 全景配信
18:00公演 スイッチング配信
11月12日(日)
11:30公演 スイッチング配信
16:00公演 スイッチング配信
※配信公演はライブ配信終了後1週間アーカイブ視聴が可能

あらすじ

「私たちが埋めたタイムカプセルを一緒に掘りに行きませんか? テラニシカツヒコ」

同窓会の前日に届いた一通の手紙。しかし、誰もその名前に記憶がない。
10年ぶりに再会した同級生たちは、手紙に導かれて、タイムカプセルを掘るために学校の裏山へ向かう。
タイムカプセルの中には、白骨とテラニシカツヒコの名札が入っていた。
その時、何者かに襲われて山小屋に監禁されてしまう。
そして、始まる記憶探しのサバイバルゲーム。
「シヌキデオモイダセ」 誰かが過去を思い出す度、配給される食糧・・・。

果たして彼らは解放されるのか、それとも恐怖と空腹に支配されてしまうのか?

公式サイト

【公式Twitter】@Operettayamainu
【公式サイト】https://shika564.com/yama_inu

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