戸次重幸と益岡徹で『A・NUMBER』クローン技術進む近未来を舞台に人間の尊厳を問う

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戸次重幸と益岡徹で『A・NUMBER』クローン技術進む近未来を舞台に人間の尊厳を問う

2022年10月に戸次重幸益岡徹による二人芝居『A・NUMBER(ア・ナンバー)』の上演が決定した。本作は、イギリスの劇作家キャリル・チャーチルがクローン技術が進んだ近未来を舞台に、人間の尊厳と価値観を鋭く描いた話題作。演出は上村聡史が手掛ける。

本作は2002年にロンドン・ロイヤルコート・シアターで初演され、マイケル・ガンボン、ダニエル・クレイブ、サム・シェパードら、数々の名優が演じ、2022年にはローレンス・オリヴィエ賞のリバイバル部門にノミネートされた。

物語は、自分が実はクローンだったと知った息子と、父の対話から始まる。クローン技術が進み、人間のクローンを作ることも技術的には可能だが法的にはグレーゾーンにあたる、そんな近未来。父は亡くなった実の息子を取り戻したくて医療機関に息子のクローンを作り出してもらったと言うが、実は医療機関では依頼者に黙って一人ではなく複数のクローンを作っていたらしい。父親はなぜ息子のクローンを作ったのか。自分がクローンだと分かった息子は、この先どうするのか。他のクローンたちは、どこでどうしているのか・・・。

話の軸となる息子のバーナード役を戸次、父ソルター役を益岡が演じる。私は誰なのか、信じていたものが突然砕け散る時、人は何を思うのか――。戸次と益岡の競演に、注目だ。

『A・NUMBER』は、10月7日(金)から10月16日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演される。その後、名古屋、仙台、札幌、兵庫を巡演予定。

目次

コメント紹介

◆上村聡史
『羊のドリー』が話題になったのは四半世紀ほど前、イギリスを代表する劇作家キャリル・チャーチルの本作も2002年に発表されて以降、多くの国で上演されてきました。科学技術の倫理が際立つテーマもさることながら、戸次重幸さん演じる声・顔・姿が全く同じの3人の男と、益岡徹さん演じる真実を握る男との、クライムサスペンスの様相を帯びながら展開する会話の応酬や、演劇的な仕掛けも、本作の見どころになるでしょう。
そして、今再び上演する面白さは「何によって、誰によって、何者であるかを定義されるのか」という視点に尽きます。果てして今この時代に、性や人種、究極的には人間であることを、我々は定義していくことが可能なのか・・・。多様的な広がりを見せる今とこれからにおいて“アイデンティティ”を巡る悲喜交々をご堪能いただければと思います。

◆戸次重幸
尊敬している益岡徹さんとの二人芝居というお話を頂き、ぜひやりたいと即答いたしました。演出の上村さんとは初めてお会いするので、期待や不安もありますが、私は褒められて伸びるタイプなので、お手柔らかにお願いしたいです(笑)。二人芝居の登場人物が二人とは限らない、ということは今の段階で言ってもいいと思うのですが、それぞれが全く異なるキャラクターなので、とても面白い作品になると思います。さらに膨大な台詞量も見どころの一つになりますので、ぜひご期待ください。上演時間は70分ほどなので、気づいたら終わっていた、というようなことになるかもしれません。私の大好きなSFの要素も入っていますし、難しいことを考えずに、お気軽に劇場に来て頂けたら幸いです。

◆益岡徹
イギリスでの上演時間が約50分で出演者が二人と聞いてコンパクトなイメージを持ちましたが、読んでみるとなかなか難しい芝居だなというのが第一印象でした。文明の中で進化した生命に関する技術や研究は、人の幸せのために重ねてきたものだと思うんですが、戦争を通して発展したものもあり、時に開けないほうが良かったような箱まで開けた部分があります。この作品で描かれる人の命の問題も「そんなことをしてよかったんだろうか」ということを感じる内容になっているのではないかと思います。ただ、父も息子も科学者ではないし、論理的に優れているわけでもなく、我々と同じような人物なんです。彼らをどう演じることで作家が作品で伝えたかったことを伝えられるのか、演出の上村さんと考えていきたいと思います。

『A・NUMBER』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2022年10月7日(金)~10月16日(日) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

<東京公演チケット一般発売>
2022年8月6日(土)10:00~

【名古屋公演】2022年10月21日(金) 青少年文化センター(アートピア)
【仙台公演】2022年10月23日(日) 電力ホール
【札幌公演】2022年10月26日(水) 共済ホール
【兵庫公演】2022年10月29日(土) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

スタッフ・キャスト

【作】キャリル・チャーチル
【翻訳】浦辺千鶴
【演出】上村聡史

【出演】戸次重幸、益岡徹

【公式サイト】https://anumber2022.srptokyo.com/
【Twitter】@anumber2022



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