どんなにピンチでも、最後は絶対に勝つんだ!『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stageジャンプフェスタ2021レポート

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2021年、『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 本物の英雄(ヒーロー) PLUS ULTRA ver.の上演が発表された。発表当日、「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」内で行われたネルケプランニングのトークステージには、緑谷出久役の田村 心、爆豪勝己役の小林亮太、オールマイト(マッスルフォーム)役の岩永洋昭、そして演出の元吉庸泰が登壇し、それぞれの1年を振り返った。

集英社の関連作品が一堂に会する祭典「ジャンプフェスタ」は、今年は「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」として開催された。メーカーズシアターには、ネルケプランニングがブースを出展。「週刊少年ジャンプ」および「ジャンプ SQ.」関連の人気タイトルに関するトークステージを開催した。

ここでは、19日(土)・20日(日)の両日に行われた『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stageのトーク(19日)とステージパフォーマンス(20日)の模様をレポートする。

ステージMCを務める鎌苅健太に呼び込まれ、ステージに登場した4名。・・・と思いきや、人影は5つ。何故か、田村の手には出久役に扮した自身の等身大パネルがあった。というのも、ヒロステの上演が発表された2年前のジャンフェスを前に、田村は体調を崩してしまい、記念すべき瞬間に立ち会えなかった。その時、小林と岩永に抱えられて登場した等身大パネルが急遽、田村の代役を果たした・・・という経緯があった(ちなみに、今年のジャンフェスに田村が抱えてきたのは、2代目の等身大パネル)。

幼少期から足を運んでおり、ずっとジャンフェスに出ることに憧れていたという田村。「やっと来れました!と思ったら、今年はなんと、お客さんがいない・・・」と、すれ違いに肩を落とす。鎌苅の「まだまだ出続けなければいけないってことですよ!」というフォローに息を吹き返し、田村は改めて念願のジャンフェスのステージを踏みしめた。

演出の元吉は2年前のジャンフェスに登壇しており、「(発表の時は)めちゃめちゃ緊張しましたよ!お客さんの目が怖かった(笑)」と、人気作の初舞台化というプレッシャーを振り返った。

小林と岩永は、前回の登壇を振り返りながら、オンラインながら「この場にいられるだけでも嬉しいですね」「画面越しでも楽しんでいただけていたら嬉しいです」と、ヒロステでの再登壇を喜んだ。

ヒロステは、今年の3月から4月にかけてシリーズ2作目となる「本物の英雄(ヒーロー)」を上演するも、コロナ禍の影響を受け6公演で終了せざるを得なかった。さらに、7月に予定していた初のLIVE公演『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Liveを、「本物の英雄(ヒーロー)PLUS ULTRA ver.」として上演計画するも、こちらもやはり中止になってしまうという、悔しさ積もる1年を過ごした彼ら。

田村は、「今年はヒロステにとって足踏みをしてしまった1年だったんですが、僕らは止まっているつもりもなくて。そう思っている中、このジャンフェスのステージに立つ機会をいただきました。このジャンフェスでのパフォーマンスで、明日に、未来にヒロステを繋げられると思うんですよね。そんな気もしているので、皆さんにも前向きにヒロステを待っていただけたら嬉しいですね」と振り返った。

小林は「僕たちの中には『やってやるぞ!』という気持ちがあったので、途中で公演が出来ないとなった時は落ち込んだし、すごく悔しかったです。でも今、原作がめちゃくちゃ盛り上がっているんですよね!それに『こんなことで止まってしまってはだめだ』と背中を押されました。原作に力をもらって、今年のジャンフェスのステージを経て、ヒロステが未来につながればいいなと思っています」と素直な気持ちを吐露。

岩永からは「より高く跳ぶためには、よりたくさんチャージしなければならない」と名言が飛び出した。「どっかで見た言葉を言っただけなんですけど(笑)」と照れ笑いを浮かべる岩永だったが、「僕もその言葉、どこかで使わせていただいてもいいですか?」と感銘を受け目を輝かせる鎌苅を横目に、「楽しみにしていてください」どっしりと構えた。

演出の元吉も「『ジャンプ』において、主人公がなかなか現れない時、遅れてくる時、そういう時は大抵、修業をしているんですよ。そして、パワーアップして帰ってくるんですよ。だから、きっとヒロステもそうなるんじゃないか」とコメント。

そう、この日、ステージの上で嬉しいお知らせがもたらされたのだ。田村の口から発表された、2021年に「本物の英雄(ヒーロー)PLUS ULTRA ver.」の上演が、改めて決定。待望の告知に、田村は「本当に嬉しいし、やっと。届けたい気持ちでいっぱいなので、たまっている気持ちをすべて、公演にぶつけたいですね」、小林は「映像などを通しても、たくさんの人にヒロステの面白さが伝わればいいなと思っています」、岩永も「(またできると)信じてはいましたが、このご時世で発表までこぎ着けていただけたことは本当に幸せです」と、喜びを爆発させた。

「今は、上演できるだけでも奇跡」と言う元吉は、「さらに観ていただけるということに本当に価値があるので、さらにパワーアップしたヒロステを皆様にお届けしたいと思います」と誓った。

そんな嬉しい情報を踏まえて、改めて初演を振り返るゲームコーナーへ。はじめは、ヒロステに関するお題に答え、それを元吉がジャッジし順位付けするゲームが行われた。最下位になると、なんと罰ゲームが待っているという・・・。田村と小林は、「ヒロステには、こういう時の担当がちゃんといるんですよ~!」と猪野広樹の名前を挙げながら、“ガチ”な勝負に挑んだ。

 

最初のゲームは「あいうえお作文」。“ヒロステ”の4文字をお題に、初演を振り返ることに。一番手、田村の回答は「ヒェェェェ~!!/路地裏に/すごく強い/敵!」。「ちょっと待って、今日会った瞬間にすごく自信あるって言ってたよね?」と仕上がりに疑問を呈す小林に、田村は「これ、2日間考えたの!イメージがあるんですよ。ヒロアカのコミックスの表紙裏で、次巻のあらすじをキャラクターが言っているんですよ。それをイメージしました」と少々動揺しながら説明。熱く語ったが、ジャッジをする元吉の反応は・・・。

発表し始めて早々に突っ込まれたり、ページをめくりすぎてしまうアクシデントに見舞われながら、小林が発表したのは「ヒ/ロさん&(ヒ)ロキくんの/素で笑ってしまうようなトラブルに/手こずりました」。小林の解説によると、「僕が演じるかっちゃんは、笑顔になりたくない節のあるキャラクターなんですけど、岩永洋昭さんと先ほども名前が出た猪野広樹さんが、お客さんに伝わらないところで笑わせてくるんですよ。それを表現しました」とのこと。

ある日の本番中、オールマイト(マッスルフォーム)が爆豪の首にメダルをかけるシーンで、そのメダルをオールマイトが階段の隙間に落としてしまったことがあったそうで、「その時は本当に笑いをこらえるのがキツくて・・・(笑)!」と訴えた小林(ちなみに同じシーンにいた轟 焦凍役の北村 諒も同じくキャラクターを守るため笑えなかったが、常闇踏陰役の松原 凛は顔が見えないため爆笑していたそうだ)。

そんな笑いの仕掛人、岩永の答えは「ヒォアアア!/ロンロン!ロンロン!こっち向いて!/好きだ~!お前のことが大好きだ~!/手!手振ってくれた!パンダが手を振ってくれた!!」。謎の回答に、登壇者全員が大爆笑だったが、パンダを生で見たことがなかった岩永が、ヒロステの上海公演の時に、パンダを見られるチャンスがあるのではないかと浮かれた気持ちを表現したそうだ(ちなみに、見ることは叶わなかったそう)。

迷(?)回答連発に、元吉の判定は「イーブン」。勝負は次のゲームに持ち込まれた。続いて彼らが挑戦したのは「妄想アテレコ」・・・ヒロステのある場面の写真を見て、キャラクターが言っている台詞を考えるというもの。

お題としてピックアップされたのは「入学試験でデクがお茶子を助けたシーン」「デクの見せた”個性”についてかっちゃんが詰め寄り対峙するシーン」の2つ。難しい!を連発しながら、お互いの回答にかぶせあったり、連携プレーを見せたりしながら、なんとか答えをひねり出していた。

ちなみに、このシーンをチョイスしたのは元吉だそうで、「デクが初めてスマッシュを撃つところで、演出で皆さんが驚いてくださったから。上海ではキャアアアア!ってすごい声が上がった」「デクとかっちゃんの関係において、ここがはじまりと言える印象的な場面だったから」とそれぞれ理由を挙げた。

元吉の好みの珍(?)回答1位に選ばれたのは岩永、安全圏の2位は田村、そして奮闘虚しく最下位に沈んだのは小林。「今までジャンフェス好きだったんですけど・・・!」と心が折れた様子の小林だったが、鎌苅に「これでまた君は強くなれる!」と励まされ、罰ゲームの一発芸に挑んだ。

小林は、ジャンフェスの開催時期になぞらえて、渾身の「メリークリスマスでゴザイマス!」という掛詞を叫んだものの、まさかの噛んでしまうという事態に・・・。生配信ならではの、和気あいあいとした雰囲気の中、トークステージの幕を閉じた。

座組の仲の良さとほんわかとしたトークとは一変、20日のパフォーマンスは、ヒロステカンパニーの“今”を色濃く映した、渾身のステージとなった。披露されたのは、「本物の英雄(ヒーロー)」のあるシーンを抜粋して、この日の登壇者3名だけで演じられるように元吉が構成・演出を考えた特別バージョン。

映像演出なども交えながら、ヒーローと、ヒーローの卵たちは全力で戦う姿を見せる。この日の会場にも、観客はいない。それでも身体が動く。作品を多くの人に届ける日を夢見る。逆境を切り開く。全部抱えて、超えていく。そんな決意が、距離を超え、電波を伝い、画面のこちらまでひしひしと伝わってきた。

配信ならではの演出で、舞台奥に設けられたカメラには、訓練でオールマイトに立ち向かうデクとかっちゃんの力強い表情が映し出された。すべてはオールマイト・・・ヒーローが受け止めた。悔しさも悲しみも、すべてを魂のこもった1回限りのパフォーマンスにぶつけて、デクとかっちゃんは、“本物の英雄(ヒーロー)”になるために舞台から駆け出していった。その先にあるのは、きっと希望の未来だ。そんな、胸も目頭も熱くなる最高の舞台を見せてくれた。

MCの鎌苅は「・・・彼らの苦しみを、僕も知っているもので」と目をうるませながら、「ヒロステの皆さんは本当に悔しい1年を過ごされたと思います。それでも負けず、最高の一歩を踏み出してくれました。僕は今・・・ここに“本物の英雄(ヒーロー)”がいたと思いました。めちゃくちゃかっこよかった!すごく勇気をもらいました。ヒロステ、どうなっていくのかワクワクしますね!」と、発表になった来年の公演へと思いを馳せた。

『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 本物の英雄(ヒーロー)PLUS ULTRA ver.は、2021年中に上演を予定。どんなにピンチでも、最後は絶対に勝つんだ!ヒロステ、2021年に向けてプルス・ウルトラ!!

なお、「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」ネルケプランニングチャンネルでの配信内容の一部が、期間限定で公開中(2021年1月11日23:59まで)。ネルケプランニングの公式YouTubeのチャンネル「ちゃんネルケ」をチェック。
【公開期間】2020年12月25日(金)18:00~2021年1月11日(月・祝)23:59

【公式サイト】https://heroaca-stage.com/
【公式Twitter】@heroaca_stage

(C) 堀越耕平/集英社・「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage製作委員会

(取材・文/エンタステージ編集部 1号、写真/オフィシャル提供)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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