寛一郎、ウィル・タケットのタッグで初舞台『カスパー』謎多き孤児の物語に挑戦

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寛一郎、ウィル・タケットのタッグで初舞台『カスパー』謎多き孤児の物語に挑戦

2023年3月に東京芸術劇場 シアターイーストにて舞台『カスパー』の上演が決定した。ローレンス・オリヴィエ賞受賞の演出家ウィル・タケットとタッグを組み、寛一郎が本作で初舞台・初主演に挑む。

本作は、日本でも大ヒットを記録したヴィム・ヴェンダース監督作『ベルリン・天使の詩』の脚本家としても知られ、2019年のノーベル文学賞受賞作家であるペーター・ハントケが、19世紀はじめに実在した謎多きドイツ人孤児のカスパー・ハウザーを題材に描いた問題作。カスパーは、幼少期より暗い牢のような場所に約16年間監禁され、発見された当時は一つの文章しか話せなかったと言われている。

そんな彼個人の史実を描くのではなく、「ことば」を知ることによって社会にとらわれていく一人の青年として描くことで、個人と社会、そして教育とは何かについて現代に突き付けてくる。言葉を通じて他者との関係性をかたち作り、社会生活を営むことが当たり前の人間世界の、その根本から考えさせられる作品となっている。

演出のウィル・タケットは、渡辺謙主演の舞台『ピサロ』やアダム・クーパー主演の『兵士の物語』などで日本でも知られる英国人演出家。バレエからオペラ、演劇と様々なジャンルの演出を手がける彼が、外界との接触、他人との接触がまったくなかったカスパーが保護され、「ことば」の意味を知り、文明社会に突然放り込まれていく中、カスパーは何と出会い、どこへ向かい、そして何を手に入れ、何を失うのかを、身体表現を駆使した演出で作り上げていく。

主演を務める寛一郎は、映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『菊とギロチン』などで数々の賞を受賞し、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に源実朝を暗殺する公暁役で出演。この戯曲が描くテーマに惹かれて舞台に初挑戦することにしたという寛一郎が、ウィル・タケットとのタッグでどのような世界を魅せてくれるのか、注目だ。

『カスパー』は、2023年3月19日(日)から3日31日(金)まで東京芸術劇場 シアターイーストにて上演される。チケットは、2023年1月中旬より発売予定。

目次

コメント紹介

◆寛一郎

まず台本が非常に興味深く、そして面白かったです。作家が描いている「言葉」というものの認識の深さ、それを反芻して、言語から身の回りの事象を捉えていくという、作家の視点がとても印象深い作品だと思い、この題材を、この作品を演ってみたい、と純粋に思いました。舞台に立つことはこの台本と出会うまで全く考えていませんでしたが、とにかくこの作品を演ってみたいと思いました。まず作品があって、それが舞台のための戯曲だったということです。初めて舞台で演じるにしてはハードルが高い作品かもしれないので、楽しみであると同時に、もちろん不安も感じています(笑)。そしてこの作品との出会いはこれまで生きてきた自分の人生を省みることになるかもしれません。数希な運命を生きたカスパー・ハウザーという人物をもともとご存じの方、またそうでない方にも楽しめる作品にしたいと思いますので、ぜひご来場ください。よろしくお願いいたします。

『カスパー』公演情報

2023年3月19日(日)〜3日31日(金) 東京芸術劇場 シアターイースト

<チケット>
2023年1月中旬

スタッフ・キャスト

【作】ペーター・ハントケ
【訳】池田信雄
【演出】ウィル・タケット

【出演】
寛一郎 ほか

あらすじ

ぼくは そういうような まえ に べつじん だった こと が
ある よう な ひと に なりたい
I want to be a person like somebody else was once.

突然我々の世界に、あるいは時代へ送り込まれてしまった一人の人間。
姿は人間と同じ。たった一つのことば(音)。

「僕はそういうような、前に別人だったことがあるような人になりたい」

を繰り返すだけ。これがこの舞台『カスパー』の始まりです。
言葉を拷問のように浴びせられ、次第にコトバを言葉として認識し、言葉に意味があることを知る。

そして社会で生きていくための言葉やルールを教え込まれ、調教されていく。
「ことば」が次第に「意味」を持ちはじめ、そこに意思が芽生えた時、
カスパーは何と出会い、どこへ向かい、そして何を手に入れ、何を失うのか。
そして「カスパー」とは何者なのか、いったい何なのか・・・。

立つ・歩く・座る・言葉を使う・・・。
我々が「社会」で生きるために身につけたスキル。
我々は自由に自らの意志と選択でこのスキルを使い、社会で暮らしている。
しかし、もしも「言葉」が我々を操作するために「調教」されたものだとしたら・・・。




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