劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演インタビュー!演出・須賀健太が加藤憲史郎に感じる「等身大のエモさ」

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劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演インタビュー!演出・須賀健太が加藤憲史郎に感じる「等身大のエモさ」

2023年8月に、人気バレーボール漫画「ハイキュー!!」が再び舞台になる。劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演と冠した新たなカンパニー。主演として、主人公・日向翔陽役に抜擢されたのは15歳、高校1年生の加藤憲史郎。演出を手掛けるのは、同役の経験者でもある須賀健太。本格始動を前に、二人は今、劇団「ハイキュー!!」の旗揚げに何を思うのか。話を聞いた。

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<対象公演>
8月19日(土)13:00公演(初日)
8月19日(土)18:00公演
8月27日(日)13:00公演
8月27日(日)18:00公演(千秋楽)

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――「ハイキュー!!」が再び舞台に、さらに演出が須賀さん、主演が加藤さんと聞いた時は、とても驚きました。

須賀:原作が完結し、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」も2021年で完結までいきましたが、コロナ禍だったこともあり、全公演を無事に終えることはできなかったんですよね。僕は最後まで出ていたわけではなかったけれど、やっぱり過去に関わらせていただいていたから、悔しい想いもあって。そんな中で、プロデューサーさんから「ハイキュー!!」を舞台作品としてこれから先も残していきたいというお話を聞いたんです。参加したいけど、もう一回日向翔陽を自分が演じるのは、年齢的なことも含めてちょっと無理だなあと・・・。違う形で関われないかとお話させていただく中で、演出という形で参加させていただくことになりました。

――演出には、もともと興味を持っていらっしゃったんですか?

須賀:常々、クリエイティブな方面のこともやりたいという思いは持っていたので、こんな形で、この上ない機会をいただけたことは本当に嬉しいことで。・・・未だに、まだ夢なんじゃないかなって思う瞬間もあるんですけど(笑)。まだ見えないことばかりで不安もありますけど、しっかりと全うしたいなと思っています。

――加藤さんは、出演が決まっていかがですか?

加藤:ずっと好きだった作品に関わることができると決まって、本当に嬉しかったんですけど、その分「僕でいいのかな・・・」という不安もありました。日にちが経てば経つほど不安が大きくなるんですけど、分からないことを分からないままにせずに、須賀さんやいろんな方々と共有して、前へ前へ前へ!と進んでいければいいなって思います。

――ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」シリーズはご覧になりました?

加藤:はい、拝見しました!とにかく、終始おもしろかったです。漫画と同じように、バレーボールを知らなくてもバレーボールを好きになれる作品だったなって思いました。そんな作品で、日向翔陽を演じていた須賀さんが演出としていらっしゃるということは、お手本、というか、教科書がそこにあるってことですから、いろいろ教えていただきたいですし、たくさん考えて、ついていきたいと思っています。

――ビジュアル撮影を終えられていると伺いましたが、実際に日向翔陽になってみていかがでした?

加藤:めちゃくちゃはしゃぎました!衣裳を身に着けた時点で、これ以上ないぐらい幸せで、はしゃいでしまいました。

須賀:僕も、撮影当日に立ち会ったんですが、僕らの時とユニフォームの素材が違ったんですよ。よりスポーティーになっていて、すごく不思議な感覚でした。

――須賀さんは、懐かしかったですか?

須賀:そうですねぇ。でも、演じてくれるキャストも全員新しいメンバーなので、そこは良い意味で割り切れるというか。また一つ、別の視点で作品を観れるのかなと感じました。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演インタビュー!演出・須賀健太が加藤憲史郎に感じる「等身大のエモさ」

――キャストを決めるオーディションにも参加されていたそうですが。

須賀:はい。300人ぐらいお会いしまして。でも、ビジュアル撮影でも全員が揃っているところはまだ見ていないので、ずらりと並んだところを見る瞬間がすごく楽しみです。

――須賀さんも、オーディションのご経験がたくさんあると思いますが、選ぶ側に立ってみてどうでした?

須賀:本当に面白かったです。大前提として、2.5次元には、明確なキャラクター像があるので、そこに合っていなければならないんですが、役者さん各々が持ってくるものはやはり違いますし、興味深かったです。今回重要視したのは、なんと言ってもフィジカル。動きの多い作品ですし、フィジカルにどれぐらい感情を乗せられるか、みたいなことを見ながら選ばせていただきました。

――加藤さんは、どんな想いでオーディションに参加されていましたか?

加藤:ずっとワクワクしていました。今まで、キャラクターを演じるという機会がなかなかなかったので、それがすごく楽しみでしたし、原作が大好きだったので受かりたい一心でした。でも、緊張もMAXでした・・・。

須賀:めちゃくちゃ緊張してたよね?!このまま倒れるんじゃないかってぐらいの顔をしてて。一回台詞を読んでもらったんだけど、「緊張してるでしょ、もう一回落ち着いて言ってみて」って言ったんだよ。覚えてる?

加藤:覚えてます!緊張してなくて大丈夫だよって声を掛けていただいたんですけど、最初から最後まで緊張しっぱなしでした・・・(笑)。

――須賀さんの時も「オーディションに須賀健太が来た・・・!」とザワザワしたと聞きましたが、今回も驚きました?

須賀:僕の例があったから、子役出身者もいます!みたいな制作陣の意図を感じつつ(笑)。「ハイキュー!!」って高校生の物語じゃないですか。そして、日向翔陽って未熟さを抱えてスタートし、成長していくキャラクターです。“等身大”って、その瞬間にしか出せない最たるものだと思うんですよね。加藤くんは、今ちょうど15歳なんだよね?

加藤:はい、そうです。今年、高校1年生になりました。

須賀:日向と同い年の彼を見た時に「本来の形って、多分こうということなんだろうな」って思ったんです。本来の、可能性しかない15歳が持っている雰囲気とか、匂いとか。自分の中にはなかった新しい「ハイキュー!!」の指針の一つになった気がします。シリーズとして続いて、役者が続投しても、高校1年生の彼が日向翔陽を演じるのはきっとこの1回限りだし、僕には経験できないことで、出せないエモさだったので楽しみです。

オーディションの様子からも分かりますが、緊張しぃらしいんですよ。本番前におなかが痛くなったりもするって言ってたよね。そういう意味では、日向の初期と似ている部分もありそうですが(笑)。でもやっぱり小さい頃から仕事として演じてきているから、少なからず負けん気もあると思うんだよね。だから、そこを一緒に引き出していけたらなと思いますね。

加藤:僕自身はネガティブなんですけど、日向も試合前におなか壊すので、そこは共通点になると思っています。

須賀:日向の恰好になった時、とにかく「似てる!」って思ったんだよ。僕の時は、顔が似てなくて結構いろんなことを言われたんですけど(笑)。だから、皆さん安心してくださいね!

――ちなみに、お二人はもともと面識ありました?

須賀:知ってはいたけれど、こんなにいっぱい話をするのは今が初めてに近いよね。

加藤:はい。でも、オーディションの時もビジュアル撮影の時も、緊張をほぐすように話かけてくださって、優しい方だなと思いました。役者としても、役としても先輩ですし、お兄ちゃんみたいだなと思っています。

須賀:でもね、もう身長が僕と同じぐらいなんですよ・・・。高校1年生だから、これからもっと伸びていくだろうから、僕とは全然違う役者人生を歩まれていくと思う(笑)。

――セッター役の方との相性も気になります。上演発表時、ウォーリー木下さんが「セッター希望」とコメントされていましたが・・・。

須賀:(爆笑)!もしかしたら、加藤くんのとなりに「ウォーリー木下」って書いてあるかもしれない(笑)。

――ウォーリーさんかもしれない可能性を残しつつ、影山飛雄役の方のことを少し教えてください。

須賀:彼は・・・オーディションの2次審査と3次審査で、ものすごく雰囲気が変わったんです。2次を終えて、原作を改めて読み直したのか、役にフィットすることをもう一度考え直したのか分かりませんが、ものすごい変化があって。ビジュアルはもちろん似ているに越したことはないけれどメイクで寄せられたりしますし、ダンスも練習すれば上手くなる。でも、変化するって結構難しくて、稽古を重ねていく中ではすごく重要なことだと思うんですよね。

あとは、バランス。(加藤くんと)一緒にお芝居をしてもらってみたりしたんですよ。その時、並んだ絵が一番しっくり来た方を選びました。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演インタビュー!演出・須賀健太が加藤憲史郎に感じる「等身大のエモさ」

――加藤さんは、その方と一緒にお芝居をしてみて、どうでしたか?

加藤:覚えてはいるんですが、緊張していて演じている時のことはあんまり覚えていなくて・・・。

須賀:影山より緊張してたよね(笑)。

加藤:はい・・・。自分がどうやって演じたのか、思い出せないぐらいがむしゃらで・・・(笑)。

須賀:ビジュアル撮影の時に、ちょっと話してたよね。

加藤:話しました。

須賀:二人で何を話してたの?

加藤:何歳?とか、中学の頃、何の部活動やってた?とか。

須賀:超基本情報だ(笑)!影山役の子は、人見知りって感じはそんなにしなかったけど、大人しい感じだもんね。だから、今回は結構静かな感じの日向と影山かもしれない。でも、仲良くはなれそう?

加藤:はい、僕に勇気があれば・・・!

須賀:かわいいなぁ~(笑)。僕は日向を3年半演じさせていただいたけど、やっていると、役に影響されて素の人格も変わった気がしたよ。物事に対して変に構えず、全身全霊で好きを前面に出していくことのすごさを、日向翔陽を通して見させてもらったのはすごく大きかった。

――須賀さんが演じていた当時は、どうでした?

須賀:いやいやいや・・・、僕には二人の影山がいましたからね。1人目は傍若無人、2人目は、本当に良い人でした(笑)。

――日向役と影山役の関係性は、劇団「ハイキュー!!」の色にも大きく影響しそうですね。

須賀:僕らの時のオラつき具合よりは、まとまったチームになるんじゃないかなと思っています(笑)。ギラギラしているのは、芝居をする上でいいこともいっぱいあるんですけどね。とはいえ、バラエティに富んだ人たちを選んだつもりなので。僕的には、2年生キャストががんばってくれたらいいなと思っています!

――現時点で、役作りなどについてはどのようにお考えですか?

加藤:一番楽しみで、同時に不安な部分でもありますが、日向翔陽として“飛ぶ”イメージを膨らませようと思っています。でも、僕は日向みたいな脚力は持っていないので、がんばってトレーニングして飛べるようになりたいなって思っています。

それから、ネガティブな部分を直していけたらいいなって・・・。日向翔陽のように、物事に関心を持って行動できるようになりたいです。僕も、日向みたいに諦めずに最後まで取り組めるように、実際の高校生活も、劇団「ハイキュー!!」での高校生活も、がんばりたいと思っています。

――須賀さんの中にある、現時点での演出プランを少し教えていただきたいです。

須賀:これ、演出家さんが良く聞かれる質問だ!プランはですね、今はまだ話し合いをしている最中ではあるんですが、演劇「ハイキュー!!」を僕らが立ち上げから積み上げてきたメソッドを活かし、良かったものは取り入れつつ、新しいことに挑戦していきたいと思います。

そして、僕が演出をやることに、エモさを感じてくださる方もいらっしゃると思うので・・・。僕らのやってきたことが前に出すぎないように、押し付けがましくはならないことを大前提に、「ハイキュー!!」という作品の素晴らしさを届けるために、全力を尽くしたいと思います。テーマは「泥くさく」。あとはまだ内緒です(笑)。

加藤:ドキドキします・・・(笑)。

須賀:僕らの時に演出をつけてくれていたウォーリー木下さんは、「役者 にクリエイティブな発想を持ってほしい」というタイプの演出家さんなのね。僕が日向を演じていた時も「各々の役を一番知って、一番理解しているのは、各々の役者なのだから、それを稽古場に持ってきて」とおっしゃっていて。僕にとって、それはすごく怖い言葉であり、心強い言葉でもありました。その部分は、踏襲というか、同じように全員で創作する意識を持っていきたいです。

役を作っていく上での役者の辛さや悩み、組み立て方は、僕も知っているつもりではあるので、そこは手助けできたらなと思います。その上で、すべての役になるべくフランクに向き合うことは、僕が僕自身に課したい課題ですね。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演インタビュー!演出・須賀健太が加藤憲史郎に感じる「等身大のエモさ」

――上演時期が8月ということで、いろいろと期待をしてしまうのですが。

須賀:どうなりますかね!8月を楽しみにしていてくださいっ(笑)!僕自身、公演を楽しみにしているんですが、早く烏野が集まった姿を観たい。もちろん演出という立場なので干渉に浸っている場合でもないんですけど、前に演じていた作品を違う立場から味わえるというのは、今のところ僕だけなので。どう感じるのかなぁ。

――劇団「ハイキュー!!」の始動、心より楽しみにしております。

加藤:ありがとうございます。がむしゃらに、全力で日向翔陽を演じていこうと思うので、楽しみにしていてください。

須賀:ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」を応援してくださっていた皆さん、これから劇団「ハイキュー!!」を知って くださる皆さん、いろんな視点で楽しんでいただける作品にしたいと思います。そして、何よりも「原作の持つ力」が本当に素晴らしいので、それをシンプルにお伝えできるようにがんばります。至らない点は多々あると思いますが、ぜひ、劇場でお待ちしております!よろしくお願いします。

劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演は、2023年8月に東京で上演予定。

【公式サイト】https://gekidan-haikyu.com
【公式Twitter】@gekidan_haikyu

(C) 古舘春一/集英社・劇団「ハイキュー!!」製作委員会

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

\U-NEXTでライブ・アーカイブ配信あり!/

視聴ページはこちら

■販売価格
・各3,800円(税込)

■配信期間/販売期間

1.8月19日(土)13:00公演
・ライブ配信:8月19日(土)13:00~公演終了まで
・見逃し配信:準備が整い次第~8月26日(土)23:59
・販売期間:8月7日(月)10:00~8月26日(土)20:00

2.8月19日(土)18:00公演
・ライブ配信:8月19日(土)18:00~公演終了まで
・見逃し配信:準備が整い次第~8月26日(土)23:59
・販売期間:8月7日(月)10:00~8月26日(土)20:00

3.8月27日(日)13:00公演
・ライブ配信:8月27日(日)13:00~公演終了まで
・見逃し配信:準備が整い次第~9月3日(日)23:59
・販売期間:8月7日(月)10:00~9月3日(日)20:00

4.8月27日(日)18:00公演
・ライブ配信:8月27日(日)18:00~公演終了まで
・見逃し配信:準備が整い次第~9月3日(日)23:59
・販売期間:8月7日(月)10:00~9月3日(日)20:00

【回替わり生キャストコメント映像】
1.8月19日(土)13:00公演 終演後
<出演>日向翔陽役 加藤憲史郎/影山飛雄役 若林星弥

2.8月19日(土)18:00公演 終演後
<出演>田中龍之介役 熊沢 学/西谷 夕役 中⻄智也

3.8月27日(日)13:00公演 終演後
<出演>及川 徹役 藤林泰也/岩泉 一役 鈴⽊ 恋

4.8月27日(日)18:00公演 終演後
<出演>全キャスト

※公演開始30分前からライブ配信視聴ページに入場可能
※ディレイ配信とは、公演の映像を後日期間限定で視聴出来るサービス
※詳しい視聴デバイスに関してはサービスサイトにてご確認を



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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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