【ジャンフェス振り返り】「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageで田村 心、小林亮太、北村 諒が新作に向け「プルスウルトラ!」

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【ジャンフェス振り返り】「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageで田村 心、小林亮太、北村 諒が新作に向け「プルスウルトラ!」

昨年末、開催された「ジャンプフェスタ2023」。毎年、イベント内では集英社「週刊少年ジャンプ」をはじめとするジャンプ関連コンテンツの舞台化に関する振り返りと新作公演情報などが発表される。株式会社ネルケプランニングのトークステージでは、今回も様々な“ここだけ”トークが展開された。その一部をご紹介する。

本記事では、2023年4月末から5月にかけて、シリーズ4作目となる「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーローの上演が決定したヒロステのトークステージの模様をお届け。イベントには、緑谷出久役の田村 心、爆豪勝己役の小林亮太、轟 焦凍役の北村 諒が登壇し、鎌苅健太のMCのもと公演にかける想いを語った。

ジャンフェス常連(舞台「鬼滅の刃」でもトークステージに登場)となった小林と、3年ぶりのジャンフェス登場となった北村。一方「僕はなんと、ジャンフェスでお客様の前に立つのに4年かかりました(笑)」と苦笑いの田村は。2020年の無観客開催時のステージには登壇していたものの、体調を崩してしまって大事を取った年などがあり、有観客のジャンフェスにはこれが初登場。念願叶ってのジャンフェス会場の空気に、感慨深げだった。

話題は、2022年春に上演されたシリーズ3作目「平和の象徴」の振り返りに。スクリーンに映し出される舞台写真を見ながら、様々な裏話が語られた。

また、ジャンフェス開催初日に新作「最高のヒーロー」の上演が発表されたことを受けて、田村は「新作公演のキャストには、オールマイト(マッスルフォーム)役のヒロさん(岩永洋昭)の名前がないんですよ。それを僕たちは(「平和の象徴」公演の時から)知っていて。ヒロさんに『ヒロステを任せられる』って思ってもらえるような公演にしたいと思いながら、日々やっていました」と明かした。

「ヒロステとしてもフェーズ1の終わり、みんなが憧れているオールマイトの最後を見届けるという、すごく大きな意味のある公演でした」と小林。北村も「ヒロステは、2作目の『本物の英雄』が一部公演中止、完全版として上演することになった『本物の英雄 PLUS ULTRA ver.』も延期になってしまったという経緯があって。この『平和の象徴』をやりきることで、やっと前に進めた気がしました」と加えた。

まず、印象的なシーンとして取り上げられたのはオープニングシーン。ヒロステでは、舞台後方にずらりと並ぶ登場人物たちを、出久が振り返って見つめるシーンが印象的に使われているが、「この構図、どの公演にも出てくるんですけど、いつも思うことに変化があるんです。『平和の象徴』では、シルエットの中にプロヒーローの姿もあったので、より勇気をもらえるというか、胸が熱くなりました」と田村(北村曰く「僕らにしか見えていないんですが、毎回、心がいい顔をしているんですよ」)。

また、爆豪がヴィラン連合開闢行動隊に攫われるシーンでは、田村の手にライブカメラが仕込まれていたのだが、「あれ、少しの衝撃ですぐに動作不良が起こってしまうんです。なので、なるべく衝撃を与えないように・・・でも、その苦労は見せちゃいけない。一幕が終わったあとは、真っ先にスタッフさんにちゃんと映っていたか確認にいっていました」と“役者あるある”な苦労が明かされた。

また「平和の象徴」では、本編終了後にヒロステ初の試みとなる「ミニ ULTRA LIVE」も開催された。小林は「もう、プルスウルトラでした!ヒーロー活動の一貫としてライブをやるというのは、ヒロステならではだった気がします」と振り返った。

鎌苅が「青山くん(青山優雅)がいい感じに暴れてたね(笑)」とツッコむと、一同「真一くん(橋本真一)オンステージでしたね!」「千秋楽、何分伸びた?」「早替えの時間作りじゃなくて、僕らも着替え終わって袖で観ていたんですよ(笑)」と思い出し笑い。北村は「稽古場からあのクオリティだったので、流石だな!と思いました」と、そのサービス精神に脱帽していた。

「平和の象徴」の本編はなかなか苦しいストーリーが展開する。田村は「オールマイトは引退だし、次作にはヒロさんいないし・・・そういう意味もあって、稽古場から毎回本当に涙が溢れました。苦しかったけど、お芝居としては進化できたと思います。成長という意味では、毎公演成長させていただいたと感じるんですけど、『平和の象徴』は2作やってきたからこそできた3作目だったと思います。オールマイトとのシーンでは、今までやってきたことが全部思い出されました」と振り返った。

続いては、ヒロステに関して事前に募集した質問に答えるコーナーへ。ここでも、熱いトークが繰り広げられた。

「『平和の象徴』では衣裳替えがたくさんありましたが、衣裳について印象に残っていることを教えてください」

この質問については、3人とも「ヒーロースーツ!」と即答。しかし、一番着替えるのが大変なのも、ヒーロースーツだそう。田村は「4、5人のスタッフさんが早替えのためについてくださって、立っているだけで着替えが完了するんですよ」とF1方式の舞台裏を教えてくれた。

小林は「かっちゃんのヒーロースーツは初演からずっと同じものを使っているもので。コテなどは振り回したり、圧をかけてしまったりするので、日々手入れをしていただいていました。ボルトを入れて壊れないようにしてもらったことも。あと、一人でコテをつけられなかったんですけど、『平和の象徴』では一人でつけられるようになりました!」と“成長”を告白。

そして、北村は意外なシーンとして、「タンクトップを着るシーンがあったんですよ。貴重だな、と。タンクトップのサイズ感とかも、衣裳さんと相談してこだわりました。そして、むちゃくちゃ筋トレしました(笑)」と、ヒーロースーツ以外のこだわりポイントについても語ってくれた。

「原作から読み取ってこだわったポイントや、客席には伝わりづらいけど、自分だけのこだわりポイントがあれば教えてください」

これは、以前、ニュース番組で田村が「(1作目で)出久がかっちゃんを助けに動く時、原作で左足から踏み出しているのを見て、舞台も左足から踏み出すようにしている」と語っていたことを受けての質問となった。

小林は「ヒロステでは戦いを楽曲やダンスで表現することが多いので、爆豪勝己はどう動くのか?を常に考えています。振りについても自分なりに解釈して動くようにしています。でも・・・、みんなに(振りを)教えてって言われて伝えると、『お前の振りは何か違う・・・』って言われるんです(笑)」と、解釈が深いからこその弊害(?)を告白。

一方、北村は「ヒロステって、みんなが一斉に1つのシーンに出ている演出が多いんです。その中でどう動くか、『平和の象徴』で言うと、みんながオールマイトを見てる時、轟くんはエンデヴァーを見ているんですよ。そういうことを、個人的に考えてやっています。お父さんとの繋がりが見えるような行動をちょこちょこ挟んでいます」と、こちらも、役のことを深く考え抜いている話だった。

田村は「ヒロステは、原作をさらに深めるような演出がたくさんあるように思います」とポツリ。次の質問では、さらに深い深い作り手側の話が語られた。

「『平和の象徴』の爆豪救出シーンで、ヒーロースーツを着た1年A組のみんなが登場していたのがとても好きだったのですが、皆さんは好きな演出や、思い出深い演出などはありますか?」

この質問に「語りだしたら、多すぎて終わらないかもしれない!」と沸き立つ3人。田村曰く「ヒロステでは、A組みんなで戦うことが多いんですよ。例えば、初演で出久がオールマイトにトレーニングを受けている時。あの時も、演出の元吉さんが『出久だけでなく、みんなが雄英を目指してがんばっていたはず』と、出久の後ろに全員が出てくる演出をつけているんです。『本物のヒーロー』の期末試験では、時間軸を調整して、全員が一斉にゴールするようにも」。

また、演出の元吉が「これはみんながヒーローになる物語だから」と言っていた数年後、原作にも「これはみんなが最高のヒーローになるまでの物語だ」という言葉が出てきた、といったエピソードが語られた。田村は「元吉さんの演出って、考察みたいなんですよ。それぐらい、原作への愛がある。だから、すごくおもしろい演出になっているんだと思います」と語った。総動員のヒロステ、演劇だからこそのヒロステ。2次元で描かれたことを、3次元の人の力で作るから。どこまでもヒロアカ愛、そして、ヒロステ愛に溢れた話が続いた。

「皆さんが、実際に仲良くなるとしたら誰?」

少々トリッキーなこの質問に、北村は「一人しかいない。瀬呂範太でしょう!あんないいヤツいないですよ。中の人(演じている池田 慎)は変な人だけど!ああいう子が一人クラスにいると、すべてが円滑に回る」。

小林は「切島鋭児郎ですね。僕自身、普段からワーワーするタイプじゃないので、彼みたいな男気で人を引っ張ってくれる人が近くにいてくれたら、すごく居心地がいいんだろうなって思います。役としてもそうだし、実際、尚輝(切島鋭児郎を演じている田中尚輝)とも、そんな感じです」。

田村は「僕は峰田 実くん。かわいいじゃないですか。演じている那我人(奥井那我人)もかわいいんですよ・・・。この前急にLINEが送られてきたんですけど、何の脈略もなく『なあ緑谷!俺たち親友だよな。年末、年越しそば作ってくれよ』って書いてあったんです(笑)。それをもらった時、かわいい~!ってなりました。寂しかったみたいです(笑)」。

それぞれ、個人の感性と演じる役者同士の繋がりを感じさせる理由で、大いに盛り上がった。

そして話題は、発表されたばかりの新作公演へ。公演CMがモニターに流れると、話はその“ナレーション”に及んだ。

声を入れた田村は、「CMだから、最初は『明るいトーンで』みたいなディレクションがあったんですけど、僕がどうしてもその方向に(気持ちを)持っていけなくて。ストーリーも、この先何が起きるかも知ってるし。そこで、意見を出させていただきながら、ちょうどいい塩梅を探りました。CMにもなるし、ちゃんと深みも重みもある。それがOKテイクで使われています。数秒のことですけど、1時間ちょっとかかりました」とこだわりを見せた。

小林も「公開されたメインビジュアル、僕個人としても、4年間かけて歩んできた道のり含め、こみ上げるものがあって。まだビジュアル撮影の段階ですけど、今までの撮影とはまた違う想いがありました」と明かした。

北村も「この構図、最高ですよね!」と絶賛だったが、「俺、フィルムのコマの中に轟くんどこ?ってむちゃくちゃ探したの。めっちゃ拡大して。探し尽くしたあとに『あ、(出久と爆豪の)2人だけか・・・』って気づいて(笑)。そうだよね、やっぱりこの2人がこの物語の柱だからって」と、お茶目なエピソードを語ると、鎌苅は「そんなきたむーが好き!」とニコニコだった。

新作については、一同並々ならぬ気合が入っている模様。1年A組が全員集合することも決まっており、「これはマジで嬉しい!待ってた!」と大興奮。また、新たに士傑高校のキャラクターが登場することもあり、ジャンフェスでは公演に先駆けてその衣裳が展示されていた。

田村は、新作公演に向けて「(ヒロステと)出会ってから、いつかこの物語をやる日が来ることは分かっていたわけで。ここは自分たちでやりたい、やらなきゃいけない責任のようなものを感じて、目指してきました。ここまで来たかという感慨深いも思いもありつつ、正直今はちょっとした不安もあります。ヒロステを応援してくださっている皆様には悲しい想いをさせてしまったこともあるけれど、次こそは“完全勝利”できるように、僕らもプルスウルトラ!していくので、楽しみな気持ちだけ持って、待っていてください。劇場で待っています」。

小林も「僕も心ちゃんと同じで、やりたかった物語だからこそ、いざ目の前にするとすごく怖い。『憧れの、その向こうへ。』というキャッチコピーの重みに僕らがたどり着かないと、多分観てくださる皆様にも納得してもらえないと思ので。そのプレッシャーを感じつつ、今まで一緒に歩んできた仲間と思いっきりやることができればいいなと思います。ぜひ観に来てください。絶対にいいものを届けます」と、互いに頷き合った。

そしてヒロステと言えば、ジャンフェスでは最後にみんなで「プルスウルトラ!」するのが締めの定番。今回も、田村の「さらに向こうへ!」という掛け声のもと、心の声を含めて会場全員で「プルスウルトラ!」と拳を突き上げ、ステージを締めくくった。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

目次

『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 最高のヒーロー 公演情報

上演スケジュール・チケット

【東京公演】2023年4月29日(土・祝)~5月7日(日) 天王洲 銀河劇場
【兵庫公演】2023年5月12日(金)~5月14日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
【東京凱旋公演】2023年5月19日(金)~5月21日(日) 日本青年館ホール

<チケット>
【一般発売】2023年3月26日(日)10:00~

スタッフ・キャスト

【原作】堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
【演出】元吉庸泰
【脚本】西森英行
【音楽】和田俊輔
【振付】塩野拓矢(梅棒)

【出演】
緑谷出久:田村 心/
爆豪勝己:小林亮太
麗日お茶子:竹内 夢
飯田天哉:武子直輝
轟 焦凍:北村 諒/
蛙吹梅雨:野口真緒
切島鋭児郎:田中尚輝
上鳴電気:佐藤祐吾
青山優雅:橋本真一
八百万 百:山﨑紗彩
峰田 実:奥井那我人
常闇踏陰:松原 凛
耳郎響香:川上明莉
瀬呂範太:池田 慎
芦戸三奈:永利優妃
障子目蔵:大久保圭介
尾白猿夫:茶谷優太
砂藤力道:坂上翔麻/
夜嵐イナサ:白柏寿大
現見ケミィ:竹井未来望
肉倉精児:今井俊斗/
イレイザーヘッド:瀬戸祐介
プレゼント・マイク:岡本悠紀
ミッドナイト:木内海美/
オールマイト:吉岡 佑

<オールラウンダー>
田邊 謙 辻村晃慶 大原万由子 師富永奈 松岡歩武 中沢凜之介

【声の出演】葉隠 透:名塚佳織

公式サイト

【公式サイト】https://heroaca-stage.com/
【公式Twitter】@heroaca_stage

(C) 堀越耕平/集英社・「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 製作委員会




【ジャンフェス振り返り】「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageで田村 心、小林亮太、北村 諒が新作に向け「プルスウルトラ!」

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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