ミュージカル「マギ」-バルバッド狂騒曲- 宮島優心×廣瀬友祐インタビュー!「出会えたことが宝物」

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ミュージカル「マギ」-バルバッド狂騒曲- 宮島優心×廣瀬友祐インタビュー!「出会えたことが宝物」

2023年6月9日(金)から東京・品川プリンスホテル ステラボール、6月24日(土)から大阪・森ノ宮ピロティホールにてミュージカル「マギ」-バルバッド狂騒曲-が上演される。

原作は、2009年から2017年まで『週刊少年サンデー』で連載された大高忍による単行本2500万部を超える大ヒット漫画「マギ」。世界のあちこちに突如出現した迷宮(ダンジョン)に眠る究極の秘宝を求めて、2人の少年アラジンとアリババが冒険へと旅立つ、魔導冒険譚。
本作は、2022年に初ミュージカル化されたミュージカル「マギ」-迷宮(ダンジョン)組曲-に続く第2弾となり、演出を吉谷晃太朗が引き続き務める。

今回、アラジン役を再び演じる、日韓合同ダンスボーカルチームORβITのメンバー宮島優心と、初登場となるシンドバッド役を演じる廣瀬友祐に、前作についてや、本作の見どころ、意気込みなどを語ってもらった。

ミュージカル「マギ」-バルバッド狂騒曲- 宮島優心×廣瀬友祐インタビュー!「出会えたことが宝物」

――宮島さんは前作の出演を振り返ってみて、どのような心境でしたか?

宮島:僕自身が舞台というものに出させていくのが初めてだったので、何もかもが新しかったですね。特に、劇場へ行ったりとか、地方へ公演で行ったりするのが、アラジンの「旅」と重なってすごく印象的で。それだけではなく、仲間たちと一緒に思い出を作るという部分もアラジンと重なって、すごく楽しかったです。

――その楽しさで、舞台初出演という不安は吹き飛びましたか?

宮島:いえいえ、最初は緊張だらけで、不安だらけでした(笑)。だけど、上演を重ねるごとに、相手の方の演技をしっかり受け取ることができるようになっているなというのは感じたので、そのあたりから不安がなくなってきましたね。

――公演期間中に成長していたんですね。

宮島:そうですね(笑)。

――廣瀬さんは前作をどう思いましたか?

廣瀬:初めましてなので今日のところは、優心くんと呼ばせてもらいますね(笑)。優心くんがわからないことだらけの中で、役回りを一生懸命に務めようとしている姿がとても魅力的でした。逆を言えば経験値が増えるとできないことでもあるので。特にアラジンという役のまっすぐさが優心くん自身とすごく重なって、そのパーソナルな部分のマッチがメッセージ性にも繋がっていたんじゃないかという印象はありました。

宮島:そう言っていただけると嬉しいですね(笑)。おっしゃっていただいたように、本当に何もかもが分からないことだらけでした。けれど、できることは一生懸命やろうと思って腐らずにがんばりました。

――舞台初出演で初主演ですからね。

廣瀬:考えられないですよね。すごいですよ。

――宮島さんは続編の舞台に出るというのも初になりますが、続編に引き続き出演することについてどう感じていますか?

宮島:前作は初めての舞台出演で、0から1にする作業だったと思うんですけど、今回は続編ということで1から2にする作業だと思っています。もっともっと重ねていかなくちゃいけないし、前回のアラジンじゃダメなところも当然あると思うので、そういうところは、もっともっとよくしていかなくちゃいけないなっていう気持ちはありますね。歌もお芝居もそうですし、僕だけの成長じゃなくて、アラジンとしての成長を見せていかなければと思っています。

ミュージカル「マギ」-バルバッド狂騒曲- 宮島優心×廣瀬友祐インタビュー!「出会えたことが宝物」

――廣瀬さんは、久しぶりの漫画原作の舞台への出演になるかと思いますが、何か感じることはありますか?

廣瀬:舞台を中心に活動させてもらう中で、お仕事を頂けるということに感謝の気持ちをいつも持っているつもりなんですけれど、今回は役者人生でも初めてというぐらい、熱烈なオファーを演出の吉谷さんから頂いたんです。直接お話をしたいと吉谷さんからメッセージを頂いて、それから吉谷さんご自身がこちらに出向いてくださって思いの丈を話してくれて・・・とてもありがたいことでした。

その想いに応えたいと純粋に思った部分もあるんですけれど、俳優業を続けてきて昔に比べてできるようになったことと、その中で失ってしまった部分というのがあると思っていて、今作との出逢いのタイミングはまさにそれに気づかせてくれたり、教えてくれるかもしれないチャンスだと思いました。だから、この作品へ純粋に向き合っていいものを届けたい、愛を持って取り組んでいる人たちの集まりの中に自分も参加したいという思いが一番ですかね。

――演出家の方が自ら出向いてというのは、すごいことですね。

廣瀬:だから、いい意味で期待を裏切ってやろうと思っています(笑)。

――宮島さんは1年ぶりのアラジンのビジュアル撮影でしたが、ビジュアル撮影で再びアラジンとなってどうでしたか?

宮島:まず、あの衣装をまた着させてもらうことが嬉しかったです。衣装を着た瞬間に、前作のステージ上の記憶が心にすごく鮮明に思い浮かんできましたね。衣装に思い出がつまっていました。

――廣瀬さんが扮するシンドバッドのビジュアルを見て、宮島さんはどう思いましたか?

宮島:もう、そのまんまでしたね。僕たちの求めていたシン(シンドバッド)様でした!

廣瀬:とりあえずそう言っておかないとね(笑)。

宮島:いやいや(笑)。ビジュアルだけじゃ分からない部分もあったんですけど、今日初めてお会いして、身長とか肩幅とかも含めて全てがシン様でした。

――宮島さんは今作でのアラジンの魅力をどう考えていますか?

宮島:前作で描かれたアラジンは、がむしゃらに純粋で、初めて世界を巡る、生まれたてのような人物だったと思うんです。だけど今作では、前作でのババ様やいろんな人との出会いを経て、新しい考え方や視点が生まれてきているというのを、台本を読んで感じています。そこを踏まえて、今作アリババくんや他の人にどう影響を与えられるかというのが見どころで、魅力だと考えています。それと、アリババくんとカシムの関係性と、アラジンとウーゴくんの関係性が少し似ているところがあるので、そこをうまく見せられたらと思っています。今回のアラジンの魅力は、全開の可愛さだけじゃない。心の強さみたいなものも見せていきたいです。

――廣瀬さんはシンドバッドという役の魅力をどう捉えていますか?

廣瀬:アラジンたち主要メンバーの中において、やっぱり大人ですよね。頼りがいや、同性から見てもかっこいいって思えるような大人の魅力と存在感がシンドバッドの中にはあるのかなと感じています。

その上で、この作品とこの役をずっと愛し続けてくれている人たちに、最大限のリスペクトをしつつもご期待に応えたい思いがあるので、精一杯取り組んでいきたいです。

ミュージカル「マギ」-バルバッド狂騒曲- 宮島優心×廣瀬友祐インタビュー!「出会えたことが宝物」

――今作からシンドバッドも登場し、大きく物語が展開していきますが、本作の見どころを教えてください。

宮島:前作では「友情と約束」をメインにして描いていたと感じているのですが、今作ではそれに加えて「記憶」というものがすごくポイントになってくると思っています。過去の思い出というものにも着目して、観ていただけたらすごく面白いんじゃないかなと思っています。

廣瀬:僕は、ビジュアルが原作としてある作品の舞台化において、生身の人間の熱量というものが、とにかく一番の面白さだと考えています。もちろん原作に寄り添いながらになりますが、人間が演じるからこその魅力を出せるのが舞台だと思うんです。今回は特に激しいシーンもいっぱいあるので、それぞれの役者の持っている生き様を生で感じられる部分が、ミュージカル『マギ』の魅力だと思っています。

――お二人は、本日のインタビューで初めてお会いしたとのことですが、お互いの印象を教えてください。

宮島:とにかく大人の余裕がすごいです(笑)。言葉の深みがすごいなと、このインタビューを通して感じています。それと、俳優を長い間ずっと続けていらっしゃるのに、「挑戦」とか「成長」という言葉を使われていて、人としてのかっこよさを感じています。

廣瀬:ありがたいですよ。全然そんなことはないんですけどね(笑)。僕の優心くんの印象としては、髪色がピンクだなということですね。

宮島:(笑)。

廣瀬:ごめんなさい、冗談です(笑)。みんなが思っていると思うんですけど、かわいいですよね。僕はどちらかと言うと先輩に可愛がっていただく場面が多くて。キャストの中で最年長という現場は初めてだし、後輩たちに対する接し方が分からない部分もあり「優心くんって、どんな子なんだろう?」ってちょっとドキドキしながらお会いしたんですけど・・・最初の挨拶で分かるものですね。
若いのにちゃんとしっかりしていて、仕事に対しての考え方や、ものの捉え方。そして、人との接し方に嫌味がないんです。
当たり前かもしれないですけど、先輩を立ててくれたり、敬語で話してくれて。この短時間一緒に過ごしただけでも、優心くんは純粋で真面目なんだけれど、そこに嫌な影がなくて、すごく第一印象がいいですね。

宮島:このコメントだけでも大人の厚みを感じます(笑)。尊敬します。

――廣瀬さんから、ミュージカル「マギ」シリーズへの出演にあたって、宮島さんに聞いておきたいことはありますか?

廣瀬:僕は皆さんと仲良くできそうですか?

宮島:もちろんです! カンパニーの仲の良さがミュージカル「マギ」の魅力の一つだと思っているので。

廣瀬:吉谷さんから前作のカンパニーの仲の良さを聞いているよ。シンドバッドの僕と、ジャーファル役の山﨑晶吾くんにマスルール役の吉原雅斗くんのシンドリア3人組は、優心くんと初共演だけど、優心くんと今日会ってみて、大丈夫な気がしてきました。僕が調子に乗らなければだけど(笑)。

――宮島さんは、前作の稽古や本番を通して、吉谷さんの演出についてどう感じましたか?

宮島:本番では、映像に頼りすぎずに、アンサンブルの方々と物を使って表現するというのがすごく好きでした。それと全員が主役というところですね。ミュージカル「マギ」でもそうでしたし、吉谷さんの他の作品も観させていただいたんですけど、全員のキャラが立つように演出をされているというのが、すごく印象的でした。稽古では、僕が初舞台ということでいろいろと教えてくださったんですけど、すぐに答えを教えずに自分で考える力をつけさせてくださいました。そのおかげで、今回は台本の読み方が少し分かるようになってきていて、人としても成長させていただけたなと。だから、本作でも吉谷さんとご一緒するのが楽しみですし、すごく大好きです。

――廣瀬さんは吉谷さん演出の舞台に出るのは初めてですが、期待していることがあれば教えてください。

廣瀬:吉谷さんとお話しをして、一緒に作ろうとしてくれていると感じたので、吉谷さんが持ってくる演出プランに対して、より良くなるような、そういうピースになれたらという思いはあります。映像との融合はとても難しいんですけど、ただ世界観的にも、この作品の持っている質感的にも、映像がうまくはまると思うので、この作品が紡いでいく空気感が途切れないような、そんな作品にしたいですね。

ミュージカル「マギ」-バルバッド狂騒曲- 宮島優心×廣瀬友祐インタビュー!「出会えたことが宝物」

――「マギ」は「世界各地に突如出現した迷宮(ダンジョン)に眠る「秘宝」を求め旅する魔導冒険ファンタジー」ですが、自分にとっての宝物は何ですか?

宮島:それこそ僕は、このミュージカル「マギ」に出会えたことが宝物ですね。

――完璧なお答えですね(笑)。

宮島:そう言われると、ちょっと恥ずかしいです(笑)。

廣瀬:(笑)。

宮島:すごく大切な仲間もできたし、すごく素敵な舞台に出演させていただいたこともそうですし、前作では、「確かな繋がり」とか、「出会い」というものに重点を置いていたと思うんです。それこそが宝物で、この「出会い」を僕はすごく大事にしていて、大切な宝物だなと思うことが多いです。

――廣瀬さんの宝物は?

廣瀬:コロナ禍において、そう思い始めたところでもあるんですけど、なんだかんだ言って「自分自身」ですかね。周りの人や、出会いというのを宝物だと思ってもいるんですけど、そういう人たちと出会う、再会する、同じ時間を過ごす、イコール自分が健康体で存在していなければ叶わない感情だったり、時間だったりって考えると、フィジカル的にもメンタル的にも自分をもっと大切にしてあげたいなと思うここ数年だったので。あえてここは「自分自身」と言っておきたいと思います。

――最後に、本作を楽しみにされている方々へメッセージをお願いいたします。

廣瀬:僕自身もとにかく楽しみにしています。前作もそうですけど、ファンタジーなのにとてもリアルな人間を描いていて、誰しも感じたことがあるような感情や出来事の中で、何の汚れもなくまっすぐメッセージを届けられる作品で、大人になればなるほど、どこか恥ずかしいと思ってしまいがちな気持ちに、まっすぐ突き刺してくるメッセージを持っている作品だと思っています。それを生の舞台で、我々ステージに立つ人間が命をかけて届けたいと思っていますので、ぜひ劇場でお待ちしております。

宮島:新しい風が入ってきて、いろんな影響を受けて、前作よりパワーアップした姿で、生の僕たちをキャラクターとして届けられるんじゃないかと思っております。本当にミュージカル「マギ」はパワフルでエネルギッシュなので、生で観てほしいのが一番の思いです。劇場でお待ちしております。

ヘアメイク:佐々木渚香/スタイリスト:小林洋治郎(Yolken)

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

目次

公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年6月9日(金)〜6月18日(日) 品川プリンスホテル ステラボール
【大阪公演】2023年6月24日(土)~6月25日(日) 森ノ宮ピロティホール

スタッフ・キャスト

【原作】大高忍「マギ」(小学館「少年サンデーコミックス」刊)
【脚本・作詞】浅井さやか
【演出】吉谷晃太朗
【音楽】かみむら周平
【振付】MAMORU
【主催】ミュージカル「マギ」2製作委員会

【出演】
アラジン:宮島優心(ORβIT)
アリババ・サルージャ:猪野広樹
カシム:廣瀬大介
ジュダル:手島章斗
ジャーファル:山﨑晶吾
マスルール:吉原雅斗
練紅玉:田中真由
アブマド・サルージャ:町田慎之介
サブマド・サルージャ:村井成仁

モルジアナ:岡田奈々

シンドバッド:廣瀬友祐

ウーゴくん:森川智之(声の出演)

<アンサンブル>
仲田祥司、黒沼亮(マルッキオ役)、常住富大(バルカーク役)、太田有美、熊田愛里、町田尚規、
轟大輝(夏黄文役)、多田滉、松崎友洸

公式サイト

【公式サイト】https://www.musical-magi.com/
【公式Twitter】@musical_magi




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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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