平間壮一の撮影現場に密着!a new musical『ヴァグラント』ビジュアル撮影レポート

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平間壮一の撮影現場に密着!a new musical『ヴァグラント』ビジュアル撮影レポート

2023年8月から9月にかけて上演される、a new musical『ヴァグラント』。本作は、ポルノグラフィティのギタリストである新藤晴一が初めて手掛けるオリジナルミュージカル作品。100年前の日本をメタファーに、彷徨う(=ヴァグラント)ものたちを新藤の歌詞と音楽で描いていく。本記事では、主演(Wキャスト)の一翼、平間壮一のビジュアル撮影現場に密着。平間へのインタビューを交えながら、その模様をレポートする。

平間壮一の撮影現場に密着!a new musical『ヴァグラント』ビジュアル撮影レポート

2019年秋頃からスタートした本企画。原案を考える新藤のもとに、脚本・演出として板垣恭一が合流し、1年以上に及ぶ打ち合わせを重ねてプロットや脚本が練り上げられてきた。ビジュアル撮影は、クリエイターたちの頭の中にある物語が視覚化する第一歩だ。現場には、撮影の全体的なディレクションのために訪れた新藤の姿も。次々とカメラの前に立つキャスト陣を笑顔で見守っていた。

今回、新藤が物語の舞台としたのは「大正時代」。そして、主人公となる佐之助は、“マレビト”と呼ばれる芸能の民で、めでたいことや不吉なことがあった場所に赴き、歌や踊りを披露することを生業としていた。

「ヒト様の人生に区切りをつける」・・・それゆえに、マレビトは「ヒト様」と安易に接触することを禁じられている。しかし、「ヒトの正体」を知りたいと、招かれた炭鉱の街で出会った若者たちに興味を持つ・・・。

佐之助の衣裳を身にまとい、ニコニコと撮影現場に現れた平間。近年、ミュージカル作品へのフィールドでの活躍が目覚ましく忙しくしている平間だが、いつもと変わらず、肩肘張らずの自然体だ。それは周囲にも伝播するようで、非常にリラックスした中で撮影が始まった。

平間壮一の撮影現場に密着!a new musical『ヴァグラント』ビジュアル撮影レポート

冒頭に、佐之助という人物像について軽くレクチャーを受ける。役のイメージを聞くと、親和性を感じたようで「俺ですね(笑)」と笑っていた。前日には、同役のWキャストである廣野凌大も撮影を行っており、佐之助について、平間と同じく「俺だ!」と言っていたそう。個性の異なる二人だが、共にシンパシーを感じた「佐之助」というキャラクターが、実際に登場人物として動き出す日が楽しみだ。

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歌や踊りを生業とする“マレビト”を表現するため、動きを求められると、平間の表情が一変。全身を大きく躍動させ、ダイナミックに踊りながらカメラを見据える。この段階では、物語の輪郭はまだ明確ではなく、演出もついていない。しかし、平間の中では確実に「佐之助」が息づき始めていた。

平間に、どんなイメージで撮影に臨んだのかと聞くと「現段階(撮影時)ではまだ佐之助がどんな人物なのか、バックボーンなどまでは分かっていないんですが、イメージを伺って、身体の中にどこか怒りや孤独を抱えて生きている子なんじゃないかなって思ったんです。マレビトと“ヒト様”と何が違うのか、興味があるから自分から近づいていく。同じ人間なのに、何が違うんだろう。そういうことを日々考える中で生まれるストレスや孤独感を考えながら動いてみました」という答えが返ってきた。

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実際に動いてみたことで、さらにイメージが膨らんだようで「踊りとして動くことが、エネルギーとして発散されて、そのパワーが人々を惹きつける。それがマレビトの歌や踊りが“区切り”となる原動力なのかなって。ただ楽しく陽気に踊ってみせるのではなく、心に響く踊り、人の痛みを分かって表現できる、そんな感じで実際の役も作っていけたらいいなと思いました」と、役作りのヒントも得たようだ。

また、ビジュアル撮影の衣裳が本番衣裳と同じだったことで、「皆さんのビジュアルを見てると、僕らマレビトは民族衣裳のようだけど、キャラクターによって全然テイストが違いますよね。住んでる世界が違うんだなあって。その世界がどういう世界なのかはまだ想像ですけど、作っていく段階で少しずつ分かっていくのが楽しみです」と、少し先の稽古へと思いを馳せていた。

オリジナル作品は、ゼロからの生みの苦しみと自由な発想で作れる楽しみが背中合わせ。平間は、「こういった撮影に始まり、こっちかな?あっちかな?と探りながら、みんなで作っていけるのもオリジナル作品のいいところなんですよね。舞台って、初日が開く時、もっと言えば千秋楽を迎える日まで完成しないものでもあるから、最後の最後まで突き詰めていきたいと思います。新藤さんがどんな物語を描かれたのか、全容を知る日が楽しみです」と笑顔を見せていた。

最後に、上演に向けて「時代の移り変わりの中で、人の判断基準とか、他者との付き合いもどんどん変わってきていると思うんですけど、過去から学べることはいっぱいあるので、観てくださった方の価値観に何かいい作用をもたらせる作品になればいいなと、僕は思っています。未来を担う世代の方には耐えるだけがすべてじゃないこと。人生の先輩方には、良くなかったことと、逆に今の時代に必要なことを見つけてもらうこと。そうやって、観てくれた方が一歩先へ進めるような舞台にできたらと思っていますので、ぜひよろしくお願いします」と語ってくれた平間。

平間が、Wキャストの廣野と共にどのような主人公像を作っていくのか。新藤がどんな物語を生み出し、私たちがそれを受け取った時に何を思うのか。公開されているビジュアルを眺めながら、まだ見ぬ物語へと想像の羽を自由に羽ばたかせながら、8月19日からの上演を待ちたい。

平間壮一の撮影現場に密着!a new musical『ヴァグラント』ビジュアル撮影レポート

a new musical『ヴァグラント』は、8月19日(土)から東京・明治座、9月15日(金)から大阪・新歌舞伎座にて上演される。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

目次

a new musical『ヴァグラント』公演情報

スタッフ・キャスト

【プロデュース・原案・作詞・作曲】新藤晴一(ポルノグラフィティ)
【脚本・演出】板垣恭一

【出演】
平間壮一・廣野凌大(Wキャスト)/小南満佑子・山口乃々華(Wキャスト) 水田航生 上口耕平 玉置成実/平岡祐太 美弥るりか

宮川浩 大堀こういち 吉田広大 遠山裕介 加藤潤一 礒部花凜 大月さゆ
山田裕美子 酒井翔子 杉山真梨佳 大泰司桃子 大川永
松村曜生 辰巳智秋 宇部洋之 大村真佑 りんたろう 荒川湧太

吉見彗 杉山穂乃果 脇山桃寧(※子役トリプルキャスト)

上演スケジュール

東京公演
2023年8月19日(土)~8月31日(木) 東京・明治座
<アフタートーク>
8月21日(月)13:00公演
廣野凌大、山口乃々華、美弥るりか、(MC)水田航生
8月25日(金)18:00公演
平間壮一、小南満佑子、上口耕平、(MC)水田航生
8月30日(水)18:公演
新藤晴一、平間壮一、平岡祐太、加藤潤一、(MC)水田航生

大阪公演
2023年9月15日(金)~9月18日(月・祝) 新歌舞伎座
<アフタートーク>
9月15日(金)13:00公演
新藤晴一、廣野凌大、上口耕平、玉置成実、遠山裕介、(MC)水田航生

<チケット>
【一般発売】【東京公演】発売中
【大阪公演】7月20日(木)AM10:00~

公式サイト

【公式サイト】https://vagrant.jp/
【公式Twitter・TikTok】@vagrantjp




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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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