2023年11月3日(金・祝)より上演されるミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』。そのオンライン稽古場取材が、10月18日(火)に行われた。
『スライス・オブ・サタデーナイト』は、1960年代のロンドンを舞台に、誰もが経験するティーンエイジャーの恋の駆け引きや悩み、葛藤を描いたミュージカル作品。日本では約30年ぶりと上演となる今回は、演出を元吉庸泰、主演を河下楽が務め、土曜日の夜に巻き起こる一夜の出来事を30曲超えのロックンロールに乗せて描く。
このほか、物語のキーとなるティーンエイジャーたちを、神里優希、一色洋平、石川新太、黒沢ともよ/ダンドイ舞莉花(Wキャスト)、熊谷彩春、高田夏帆、田野優花らを演じ、日本にタップダンスを広めた第一人者HideboHと、30年前の上演時にも出演していた川平慈英が、ティーンエイジャーたちを見守る常連客とクラブのオーナーとして参加。
取材会で、最初に披露されたのは物語の始まりを飾る「A Slice of Saturday Night」。ティーンエイジャーたちが集い踊るオープニングナンバーだ。一曲の中で、少年少女たちが自分たちのスタンスや野心をクラップしながら歌い上げ、活気溢れるシーンとなっていた。なお、披露されたのは稽古場バージョンということで、稽古場ではまだまだ試行錯誤中。劇場に入って、さらにエネルギッシュなシーンに仕上がりそうだ。
続いては、クラブのオーナー・エリック役の川平を中心とした「If You wanna Have Fun」。スタンドマイクを手にした川平はまさにノリノリ!中継カメラ越しにも、そのご機嫌な様子が伝わってきた。
続く「The Long Walk Back」は、シャイで無邪気な主人公リックが歌う楽曲。河下が、臆病でふがいない心情をしっとりと丁寧に歌い上げる。ミュージカル初主演となる河下を盛り立てるように、座組が見守り盛り立てる様子が印象的だった。
演出の元吉は「どれもどこかで聞いたことのある楽曲となっています。1960年のロンドンは、世界で文化の中心と呼ばれた“スィンギング・ロンドン”という素晴らしい文化が花開いた時代です。若者たちの衣裳も本当に賑やかなものをご用意しておりますので、そういう部分も楽しんでいただければと思っております」と語った。
最後は、リックとエリックを中心に2幕冒頭で歌われる「Eric’s Hokey-Cokey Shuffle」。この楽曲は、非常に印象的な振付がつけられていた。一度見たら、一緒に身体を動かしたくなるような楽しいナンバーだ。
ほんの一部を観ただけでも、心が躍った本作。ぜひ、11月は劇場という「CLUB A Go-Go」へ!
ミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』は、11月3日(金・祝)から11月19日(日)まで東京・有楽町よみうりホール、11月21日(火)から11月23日(木・祝)まで大阪・松下IMPホール、11月28日(火)に仙台・電力ホールにて上演される。
(取材・文/エンタステージ編集部 1号、撮影/岡千里)
ミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2023年11月3日(金・祝)~11月19日(日) 有楽町よみうりホール
【大阪公演】2023年11月21日(火)~11月23日(木・祝) 松下IMPホール
【仙台公演】2023年11月28日(火) 電力ホール
スタッフ・キャスト
【作】ザ・ヘザーブラザーズ
【翻訳・訳詞】小田島創志
【演出】元吉庸泰
【音楽監督】大嶋吾郎
【振付】原田薫
【出演】
河下楽 神里優希 一色洋平 石川新太
黑沢ともよ・ダンドイ舞莉花(Wキャスト) 熊谷彩春 高田夏帆 田野優花
HideboH/川平慈英
伊藤広祥 黑田陸 山口ルツコ 深瀬友梨 齋藤千夏 秋野祐香
あらすじ
イギリスのとある地方都市のサタデーナイト。
地元の人気店「CLUB A Go-Go」は人生の学校、青春の世界。ティーンたちが集い社会のすべてを知る為に学ぶ場所。
無邪気なリックと優しいシャロン。シャイな二人は互いに好き合っているのに恥ずかしくて言い出せない。
気弱なスーは崇拝しているゲリーと付き合っている。
けれどハンサムで自信家のゲリーはセクシーで魅力的なペニーや他の女の子にもちょっかいを出す。
男の子たちは、粋がっているエディに、クールなリーダー格の女子ブリジットを閉店までに口説き落とせと挑発している。
個性豊かなティーンエイジャーたちが織りなすロマンスや葛藤をクラブオーナーのエリックは揶揄いつつも励まし、見守っている。まるで家族のように。
さあ!土曜の夜は『CLUB A Go-Go』へ!!
公式サイト
【公式サイト】https://slice.of.saturdaynight.jp/
【公式X(Twitter)】@a_sosNIGHT