2023年9月28日(木)に『ハロルドとモード』が東京・EXシアター六本木にて開幕する。本作は、1971年にアメリカで公開された同名映画を舞台化したもので、黒柳徹子がライフワークとして79歳のチャーミングな女性モードを演じており、今回で4度目の上演となる。19歳の恋人役はSnow Manの向井康二が務める。
上演台本・演出を手掛けるのはG2。60歳差のあるちょっと変わった二人のラブストーリー。ブラックユーモアを随所に散りばめながら、コメディータッチで生きることの楽しさを浮き彫りにしていく。
物語は、狂言自殺を繰り返す愛に飢えた19歳の少年ハロルド(向井)と、自分らしく生きる79歳の女性モードが、“赤の他人のお葬式”で出会うことから動き出す。真逆の死生観を持つ二人だったが、何度か顔を合わせたことにより、仲を深めていく。
パワフルな生き方をするモードに、次第に惹かれていくハロルド。周囲の人々は、二人の交際に大反対するが、二人はまったく気にしない。そんなある日、生きることの楽しさをモードから学んだハロルドは、モードの80歳の誕生日パーティーを開くのだが・・・。
ハロルドとモードを取り巻く人々を演じるのは、桜井日奈子、片桐仁、渡辺いっけい、戸田恵子の4名。ハロルドの母、警官、お見合い相手、神父、軍人、医者など、二人に関わる人々を、朗読劇であることを忘れさせるぐらい、ダイナミックかつ生き生きと演じ分けていく。
そして、1977年の来日公演を観劇して以来、「この役を演じてみたい」という想いを募らせ、叶えた黒柳は、お茶の間の誰もが知る著名人でありながら、そのことを忘れさせる。型破りだけどキュートなモードという女性像を、朗読の合間に見せるちょっとした表情で、想像力の中で自由に羽ばたかせる。まさにハマり役だ。
向井が演じるハロルドは、2020年公演では生田斗真、2021年公演では藤井流星(ジャニーズWEST)、2022年公演では佐藤勝利(Sexy Zone)が演じた。そのバトンを受け継ぎながら、向井らしいハロルド像を見せた。手練れの共演者たちと呼応しながら、熱量が上がっていく様に本番へ向けてさらなる期待が募った。また、向井の声の良さを味わえるのも朗読劇の醍醐味だろう。
再演が繰り返され、キャストが変わることで、物語も登場人物も多面的な広がりを見せる。今回の座組は、これまでで最も“動いていないのに、動いている”。朗読劇という、ある意味制限が課せられた中での、表現の多彩さを感じられるのではないだろうか。
『ハロルドとモード』は、9月28日(木)から10月12日(木)まで東京・EXシアター六本木、10月14日(土)から10月16日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。上演時間は約2時間を予定。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
初日コメント紹介
黒柳徹子
原作も良く、映画にもなり、皆様の好きな作品だけあって、幕が閉じた時、きっと皆さまは良かったと感じていただけると思います。
戸田さんは迫力があってステキ!
向井君、プライベートの姿からもハロルドにピッタリ!
渡辺さん、とっても力強くて、おもしろい!
片桐さん、普段の言動からおもしろい!
桜井さんは、表情豊かでかわいい!
今回の出演者の『ハロルドとモード』をお楽しみください!
向井康二
稽古を通してお芝居の楽しさを感じました。
朗読劇は初めてなのでどういうものなのかワクワクもしていましたが、
いざやってみるとやはり難しいことがいっぱいで、学ぶことがたくさんあります。
さらに、共演者のみなさんの演技が本当に素晴らしくて刺激を毎日もらえました!!
稽古場の雰囲気は温かくてとても楽しいです。
戸田さんがよくフルーツを差し入れしてくださり、みんなで一緒に食べたりもしていました。
徹子さんが稽古前よく食べているのですが、席が隣なので可愛いなと思いながらこっそり見てます。
そんな徹子さんだからこそモードという素敵な女性を自然に演じられるのかなと思います。
僕はこの作品が大好きなので、この舞台の一員として参加できることが幸せです。
公演を楽しみにしている皆さん。
観てもらった後に何か大切なものを皆さんなりに受け取ってもらえたら嬉しいので
僕は1公演1公演大事にハロルドを演じたいと思います。
劇場まで気をつけてご来場ください!
桜井日奈子
黒柳徹子さんが演じていらっしゃるモードの、常に新しい経験を求める生き方が、私は大好きです。 生きていく中で様々なしがらみを抱え、平坦に生きてしまう、私を含めそんな方は少なくないと思います。 この作品は、人や物に執着しない、モードの型破りな生き方に心躍らされる作品です。 存外面白い芝居をするねと言われる事が今回の目標です。 大ベテランの皆様とご一緒できることを心から感謝して、精一杯頑張ります。
片桐仁
“落語的な演出”とG2さんが仰っていた通り、見ている人の想像力をかき立てる朗読劇になっていると思います。僕は役柄ごとに着替えるので、普段の演劇に近い感覚でやれるのも面白いです。
モードの台詞を黒柳さんが発すると、「普遍的ないいこと言ってるなー」といつも思います。素直な向井くんハロルドとの掛け合いが最高です。
早く皆さんにも体感して欲しいです!
『こうでなければならない』『こうあるべきた』みたいな、いつも僕たちの周りにある見えない圧力を、軽く吹っ飛ばしてくれる朗読劇だと思います。
楽しんでいただけるといいなー
渡辺いっけい
ちょっと普通ではない2人が出会い、心を通わせていく物語です。
稽古を重ねるうちに「普通って一体なんだろう。幸せってなんだろう?」演者である僕自身が色々と考えさせらています。
個性の全く違う6人の声がピアノの調べに乗って紡いでいく「朗読劇の名を借りたゲリラ芝居」です。
ふっふっふっ。心してご覧ください!
戸田恵子
稽古場では日々の徹子さんのモードの台詞に泣いてばかりでした。聴き入ってしまうと、自分の出番に影響ありと思い、みみを半分塞いでます。
こんなゴージャスな朗読劇は無いです。至極の台詞があちこちに散りばめられていて、感動です。どうぞお楽しみに。
『ハロルドとモード』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2023年9月28日(木)~10月12日(木) EXシアター六本木
【大阪公演】2023年10月14日(土)~10月16日(月) 森ノ宮ピロティホール
スタッフ・キャスト
【作】コリン・ヒギンズ
【上演台本・演出】G2
【出演】
黒柳徹子 向井康二(Snow Man) 桜井日奈子 片桐仁 渡辺いっけい 戸田恵子
公式サイト
【公式サイト】https://haroldandmaude.jp/